医療用医薬品 : EPL

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医薬品情報


総称名 EPL
一般名 ポリエンホスファチジルコリン
欧文一般名 Polyenephosphatidylcholine
製剤名 ポリエンホスファチジルコリンカプセル
薬効分類名 肝臓疾患用剤
高脂質血症改善剤
薬効分類番号 2189 3919
ATCコード A05BA10
KEGG DRUG
D04267 ポリエンホスファチジルコリン
KEGG DGROUP
DG01946 脂質低下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年6月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
EPLカプセル250mg (後発品) EPL Capsules 250mg アルフレッサファーマ 2189006M1058 6.1円/カプセル

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

慢性肝疾患における肝機能の改善、脂肪肝、高脂質血症

6. 用法及び用量

ポリエンホスファチジルコリンとして、通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
過敏症発疹等
消化器下痢、胃部不快感、腹部膨満感、悪心等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.2 吸収
高脂血症患者(外国人)5例に3H、14C-ジリノレオイルグリセロホスフォコリン1gを経口投与した場合、両者の放射活性の90%以上が小腸から吸収される1)
16.5 排泄
高脂血症患者(外国人)5例に3H、14C-ジリノレオイルグリセロホスフォコリン1gを経口投与した場合、糞中に排泄された3H及び14Cの放射活性は、それぞれ投与量の2±0.7%と4.5±1.5%、尿中に排泄された3H及び14Cの放射活性は6±0.8%と1.2±0.4%である1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<高脂血症>
17.1.1 国内第III相試験
(1)二重盲検比較試験
高脂質血症を対象にポリエンホスファチジルコリン1500mg/日又はプラセボを4週間投与した。ポリエンホスファチジルコリン群(65例)はプラセボ群(56例)に比し総コレステロールが有意に低下し2)3)4)、血清総コレステロールと担当医の意見による総合改善度は有意に改善した3)。副作用は、軟便傾向5.7%(4/70例)、胃部不快感2.9%(2/70例)、下痢1.4%(1/70例)であった2)3)4)
(2)血清リポ蛋白分画とApoA蛋白濃度に及ぼす影響
高脂質血症並びに低HDL-コレステロール血症を対象にポリエンホスファチジルコリン1500mg/日を12週間16例に投与した。ポリエンホスファチジルコリン投与後は投与前値に比しHDL-コレステロール、アポ蛋白A-Iの有意な増加、LDL-コレステロール/HDL-コレステロール比の有意な減少が認められた5)
<慢性肝疾患>
17.1.2 国内第III相試験
(1)二重盲検比較試験
慢性肝炎を対象にポリエンホスファチジルコリン1500mg/日又はプラセボを12週間投与した。ポリエンホスファチジルコリン群(58例)はプラセボ群(66例)に比し自・他覚所見の改善、肝機能の有意の改善が認められた。副作用は認められなかった6)7)
(2)肝生検組織像を指標とした試験
慢性肝炎を対象にポリエンホスファチジルコリン1500mg/日を6か月間投与した。評価者に対する単盲検で肝生検組織像を評価した結果、ポリエンホスファチジルコリン群(17例)は対照群(17例)に比し肝生検組織所見の有意な改善又は改善傾向が認められた。副作用は認められなかった8)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 生体膜の形態と機能を調整し(ヒト)6)7)8)9)in vitro10)、酵素の細胞外逸脱を是正し(ラット)11)in vitro12)、細胞内酵素活性を維持する(ラット)13)14)
18.1.2 疾患時に細胞内で起こる脂質代謝異常を改善し(ヒト、ウサギ)、その結果、蛋白代謝、コレステロール放出機能等の各種細胞機能を改善するものと考えられている15)
18.1.3 脂質代謝、蛋白代謝の改善を通じて、血中リポ蛋白分画を改善する(ヒト)16)
18.1.4 コレステロールの代謝回転を調整し、コレステロールエステル比の改善、コレステロールの異化・排泄障害の正常化等の作用を有する(ラット、ヒト)15)17)
18.1.5 血管内膜損傷による血管弾性の低下を改善する(ヒト)18)
18.1.6 血管透過性の異常亢進を抑制する(ラット)19)
18.1.7 血液凝固系の亢進に対する正常化作用を有する(in vitro20)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ポリエンホスファチジルコリン

一般的名称 ポリエンホスファチジルコリン
一般的名称(欧名) Polyenephosphatidylcholine
物理化学的性状 白〜微黄色の油状液体で、特有の臭いがあり、空気によって酸化され、黄〜褐色に変わる。
KEGG DRUG D04267

20. 取扱い上の注意

高温・高湿下では内容液の漏出が生じることがある。

22. 包装

400カプセル[10カプセル(PTP)×40]
1000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
400カプセル[プラスチック袋、バラ]

23. 主要文献

  1. Zierenberg,O.et al., J Lipid Res., 23, 1136-1142, (1982) »PubMed
  2. 中村治雄 他, 新薬と臨牀, 22 (9), 1565-1574, (1973)
  3. 関本 博 他, 薬物療法, 5 (8), 1725-1734, (1972)
  4. 八杉忠男 他, 新薬と臨牀, 22 (4), 691-696, (1973)
  5. 岩崎良文, 内科宝函, 29 (1), 11-15, (1982)
  6. 平山千里 他, 肝臓, 16 (11), 780-788, (1975) »DOI
  7. 平山千里 他, 臨牀と研究, 55 (1), 194-198, (1978)
  8. 矢野右人 他, 診断と治療, 66 (9), 1783-1789, (1978)
  9. 小坂淳夫 他, 肝臓, 16 (11), 770-779, (1975) »DOI
  10. 小田琢三 他, 最新医学, 24 (7), 1573-1580, (1969)
  11. 藤井節郎 他, 四国医学雑誌, 30 (2), 77-85, (1974)
  12. 小川和朗 他, 医学のあゆみ, 76 (5), 300-307, (1971)
  13. Sartori,S.et al., Riv Patol Clin., 19, 279-286, (1964) »PubMed
  14. Rauen,H.M.et al., Arzneimittelforschung/Drug Res., 23 (9), 1332-1334, (1973)
  15. 東野俊夫 他, 治療, 50 (6), 1451-1457, (1968)
  16. 東野俊夫, 新薬と臨牀, 23 (1), 3-20, (1974)
  17. 武内 望 他, 脂質生化学研究, 12, 179-184, (1970)
  18. 吉村正蔵 他, 日本臨牀, 28 (5), 1480-1487, (1970) »PubMed
  19. 村上元孝, 日本内科学会雑誌, 59, 1027-1045, (1970) »DOI
  20. Pfleiderer,T.et al., Thromb Diath Haemorrh., 22, 513-524, (1969) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版