医療用医薬品 : トプシム

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医薬品情報


総称名 トプシム
一般名 フルオシノニド
欧文一般名 Fluocinonide
製剤名 フルオシノニド製剤
薬効分類名 外用合成副腎皮質ホルモン剤
薬効分類番号 2646
ATCコード D07AC08
KEGG DRUG
D00325 フルオシノニド
KEGG DGROUP
DG01955 副腎皮質ステロイド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2020年5月 改訂(第1版 D6)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トプシムEクリーム0.05% TOPSYM E Cream 田辺三菱製薬 2646708N1238 13.1円/g 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染症を悪化させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

4. 効能または効果

○湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
○痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)
乾癬
掌蹠膿疱症
○円形脱毛症(悪性を含む)
尋常性白斑

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

1日1〜3回、適量を患部に塗布する。

8. 重要な基本的注意

8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。[9.59.79.811.1.2参照]
8.2 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化がみられる場合は使用を中止すること。
8.3 症状改善後はできるだけ速やかに使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ラット、マウス:連日皮下投与)で催奇形作用(外形異常)があらわれたとの報告がある。[8.1参照]
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。[8.1参照]
9.8 高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。[8.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼圧亢進、緑内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚へ使用した際に起こることがある。
11.1.2 後嚢白内障、緑内障(いずれも頻度不明)
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。[8.1参照]
注)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
皮膚の感染症注1) 皮膚の真菌性(カンジダ症、白癬等)及び細菌性(伝染性膿痂疹、毛嚢炎等)感染症注2)
その他の皮膚症状注3)魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失、刺激感、乾燥ざ瘡疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
過敏症紅斑、丘疹、腫脹接触皮膚炎
下垂体・副腎皮質系機能 大量又は長期にわたる広範囲の使用又は密封法(ODT)による下垂体・副腎皮質系機能の抑制

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
化粧下やひげそり後等に使用しないよう、患者に指導すること。
14.2 薬剤使用時の注意
眼科用として使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検比較試験
湿潤型湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、老人性皮膚炎167例を対象としたトプシムクリーム0.05%との二重盲検比較試験において、本剤又はトプシムクリーム0.05%を1日2〜3回、1〜3週間単純塗布擦したとき、両剤間に同等の有用性が認められた。
副作用発現頻度は、本剤で16.8%(28/167例)、トプシムクリームで21.6%(36/167例)であった。主な副作用は、乾燥化(本剤で10.2%(17/167例)、トプシムクリームで15.0%(25/167例))、刺激感(いずれも8.4%(14/167例))であった1)
17.1.2 一般臨床試験
湿疹・皮膚炎群、乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑等190例を対象とした一般臨床試験で有効率は84.2%(160/190例)であった2)3)4)5)6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
コルチコステロイドは、標的細胞の細胞質内に入り、そこに存在するレセプターと結合後、核内に移行して遺伝子を活性化し、合成されたメッセンジャーRNAが細胞質内に特異的蛋白リポコルチンを合成する。
細胞膜を形成するリン脂質に含まれるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA2(PLA2)により遊離後、代謝を受けて各種のプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンとなり炎症に関与するが、リポコルチンはこのPLA2を阻害することにより、抗炎症作用を発現するものと考えられている7)
18.2 薬理作用
抗炎症作用のスクリーニングテストとしての胸腺退縮試験(ラット)8)、抗肉芽試験(ラット)8)、抗ACTH試験(ラット)8)、in vitroにおける線維芽細胞抑制試験9)、ライソゾーム膜安定試験10)等のほか、クロトン油皮膚炎(ラット、ヒト)8)11)12)、灯油皮膚炎(ヒト)12)等の実験皮膚炎抑制試験、毛細血管収縮試験(ヒト)13)14)及び病巣皮膚を用いた乾癬試験(ヒト)15)において、優れた生物活性を有することが認められている。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. フルオシノニド

一般的名称 フルオシノニド
一般的名称(欧名) Fluocinonide
化学名 6α,9-Difluoro-11β,21-dihydroxy-16α,17-(1-methylethylidenedioxy)pregna-1,4-diene-3,20-dione-21-acetate
分子式 C26H32F2O7
分子量 494.52
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。クロロホルムにやや溶けにくく、アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)又は酢酸エチルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
KEGG DRUG D00325

22. 包装

50g[5g(チューブ)×10]

23. 主要文献

  1. 渡辺 靖,他, 西日本皮膚科, 43 (4), 632-642, (1981) »DOI
  2. 早川律子,他, 皮膚, 25 (1), 72-78, (1983) »DOI
  3. 橋本 淳,他, 現代の診療, 22 (11), 1497-1505, (1980)
  4. 川岸郁朗,他, 現代の診療, 22 (11), 1515-1520, (1980)
  5. 昆 宰市,他, 現代の診療, 22 (11), 1511-1513, (1980)
  6. 昆 宰市,他, 現代の診療, 22 (11), 1507-1510, (1980)
  7. 鹿取 信, 炎症とプロスタグランジン, 74-93, (1986)
  8. Rooks WH., Syntex Research資料(社内資料)
  9. Ruhmann AG,et al., Endocrinology., 76, 916-927, (1965) »PubMed
  10. 木下 啓,他, 西日本皮膚科, 36 (5), 680-687, (1974) »DOI
  11. Ortega E,et al., Acta Derm Venereol Suppl(Stockh)., 52 (67), 95-97, (1971) »PubMed
  12. Kaidbey KH,et al., J Invest Dermatol., 63 (3), 292-297, (1974) »PubMed
  13. Stoughton RB., Arch Dermatol., 99 (6), 753-756, (1969) »PubMed
  14. Place VA,et al., Arch Dermatol., 101 (5), 531-537, (1970) »PubMed
  15. Dumas KJ,et al., Acta Derm Venereol., 52 (1), 43-48, (1972) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280
製品情報問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版