医療用医薬品 : エクセルダーム

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医薬品情報


総称名 エクセルダーム
一般名 スルコナゾール硝酸塩
欧文一般名 Sulconazole Nitrate
製剤名 スルコナゾール硝酸塩クリーム・外用液
薬効分類名 抗真菌剤
薬効分類番号 2655
ATCコード D01AC09
KEGG DRUG
D00886 スルコナゾール硝酸塩
KEGG DGROUP
DG01883 イミダゾール系抗真菌薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版 D4)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エクセルダームクリーム1% EXELDERM Cream 田辺三菱製薬 2655707N1038 17.7円/g
エクセルダーム外用液1% EXELDERM Solution 田辺三菱製薬 2655707Q1034 17.7円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記の皮膚真菌症の治療
白癬、股部白癬、体部白癬
間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、指間びらん症、爪囲炎
癜風

6. 用法及び用量

1日2〜3回、適量を患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
皮膚局所のそう痒感、刺激感・熱感、接触皮膚炎、発赤腫脹感、浸軟、丘疹、乾燥

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
<製剤共通>
14.1.1 眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
14.1.2 著しいびらん面には使用しないこと。
<外用液>
14.1.3 刺激を生じることがあるので、亀裂、びらん面には注意して使用すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
1%-3H-スルコナゾール硝酸塩クリーム剤4.5gを、健康成人7例の腹部正常皮膚2ヵ所に12時間間隔で2回単純塗布、1回目の塗布後24時間の時点で、皮膚を洗浄した。この時の血漿中濃度は塗布後24時間にピークに達し、以後ゆるやかに減少した1)(外国人データ)。
16.2 吸収
1%-3H-スルコナゾール硝酸塩クリーム剤4.5gを、健康成人7例の腹部正常皮膚2ヵ所に12時間間隔で2回単純塗布、1回目の塗布後24時間の時点で、皮膚を洗浄した。塗布後7日までに尿糞中へ排泄された放射能量から、経皮吸収率は8.7%であった1)(外国人データ)。
16.3 分布
経皮投与時の臓器組織内分布は、塗布部位と腸内容物に高い他は、副腎、肝臓、腎臓内に僅かに分布したにすぎなかった2)(ラット)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
本剤を1日2〜3回、病巣の範囲に応じた適量を患部に塗布した、白癬、カンジダ症及び癜風に対する対照薬との比較臨床試験の結果、本剤の有用性が認められている。この比較試験を含む国内で実施された臨床試験で、本剤の有効率は下表のとおりであった3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)
有効率(%)
クリーム1%外用液1%
白癬足白癬210/247(85.0%)102/121(84.3%)
股部白癬116/122(95.1%)53/59(89.8%)
体部白癬133/155(85.8%)72/83(86.7%)
皮膚カンジダ症間擦疹型皮膚カンジダ症108/114(94.7%)47/51(92.2%)
乳児寄生菌性紅斑22/22(100.0%)15/15(100.0%)
カンジダ性指間びらん症7/7(100.0%)8/8(100.0%)
カンジダ性爪囲炎19/20(95.0%)1/1(100.0%)
癜風109/116(94.0%)45/51(88.2%)
総計724/803(90.2%)343/389(88.2%)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
スルコナゾール硝酸塩は、真菌の細胞膜の透過性に関与する物性の変化及び細胞膜結合性ATPase活性の変化を促すことによって膜透過性機能及び輸送機能を障害し、真菌を死滅させると考えられている14)
18.2 抗菌作用
18.2.1 酵母様真菌、皮膚糸状菌、子のう菌等の広い範囲の真菌に強い抗真菌活性を示し、その作用は殺菌的である14)15)16)(in vitro)。
18.2.2 C.albicansについては、発育期のみならず、休止期の細胞に対しても強い抗真菌作用を示す17)(in vitro)。
18.2.3 一部の嫌気性菌を含むグラム陽性菌に対しても抗菌作用を示す16)(in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. スルコナゾール硝酸塩

一般的名称 スルコナゾール硝酸塩
一般的名称(欧名) Sulconazole Nitrate
化学名 (±)-1-[2,4-dichloro-β-[(4-chlorobenzyl)thio]phenethyl]imidazole nitrate
分子式 C18H15Cl3N2S・HNO3
分子量 460.77
融点 約130℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又は僅かに特異なにおいがある。ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、氷酢酸にやや溶けにくく、無水エタノール又はクロロホルムに溶けにくく、水又はエーテルにほとんど溶けない。ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。本品1gに水100mLを加え、振り混ぜて得た懸濁液のpHは約4である。
KEGG DRUG D00886

22. 包装

<エクセルダームクリーム1%>
100g[10g(チューブ)×10]
<エクセルダーム外用液1%>
100mL[10mL(ボトル)×10]

23. 主要文献

  1. Franz TJ, et al., J Pharm Sci., 77 (6), 489-491, (1988) »PubMed
  2. 藤原充雄,他, 応用薬理, 28 (1), 145-154, (1984)
  3. R S 44872研究班, 西日本皮膚科, 46 (3), 769-782, (1984) »DOI
  4. R S 44872ソリューション研究班, 西日本皮膚科, 46 (4), 960-965, (1984) »DOI
  5. R S 44872クリーム研究班, 皮膚科紀要, 78 (4), 283-290, (1983)
  6. R S 44872臨床研究班, 西日本皮膚科, 46 (3), 783-791, (1984) »DOI
  7. 大橋 勝,他, 皮膚, 25 (5), 896-901, (1983) »DOI
  8. 渡辺 靖,他, 臨牀と研究, 61 (10), 3396-3400, (1984)
  9. 松尾 茂, 臨牀と研究, 61 (11), 3697-3702, (1984)
  10. 高橋伸也,他, 臨牀と研究, 61 (10), 3401-3404, (1984)
  11. 久木田 淳,他, 西日本皮膚科, 46 (4), 966-972, (1984) »DOI
  12. 香川三郎,他, 薬理と治療, 12 (5), 2141-2145, (1984)
  13. R S 44872ソリューション研究班, 西日本皮膚科, 46 (4), 947-959, (1984) »DOI
  14. 山口英世,他, 真菌と真菌症, 24 (3), 253-262, (1983) »DOI
  15. 吉田弘嗣,他, Chemotherapy., 32 (7), 477-484, (1984) »DOI
  16. 岩田和夫,他, 真菌と真菌症, 23 (4), 314-317, (1982) »DOI
  17. 岩田和夫,他, 真菌と真菌症, 25 (2), 147-157, (1984) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280
製品情報問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版