医療用医薬品 : フラジール

List   Top

医薬品情報


総称名 フラジール
一般名 メトロニダゾール
欧文一般名 Metronidazole
製剤名 メトロニダゾール腟錠
薬効分類名 抗トリコモナス剤
薬効分類番号 2529
ATCコード G01AF01 P01AB01
KEGG DRUG
D00409 メトロニダゾール
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フラジール腟錠250mg Flagyl vaginal tablets 富士製薬工業 2529707H1063 54.3円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
既往に本剤の成分に対する過敏症を起こした患者

4. 効能または効果

○トリコモナス腟炎
細菌性腟症
<適応菌種>
<適応症>

6. 用法及び用量

<トリコモナス腟炎>
メトロニダゾールとして、通常成人1クールとして1日1回250mgを10〜14日間腟内に挿入する。
<細菌性腟症>
通常、成人にはメトロニダゾールとして、1日1回250mgを7〜10日間腟内に挿入する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満
過敏症 そう痒感、腟壁充血等の局所刺激、局所の発赤
生殖器Candida albicansの出現 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
本剤はPTPシートから取り出して腟内にのみ使用するよう指導すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
2、4時間後に測定した血中濃度は、妊娠後期女性の1例の2時間値に2μg/mL以下が測定されただけで、その他は全く血中移行を認めなかった1)
16.2 吸収
4時間後の健康女性10例の腟内残存率は70〜95%(平均83.0%)であった1)
16.5 排泄
4時間後に測定した尿中濃度は、健康女性8例において0〜3μg/mL(平均1.13μg/mL)であった1)
16.8 その他
健康女性12例、妊娠初期女性16例、妊娠後期女性10例、骨盤内性器感染女性9例を対象として、1日1回メトロニダゾール腟錠250mg(1錠)を腟内に挿入して生物学的定量法により体内移行を検討した。
本剤は局所集中性が強く血中濃度、尿中排泄としてみるべきほどの移行を示さなかった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
トリコモナス腟炎に対する再評価結果における有効性評価対象例332例中、治癒率は97.9%(325例)であり、原虫再出現率は有効性評価対象例270例中、29.3%(79例)であった2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
メトロニダゾールは原虫又は菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOが抗原虫作用及び抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く13)14)15)
18.2 薬理作用
Trichomonas vaginalisに対し、抗原虫作用を示す16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. メトロニダゾール

一般的名称 メトロニダゾール
一般的名称(欧名) Metronidazole
化学名 2-(2-Methyl-5-nitro-1H-imidazol-1-yl)ethanol
分子式 C6H9N3O3
分子量 171.15
融点 159〜163℃
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)又はアセトンにやや溶けにくく、水に溶けにくい。
希塩酸に溶ける。
光によって黄褐色になる。
分配係数 0.81[pH7.4、1-オクタノール/緩衝液]
KEGG DRUG D00409

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は湿気、光を避けて保存すること。

22. 包装

60錠[6錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. 青河寛次 他, 産婦人科の世界, 28 (3), 231-237, (1976)
  2. 青河寛次, ファルマシア, 7 (3), 205-211, (1971) »DOI
  3. 長峰敏治 他, 臨床婦人科産科, 15 (9), 769-775, (1961)
  4. 大川知之, 日本産科婦人科学会雑誌, 14 (11), 57-66, (1962)
  5. 松本道夫 他, 臨床婦人科産科, 16 (2), 151-155, (1962)
  6. 小森昭, 産婦人科の世界, 14 (3), 276-277, (1962)
  7. 伊藤敬 他, 産科と婦人科, 30 (10), 1273-1278, (1963)
  8. 野中正寛, 産婦人科の世界, 15 (3), 395-398, (1963)
  9. 辻 啓 他, 新薬と臨床, 14 (1), 63-71, (1965)
  10. 山田文夫, 産科と婦人科, 38 (9), 1136-1144, (1963)
  11. 飯田和質 他, 北陸産科婦人科学会雑誌, 5 (3-4), 40-42, (1963)
  12. 富山忠彦 他, 産婦中四会, 13 (1), 11-17, (1964)
  13. Osato,MS., Curr Pharm Des., 6 (15), 1545-1555, (2000) »PubMed
  14. 山本達男 他, 日本臨牀, 63 (S-11), 376-381, (2005)
  15. Upcroft P,et al., Clin Microbiol Rev., 14 (1), 150-164, (2001) »PubMed
  16. Jennison R F,et al., J Clin Pathol., 14, 431-435, (1961) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
電話:0120-956-792
FAX:076-478-0336
製品情報問い合わせ先
富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
電話:0120-956-792
FAX:076-478-0336

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版