医療用医薬品 : マイテラーゼ

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医薬品情報


総称名 マイテラーゼ
一般名 アンベノニウム塩化物
欧文一般名 Ambenonium Chloride
製剤名 アンベノニウム塩化物錠
薬効分類名 重症筋無力症治療剤
薬効分類番号 1231
ATCコード N07AA30
KEGG DRUG
D01001 アンベノニウム塩化物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2022年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
マイテラーゼ錠10mg MYTELASE Tablets 10mg アルフレッサファーマ 1231001F1030 12.1円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
2.2 消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[消化管機能を亢進させ、症状を悪化させるおそれがある。また、尿の逆流を引き起こすおそれがある。]
2.3 迷走神経緊張症の患者[迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。]
2.4 脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物)を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

重症筋無力症

6. 用法及び用量

アンベノニウム塩化物として、通常成人1日15mgを3回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別する。鑑別が困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内投与し、クリーゼの種類を鑑別し、次の処置を行うこと。
8.1.1 コリン作動性クリーゼ
悪心・嘔吐、腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、気道分泌過多、徐脈、縮瞳、呼吸困難等の症状が認められた場合、又は、エドロホニウム塩化物を投与したとき、症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに本剤の投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mg(患者の症状に合わせて適宜増減)を静脈内投与する。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること。[11.1.113.113.2参照]
8.1.2 筋無力性クリーゼ
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状の改善が認められた場合は本剤の投与量を増加する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 気管支喘息の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者
悪化させるおそれがある。
9.1.3 徐脈・心臓障害のある患者
心拍数低下、心拍出量低下を起こすおそれがある。
9.1.4 消化性潰瘍のある患者
消化管機能を亢進させ潰瘍を悪化させるおそれがある。
9.1.5 てんかんの患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 パーキンソン症候群の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7 糖尿病の患者
インスリン分泌促進作用によると考えられる血糖降下の報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム塩化物水和物
(スキサメトニウム)
(レラキシン)
2.4参照]
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強し、全身麻酔時に持続性呼吸麻痺を起こすことがある。本剤が脱分極性筋弛緩剤の分解を阻害する。
10.2 併用注意
副交感神経抑制剤
アトロピン硫酸塩水和物
スコポラミン臭化水素酸塩水和物
ブトロピウム臭化物等
本剤の過剰投与を招くおそれがある。
常用を避けること。
副交感神経抑制剤が本剤のムスカリン様作用を隠蔽する。
コリン作動薬
アセチルコリン塩化物
ベタネコール塩化物等
コリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル塩酸塩
ジスチグミン
ネオスチグミン臭化物等
コリン作用が増強する。相互に作用が増強される。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 コリン作動性クリーゼ(頻度不明)[8.1.113.113.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満
呼吸器気管支分泌の亢進
骨格筋ちく搦、線維束れん縮
消化器腹痛、下痢悪心・嘔吐、唾液分泌過多、腹部不快感、腹鳴
循環器心悸亢進、房室ブロック、徐脈
精神神経系頭痛めまい
その他発汗、流涙、全身倦怠(不安を伴う)縮瞳

13. 過量投与

13.1 症状
コリン作動性クリーゼ(悪心・嘔吐、腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、気道分泌過多、徐脈、縮瞳、霧視、蒼白、頻尿、血圧上昇、随意筋麻痺、呼吸困難等)[8.1.111.1.1参照]
13.2 処置
プラリドキシムヨウ化物1gを症状の変化に注意しながら徐々に静脈内投与する。[8.1.111.1.1参照]

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
選択的に真性ChEに対して抑制作用を示す。著明な運動神経−骨格筋伝達促進作用を有し、アセチルコリンによる骨格筋収縮、間接電気刺激による骨格筋れん縮を増強する。また、抗クラーレ作用を有している。
18.2 抗ChE活性
In vitroにおける抗ChE活性はネオスチグミンの約6倍強力である1)
18.3 骨格筋収縮増強作用
アセチルコリンによる骨格筋収縮(カエル2)、ネコ3))。
18.4 骨格筋れん縮増強作用
間接電気刺激による骨格筋れん縮を増強する3)
18.5 抗クラーレ作用
抗クラーレ作用を有している(ネコ4)、ウサギ5)、ヒト6))。
18.6 作用持続時間
作用持続時間は比較的長く、ほぼ8時間持続する(ヒト)7)8)9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アンベノニウム塩化物

一般的名称 アンベノニウム塩化物
一般的名称(欧名) Ambenonium Chloride
化学名 2,2'-[(1,2-Dioxoethane-1,2-diyl)diimino]bis[N-(2-chlorobenzyl)-N,N-diethylethylaminium]dichloride
分子式 C28H42Cl4N4O2
分子量 608.47
融点 約205℃(分解)
物理化学的性状 白色の粉末である。
水、メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、無水酢酸に溶けにくい。
吸湿性である。
KEGG DRUG D01001

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. Arnold,A.et al., Proc Soc Exp Biol Med., 87, 393-394, (1954) »PubMed
  2. Karczmar,A.G.et al., J Pharmacol Exp Ther., 119, 39-47, (1957) »PubMed
  3. Blaber,L.C., Br J Pharmacol., 20, 63-73, (1963)
  4. Blaber,L.C., Br J Pharmacol., 15, 476-484, (1960)
  5. 築山一夫 他, 総合臨床, 6, 1969-1978, (1957)
  6. 山下 宏, 麻酔, 13, 283-287, (1964)
  7. 吉川政巳 他, 内科, 1, 148-158, (1958)
  8. 与那嶺和男, 日本内科学会雑誌, 49, 73-74, (1960)
  9. 河野圭二 他, 四国医学雑誌, 17, 155-159, (1961)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/11/19 版