医療用医薬品 : マイピリン

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医薬品情報


総称名 マイピリン
一般名 ネオスチグミンメチル硫酸塩
塩化カルシウム水和物
塩化ナトリウム
炭酸水素ナトリウム
L-アスパラギン酸カリウム
欧文一般名 Neostigmine Methylsulfate
Calcium Chloride Hydrate
Sodium Chloride
Sodium Bicarbonate
Potassium L-Aspartate
製剤名 ネオスチグミンメチル硫酸塩・無機塩類配合点眼液
薬効分類名 調節機能改善点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード N07AA51
KEGG DRUG
D04114 メチル硫酸ネオスチグミン・無機塩類
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年5月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
マイピリン点眼液 (後発品) MYPILIN Ophthalmic Solution ロートニッテン 1319809X2051 89.2円/瓶

4. 効能または効果

調節機能の改善

6. 用法及び用量

通常、1回2〜3滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 閉塞隅角緑内障の患者及び狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因のある患者
急性閉塞隅角緑内障の発作を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症過敏症状
一過性の眼圧上昇、調節痙攣

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5〜10分間の間隔をあけて再装用すること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
調節性眼精疲労患者84例(有効性解析対象61例119眼)を対象とした二重盲検比較試験において、ネオスチグミンメチル硫酸塩・無機塩類配合点眼液又はミネラル点眼液(ネオスチグミンメチル硫酸塩・無機塩類配合点眼液の処方からネオスチグミンメチル硫酸塩を除いたもの)を1日4回、両眼に1〜4週間点眼した結果、アコモドポリレコーダーを用いた調節時間の反復測定結果より総合的に判定した調節機能改善効果において、ネオスチグミンメチル硫酸塩・無機塩類配合点眼液群の有効率(やや有効以上)は69.2%(45/65眼)であり、ミネラル点眼液群の44.4%(24/54眼)と比較し、ネオスチグミンメチル硫酸塩・無機塩類配合点眼液の効果は有意に優れていた(U検定、p<0.01)。副作用は認められなかった1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの可逆的阻害薬で、アセチルコリンの分解を抑制して筋の興奮を持続し、疲労等による神経伝達の低下に由来する調節機能の低下を抑制する2)3)
18.2 調節機能改善作用
健康成人(6例)に0.001、0.005、0.01、0.1%の4濃度のネオスチグミンメチル硫酸塩点眼液注)を1回1滴、2分間隔で2回点眼し、5m視力、瞳孔径、調節光電図(PEAG)及び調節機能の検査を行った結果、0.005%以下の濃度でネオスチグミンメチル硫酸塩は、視力、瞳孔径に影響を及ぼすことなく、アコモドポリレコーダーを用いた調節時間反復測定における調節緊張・弛緩時間の有意な短縮とパターンの改善、並びにPEAGと微動調節の改善を示した3)
注)本剤のネオスチグミンメチル硫酸塩濃度は0.005%である。
18.3 生物学的同等性試験
18.3.1 調節機能改善効果
マイピリン点眼液とミオピン点眼液について、健常人(成人男女計6名)を対象として近見負荷作業後の調節機能を評価した結果、両剤の近点調節の短縮時間に有意差は認められず、生物学的に同等であると考えられた4)
調節機能改善効果

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ネオスチグミンメチル硫酸塩

一般的名称 ネオスチグミンメチル硫酸塩
一般的名称(欧名) Neostigmine Methylsulfate
化学名 3-(Dimethylcarbamoyloxy)-N,N,N-trimethylanilinium methyl sulfate
分子式 C13H22N2O6S
分子量 334.39
融点 145〜149℃
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)に溶けやすい。
理化学知見その他 19.1 ネオスチグミンメチル硫酸塩
KEGG DRUG D00998

19.2. 塩化カルシウム水和物

一般的名称 塩化カルシウム水和物
一般的名称(欧名) Calcium Chloride Hydrate
分子式 CaCl2・2H2O
分子量 147.01
物理化学的性状 白色の粒又は塊で、においはない。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。潮解性である。
理化学知見その他 19.2 塩化カルシウム水和物
KEGG DRUG D02256

19.3. 塩化ナトリウム

一般的名称 塩化ナトリウム
一般的名称(欧名) Sodium Chloride
分子式 NaCl
分子量 58.44
物理化学的性状 無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
理化学知見その他 19.3 塩化ナトリウム
KEGG DRUG D02056

19.4. 炭酸水素ナトリウム

一般的名称 炭酸水素ナトリウム
一般的名称(欧名) Sodium Bicarbonate
分子式 NaHCO3
分子量 84.01
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。湿った空気中で徐々に分解する。
理化学知見その他 19.4 炭酸水素ナトリウム
KEGG DRUG D01203

19.5. L-アスパラギン酸カリウム

一般的名称 L-アスパラギン酸カリウム
一般的名称(欧名) Potassium L-Aspartate
分子式 C4H6KNO4
分子量 171.19
物理化学的性状 白色の粉末で、においはなく、特異な味がある。水に極めて溶けやすく、エタノールに極めて溶けにくく、エーテルにほとんど溶けない。極めて吸湿性である。
理化学知見その他 19.5 L-アスパラギン酸カリウム
KEGG DRUG D04948

22. 包装

プラスチック点眼容器
5mL×10本

23. 主要文献

  1. 鈴村昭弘 他, 日本眼科紀要, 30, 1187-1193, (1979)
  2. 第十八改正日本薬局方解説書, C3966-C3970, (2021), (廣川書店)
  3. 山地良一, 眼科臨床医報, 73, 531-546, (1979)
  4. 社内資料:生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115
製品情報問い合わせ先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ロートニッテン株式会社
名古屋市南区桜本町40番地の2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版