医療用医薬品 : ハイアミン

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医薬品情報


総称名 ハイアミン
一般名 ベンゼトニウム塩化物
欧文一般名 Benzethonium Chloride
製剤名 逆性石けん液
薬効分類名 10w/v%殺菌消毒剤
薬効分類番号 2616
ATCコード D08AJ08
KEGG DRUG
D01140 ベンゼトニウム塩化物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハイアミン液10% HYAMINE Solution 10% アルフレッサファーマ 2616701Q1055 1.27円/mL

4. 効能または効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、感染皮膚面の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、腟洗浄、結膜嚢の洗浄・消毒

6. 用法及び用量

効能又は効果用法及び用量
手指・皮膚の消毒通常石けんで十分に洗浄し、水で石けん分を十分に洗い落した後、ベンゼトニウム塩化物0.05〜0.1%溶液に浸して洗い、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。
術前の手洗の場合には、5〜10分間ブラッシングする。
手術部位(手術野)の皮膚の消毒手術前局所皮膚面を、ベンゼトニウム塩化物0.1%溶液で約5分間洗い、その後ベンゼトニウム塩化物0.2%溶液を塗布する。
手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒ベンゼトニウム塩化物0.01〜0.025%溶液を用いる。
感染皮膚面の消毒ベンゼトニウム塩化物0.01%溶液を用いる。
医療機器の消毒ベンゼトニウム塩化物0.1%溶液に10分間浸漬するか、または厳密に消毒する際には、器具を予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンゼトニウム塩化物0.1%溶液中で15分間煮沸する。
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒ベンゼトニウム塩化物0.05〜0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、または噴霧する。
腟洗浄ベンゼトニウム塩化物0.025%溶液を用いる。
結膜嚢の洗浄・消毒ベンゼトニウム塩化物0.02%溶液を用いる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、そう痒感

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤で消毒したカテーテルで採取した尿はスルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 炎症又は易刺激性の部位に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
14.1.2 深い創傷又は眼に使用する場合の希釈液としては注射用水か滅菌精製水を用い、水道水や精製水を用いないこと。
14.1.3 希釈液として塩類含量の多い水又は硬水を用いる場合には、通常用いる濃度の1.5〜2倍の溶液として使用すること。
14.1.4 繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には有効濃度以下とならないように注意すること。
14.1.5 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合は、腐蝕を防止するためにベンゼトニウム塩化物0.1%溶液(本剤の100倍希釈液)に0.5〜1.0%の亜硝酸ナトリウムを添加すること。
14.1.6 用途別の本剤の希釈倍率は次のとおりである。
用途別のベンゼトニウム塩化物の濃度ハイアミン液10%の希釈倍率
手指・皮膚の消毒:
0.05〜0.1%
100〜200倍
手術部位(手術野)の皮膚の消毒:
洗い用:0.1%、塗布用:0.2%
洗い用:100倍、塗布用:50倍
手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒:
0.01〜0.025%
400〜1,000倍
感染皮膚面の消毒:
0.01%
1,000倍
医療機器の消毒:
浸漬用、煮沸用:0.1%
100倍
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒:
0.05〜0.2%
50〜200倍
腟洗浄:
0.025%
400倍
結膜嚢の洗浄・消毒:
0.02%
500倍
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 経口投与しないこと。
14.2.2 原液又は濃厚液が眼に入らないように注意すること。入った場合には水でよく洗い流すこと。
14.2.3 皮膚・粘膜の刺激症状があらわれることがあるので、濃厚液の使用時には注意すること。
14.2.4 全身吸収による筋脱力を起こすおそれがあるので、粘膜、創傷面又は炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
14.2.5 密封包帯、ギプス包帯、パックに使用すると刺激症状があらわれることがあるので、使用しないことが望ましい。
14.2.6 皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。
14.2.7 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している医療器具等に用いる場合は、十分に洗い落してから使用すること。
14.2.8 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落してから使用すること。
14.2.9 合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等への使用は避けることが望ましい。
14.2.10 皮革製品の消毒に使用すると、変質させることがあるので使用しないこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
陰電荷を帯びる細菌に陽電荷を帯びるベンゼトニウム塩化物が菌体表面に吸着・集積され、菌体蛋白を変性する1)
18.2 抗菌作用
芽胞のない細菌、真菌類に広く抗菌性を有し、グラム陽性菌には陰性菌よりも低濃度で効果を示す。一方、結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌効果は期待できない。グラム陰性桿菌が抵抗性を示す場合がある。2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベンゼトニウム塩化物

一般的名称 ベンゼトニウム塩化物
一般的名称(欧名) Benzethonium Chloride
化学名 N-Benzyl-N,N-dimethyl-2-{2-[4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenoxy]ethoxy}ethylaminium chloride
分子式 C27H42ClNO2
分子量 448.08
物理化学的性状 無色又は白色の結晶で、においはない。
エタノール(95)に極めて溶けやすく、水に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液は振ると強く泡立つ。
KEGG DRUG D01140

20. 取扱い上の注意

開栓後は密栓して保存すること。

22. 包装

1,000mL[プラスチック瓶]

23. 主要文献

  1. 尾家重治(監修), 第五版 消毒剤マニュアル 健栄製薬株式会社, 61-62, (2012)
  2. 第十八改正 日本薬局方解説書, C5349-5352, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版