医療用医薬品 : トブラシン

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医薬品情報


総称名 トブラシン
一般名 トブラマイシン
欧文一般名 Tobramycin
製剤名 トブラマイシン点眼液
薬効分類名 眼科用抗生物質製剤
薬効分類番号 1317
ATCコード S01AA12
KEGG DRUG
D00063 トブラマイシン
KEGG DGROUP
DG01447 アミノグリコシド系抗生物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年7月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トブラシン点眼液0.3% Tobracin Ophthalmic Solution 0.3% 日東メディック 1317708Q1037 36.4円/mL 劇薬, 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分、アミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)

6. 用法及び用量

通常、1回1〜2滴、1日4〜5回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。
8.2 長期間連用しないこと。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1.0〜1.5%未満0.5〜1.0%未満0.1〜0.5%未満頻度不明
眼刺激結膜充血眼瞼の腫脹・発赤、眼そう痒、結膜浮腫、違和感結膜の腫脹
過敏症  発疹 
その他   刺激痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

16. 薬物動態

16.3 分布
16.3.1 結膜嚢内濃度
健康成人12例16眼に0.3%トブラマイシン点眼液を1滴点眼し、0.5〜8時間後のトブラマイシンの結膜嚢内濃度を経時的に測定した。点眼後0.5時間で28〜100μg/mLの最高値を示し、1時間後に7.8〜22μg/mLの濃度が結膜嚢内に貯留した1)
16.3.2 眼組織内濃度
ウサギ眼に0.3%トブラマイシン点眼液を5分ごと5回点眼したときの最高組織内濃度は、点眼後30分で結膜10.2μg/g、60分後で眼瞼8.3μg/g、角膜1.5μg/gであった。その他の眼組織では、外眼筋、強膜、虹彩毛様体及び硝子体においても0.9〜3.9μg/gの濃度を示した2)。また角膜上皮を剥離したウサギ眼に1分ごと5回(1回1滴)点眼したときの最高房水内濃度は、点眼後30分で11.3μg/mLの濃度を示した3)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(一般臨床試験)
全国12施設で外眼部感染症患者を対象に、0.3%トブラマイシン点眼液を点眼し、有効率は80.1%(205/256)であった。なお、各疾患別臨床効果は下表のとおりであった。
副作用は、377例中13例(3.4%)に認められ、主な副作用は眼刺激5件(1.3%)、結膜充血3件(0.8%)であった4)
疾患名有効率(%)
眼瞼炎83.3(10/12)
涙嚢炎69.4(43/62)
麦粒腫80.0(20/25)
結膜炎84.4(114/135)
角膜炎100(7/7)
角膜潰瘍73.3(11/15)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細菌の蛋白合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し、作用は殺菌的である5)
18.2 抗菌作用
トブラマイシンは、試験管内で、ブドウ球菌属(コアグラーゼ陽性及び陰性)、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、緑膿菌に抗菌作用を示す6)7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トブラマイシン

一般的名称 トブラマイシン
一般的名称(欧名) Tobramycin
略号 TOB
化学名 3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[2,6-diamino-2,3,6-trideoxy-α-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)]-2-deoxy-D-streptamine
分子式 C18H37N5O9
分子量 467.51
物理化学的性状 白色〜微黄白色の粉末である。
水に極めて溶けやすく、ホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。
吸湿性である。
KEGG DRUG D00063

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

  1. 永田裕二ほか, 眼科臨床医報, 72 (2), 175-179, (1978)
  2. 大石正夫ほか, 日本眼科学会雑誌, 81 (11), 1777-1782, (1977) »PubMed
  3. 葉田野博ほか, 眼科臨床医報, 71 (10), 1264-1268, (1977)
  4. 社内資料:一般臨床試験(1981年12月7日承認、製造承認申請書添付資料概要)
  5. 植手鉄男, 抗生物質 選択と臨床の実際 改訂8版, 66-81, (1992), (医薬ジャーナル社)
  6. 大石正夫ほか, 眼科臨床医報, 72 (1), 70-75, (1978)
  7. 小酒井望ほか, CHEMOTHERAPY., 25 (7), 1819-1827, (1977) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086
製品情報問い合わせ先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版