医療用医薬品 : タベジール

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医薬品情報


総称名 タベジール
一般名 クレマスチンフマル酸塩
欧文一般名 Clemastine Fumarate
製剤名 クレマスチンフマル酸塩シロップ
薬効分類名 持続性抗ヒスタミン剤
薬効分類番号 4419
ATCコード D04AA14 R06AA04
KEGG DRUG
D00666 クレマスチンフマル酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年6月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
タベジールシロップ0.01% Tavegyl Syrup 0.01% 日新製薬-山形 4419008Q1157 2.32円/mL 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿障害が悪化するおそれがある。]
2.4 狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞のある患者[抗コリン作用により消化管運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]

4. 効能または効果

○アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、そう痒症)
アレルギー性鼻炎
○感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽

6. 用法及び用量

通常1日20mL(クレマスチンとして2mg)を2回に分けて経口投与する。
用量は患者の症状、年令、体重などにより適宜増減することができる。
幼小児に対する標準的な用量として、下記の1日用量がすすめられる。
年令タベジールシロップ0.01%の1日用量
1歳以上3歳未満4mL
3歳以上5歳未満5mL
5歳以上8歳未満7mL
8歳以上11歳未満10mL
11歳以上15歳未満13mL
1歳未満の乳児に使用する場合には、体重、症状などを考慮して適宜投与量を決める。

8. 重要な基本的注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させることがある。
9.1.2 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。[9.7参照]
9.7 小児等
乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。[9.611.1.1参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
中枢神経抑制剤
鎮静剤
催眠剤等
アルコール
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。いずれも中枢神経抑制作用を有するため。
抗コリン剤
アトロピン等
MAO阻害剤
抗コリン作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。作用を増強させるため。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣(頻度不明)、興奮(頻度不明)
乳児、幼児では特に注意すること。[9.7参照]
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹
精神神経系眠気頭重、けん怠感浮動性めまい
消化器悪心・嘔吐、食欲不振、下痢口渇
肝臓AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇

13. 過量投与

13.1 症状
中枢神経抑制、興奮、口渇、瞳孔散大、潮紅、胃腸症状等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
幼小児の手の届かない所に保管すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人に3H-クレマスチン2mgを経口投与したところ、4時間後に最高血中濃度14.45ng/mLを示した(外国人のデータ)。
16.5 排泄
投与後120時間までの尿中排泄率は44.6%、糞便中排泄率は18.9%であった(外国人のデータ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 一般臨床試験及び二重盲検比較試験
一般臨床試験、二重盲検比較試験によりアレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹等を含む)、アレルギー性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽に対する効果の検討が行われた1)2)3)4)
疾患名有効率
アレルギー性皮膚疾患90.4%(169/187)
アレルギー性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽86.6%(142/164)
投与量は、1日4〜20mLが大部分であった。また、タベジール錠1mgとの二重盲検比較試験の結果、タベジールシロップ0.01%とタベジール錠1mgの効果が同等であることが認められた。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はベンツヒドリルエーテル系に属する抗ヒスタミン剤・クレマスチンフマル酸塩の製剤で、持続的な抗ヒスタミン作用を有し、アレルギー症状を除去あるいは軽減する。
18.2 薬理作用
18.2.1 クレマスチンは、ヒスタミンによるモルモット回腸の収縮を抑制し(in vitro)、ヒスタミンによる喘息誘発(モルモット)及び低血圧(ネコ)を抑制する。この作用は、いずれもクロルフェニラミンより強い5)
18.2.2 健康成人において、ヒスタミン及びCompound 48/80の皮内投与による紅斑及び丘斑誘起に対するタベジールの抑制効果は投与後1.5時間であらわれ、11.5時間にわたり持続する6)
18.2.3 抗ヒスタミン作用を示す用量では、鎮静作用(サル)5)7)、抗コリン作用(モルモット回腸、in vitro5)、抗セロトニン作用(ラット子宮、in vitro5)及び抗アドレナリン作用(イヌ)5)7)は弱い。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クレマスチンフマル酸塩

一般的名称 クレマスチンフマル酸塩
一般的名称(欧名) Clemastine Fumarate
化学名 (2R)-2-{2-[(1R)-1-(4-Chlorophenyl)-1-phenylethoxy]ethyl}-1-methylpyrrolidine monofumarate
分子式 C21H26ClNO・C4H4O4
分子量 459.96
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはない。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00666

22. 包装

500mL×1本[褐色ガラス瓶]

23. 主要文献

  1. 牧野孝三他, 新薬と臨床, 9 (9), 1803-1806, (1972)
  2. 長谷川誠他, 新薬と臨床, 22 (2), 323-326, (1973)
  3. 海老原勉他, 診療と新薬, 9 (9), 1787-1793, (1972)
  4. 小堀辰治他, 臨床評価, 2 (2), 259-269, (1974)
  5. Weidmann,H.et al., Boll.Chim.Farm., 106 (7), 467-496, (1967) »PubMed
  6. Kerp,L.et al., Med.Welt., 17, 2794-2798, (1966)
  7. Romer,D.et al., Med.Welt., 17, 2791-2794, (1966)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp
製品情報問い合わせ先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版