医療用医薬品 : トラメラス

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医薬品情報


総称名 トラメラス
一般名 トラニラスト
欧文一般名 Tranilast
薬効分類名 アレルギー性結膜炎治療剤
薬効分類番号 1319
KEGG DRUG
D02027 トラニラスト
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年5月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トラメラス点眼液0.5% TRAMELAS Ophthalmic Solution ロートニッテンファーマ 1319736Q1084 305.2円/瓶

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

通常、1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

8. 重要な基本的注意

重症例には本剤単独では十分な効果が得られないので、他の適切な治療法への切替えあるいはそれとの併用を考慮し、本剤のみを漫然と長期に使用しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
9.5.1 妊婦(特に約3カ月以内)又は妊娠している可能性のある女性
投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で、本剤の経口大量投与により、骨格異常例の増加が認められている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜1%未満頻度不明
過敏症眼瞼皮膚炎、眼瞼炎接触性皮膚炎(眼周囲)
刺激感結膜充血、眼瞼腫脹、そう痒感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・眼周囲等に流出した液は拭き取ること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・本剤を冷蔵庫等で保存すると、結晶が析出することがあるので避けること。[20.1参照]
・遮光して保存すること。[20.2参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子にトラニラスト点眼液0.5%を単回点眼(両眼に2滴ずつ)したところ、最高血中濃度は17.8ng/mLであった。血中からの消失半減期は3.6時間であった1)
速度論的パラメーター(単回点眼)
 Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-4hr(ng・hr/mL)T1/2(hr)
単回点眼
(1回投与)
1.2±0.417.8±7.150.8±17.63.6±1.3
16.1.2 反復投与
健康成人男子にトラニラスト点眼液0.5%を反復点眼(両眼に2滴ずつ、投与1、8日目は1日1回、投与2〜7日目は1日4回)したところ、最高血中濃度は25.0ng/mLであった。血中からの消失半減期は3.9時間であった1)
速度論的パラメーター(反復点眼)
 Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-4hr(ng・hr/mL)T1/2(hr)
反復点眼
(8日間投与)
0.8±0.325.0±12.275.6±31.33.9±1.2
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソーム及びP450発現系ミクロソームを用いたin vitro試験の結果、トラニラストの酸化的代謝反応はCYP2C9、CYP2C18、CYP2C8、CYP1A2、CYP3A4、CYP2D6で確認され、主としてCYP2C9が代謝に関与することが示された2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験
I型アレルギーの関与が明らかなアレルギー性結膜炎の患者200例を対象にトラニラスト点眼液0.5%又はクロモグリク酸ナトリウム点眼液2%を1回1〜2滴、1日4回朝、昼、夕方及び就寝前に4週間投与した。全般改善度を著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化の5段階にて評価した結果、中等度改善以上の改善率はトラニラスト点眼液群63.4%、クロモグリク酸ナトリウム点眼液群52.7%であり、同等性検定により同等であった。副作用の発現割合はトラニラスト点眼液群1.0%(1/98例)であり、しみるが1.0%(1/98例)であった3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
抗原刺激による肥満細胞及び各種炎症細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン等)の遊離を抑制することにより、抗アレルギー作用を示す(ラット、モルモット、in vitro4)5)6)7)8)9)10)11)12)
18.2 アレルギー性結膜炎抑制作用
動物結膜炎モデルにおいて、血管透過性の亢進に対し、点眼投与で用量依存的な抑制作用を示す(ラット)13)。また、血管透過性の亢進及び結膜組織への炎症細胞の浸潤に対し、点眼投与で用量依存的な抑制作用を示す(モルモット)14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トラニラスト

一般的名称 トラニラスト
一般的名称(欧名) Tranilast
化学名 2-{[(2E)-3-(3,4-Dimethoxyphenyl)prop-2-enoyl]amino}benzoic acid
分子式 C18H17NO5
分子量 327.33
融点 207〜210℃
物理化学的性状 淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に淡い黄褐色となる。結晶多形が認められる。
KEGG DRUG D02027

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤を冷蔵庫等で保存すると、結晶が析出することがあるので避けること。[14.1参照]
20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。[14.1参照]

22. 包装

プラスチック点眼容器
5mL×10本、5mL×50本

23. 主要文献

  1. 社内資料:健常人におけるトラニラスト点眼液反復点眼時の薬物動態の検討
  2. キッセイ薬品工業社内資料:トラニラスト代謝に関与するチトクロームP450分子種
  3. 三國郁夫 他, 臨床医薬, 9 (3), 669-683, (1993)
  4. Azuma H,et al., Br J Pharmacol., 58 (4), 483-488, (1976) »PubMed
  5. 坂野和英 他, アレルギー, 26 (4), 385-391, (1977) »DOI
  6. 中沢政之 他, 日薬理誌, 74 (4), 473-481, (1978) »PubMed
  7. 中沢政之 他, 日薬理誌, 74 (4), 483-490, (1978) »PubMed
  8. 小松英忠 他, 基礎と臨床, 13 (1), 43-49, (1979)
  9. 小松英忠 他, 日薬理誌, 82 (1), 47-55, (1983) »PubMed
  10. 堤直行 他, 応用薬理, 25 (6), 973-979, (1983)
  11. 堤直行 他, 応用薬理, 33 (4), 587-597, (1987)
  12. 伊東史顕 他, 基礎と臨床, 27 (1), 191-194, (1993)
  13. 芝崎泰平 他, 日本眼科紀要, 43 (12), 1419-1424, (1992)
  14. 伊東史顕 他, 日薬理誌, 101 (1), 27-32, (1993) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115
製品情報問い合わせ先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ロートニッテンファーマ株式会社
名古屋市南区桜本町40番地の2
26.2 販売元
ロートニッテン株式会社
名古屋市南区桜本町40番地の2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版