2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿障害が悪化するおそれがある。]
2.4 狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞のある患者[抗コリン作用により消化管運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
○アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、そう痒症)
○感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽
通常1日20mL(クレマスチンとして2mg)を2回に分けて経口投与する。
用量は患者の症状、年令、体重などにより適宜増減することができる。
幼小児に対する標準的な用量として、下記の1日用量がすすめられる。
年令 | タベジールシロップ0.01%の1日用量 |
1歳以上3歳未満 | 4mL |
3歳以上5歳未満 | 5mL |
5歳以上8歳未満 | 7mL |
8歳以上11歳未満 | 10mL |
11歳以上15歳未満 | 13mL |
1歳未満の乳児に使用する場合には、体重、症状などを考慮して適宜投与量を決める。
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
9.1.2 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。[
9.7参照]
9.7 小児等
乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。[
9.6、
11.1.1参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣(頻度不明)、興奮(頻度不明)
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
過敏症 | − | 発疹 | − |
精神神経系 | 眠気 | 頭重、けん怠感 | 浮動性めまい |
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振、下痢 | − | 口渇 |
肝臓 | − | − | AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇 |
13.1 症状
中枢神経抑制、興奮、口渇、瞳孔散大、潮紅、胃腸症状等
16.1 血中濃度
健康成人に3H-クレマスチン2mgを経口投与したところ、4時間後に最高血中濃度14.45ng/mLを示した(外国人のデータ)。
16.5 排泄
投与後120時間までの尿中排泄率は44.6%、糞便中排泄率は18.9%であった(外国人のデータ)。
18.1 作用機序
本剤はベンツヒドリルエーテル系に属する抗ヒスタミン剤・クレマスチンフマル酸塩の製剤で、持続的な抗ヒスタミン作用を有し、アレルギー症状を除去あるいは軽減する。
18.2 薬理作用
18.2.1 クレマスチンは、ヒスタミンによるモルモット回腸の収縮を抑制し(
in vitro)、ヒスタミンによる喘息誘発(モルモット)及び低血圧(ネコ)を抑制する。この作用は、いずれもクロルフェニラミンより強い
5)。
18.2.2 健康成人において、ヒスタミン及びCompound 48/80の皮内投与による紅斑及び丘斑誘起に対するタベジールの抑制効果は投与後1.5時間であらわれ、11.5時間にわたり持続する
6)。
18.2.3 抗ヒスタミン作用を示す用量では、鎮静作用(サル)
5)7)、抗コリン作用(モルモット回腸、
in vitro)
5)、抗セロトニン作用(ラット子宮、
in vitro)
5)及び抗アドレナリン作用(イヌ)
5)7)は弱い。