医療用医薬品 : ドグマチール

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医薬品情報


総称名 ドグマチール
一般名 スルピリド
欧文一般名 Sulpiride
薬効分類番号 1179 2329
ATCコード N05AL01
KEGG DRUG
D01226 スルピリド
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2020年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ドグマチールカプセル50mg Dogmatyl Capsules 50mg アステラス製薬 2329009M1380 12.2円/カプセル 処方箋医薬品
ドグマチール錠50mg Dogmatyl Tablets 50mg アステラス製薬 2329009F1110 12.2円/錠 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。][8.1参照]
2.3 褐色細胞腫の疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]

4. 効能または効果

胃・十二指腸潰瘍
統合失調症
うつ病・うつ状態

6. 用法及び用量

<胃・十二指腸潰瘍>
スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口投与する。
なお症状により適宜増減する。
<統合失調症>
スルピリドとして、通常成人1日300〜600mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日1,200mgまで増量することができる。
<うつ病・うつ状態>
スルピリドとして、通常成人1日150〜300mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。[2.29.1.410.2参照]
8.2 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.3 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。[10.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 QT延長のある患者
QT延長が悪化するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈のある患者、低カリウム血症のある患者等)
QT延長が発現するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.4 パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者
錐体外路症状が悪化するおそれがある。[8.1参照]
9.1.5 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。[11.1.1参照]
9.1.6 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.7参照]
9.2 腎機能障害患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

10. 相互作用

10.2 併用注意
QT延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン
ピモジド

11.1.3参照]
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
ジギタリス剤
ジゴキシン
ジギトキシン

8.3参照]
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。本剤の制吐作用による。
ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド
チアプリド

フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン

ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール

8.1参照]
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
麻酔剤
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ
相互に作用を減弱させることがある。本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
アルコール
飲酒
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[9.1.5参照]
11.1.2 痙攣(0.1%未満)
11.1.3 QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(各0.1%未満)[9.1.29.1.310.2参照]
11.1.4 無顆粒球症、白血球減少(各0.1%未満)
11.1.5 肝機能障害、黄疸(各0.1%未満)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.6 遅発性ジスキネジア(0.1%未満)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ投与中止後も持続することがある。
11.1.7 肺塞栓症、深部静脈血栓症(各0.1%未満)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.6参照]
発現頻度は市販後の調査を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<胃・十二指腸潰瘍>
 0.1〜5%未満0.1%未満
内分泌月経異常、乳汁分泌、女性化乳房乳房腫脹、勃起不全
錐体外路症状 パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、舌のもつれ、焦燥感
精神神経系不眠、眠気、めまい、ふらつき 
消化器口渇、胸やけ、悪心、嘔吐、便秘 
その他熱感、倦怠感発疹、浮腫、性欲減退
<統合失調症、うつ病・うつ状態>
 0.1〜5%未満0.1%未満
心・血管系注1) 血圧下降心電図異常、血圧上昇、胸内苦悶、頻脈
錐体外路症状注2) パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(舌のもつれ、言語障害、頸筋捻転、眼球回転、注視痙攣、嚥下困難等)、アカシジア(静坐不能) 
内分泌乳汁分泌、女性化乳房、月経異常、射精不能乳房腫脹、勃起不全
精神神経系睡眠障害、不穏、焦燥感、眠気、頭痛、頭重、めまい、浮遊感、興奮、躁転、躁状態、しびれ、運動失調物忘れ、ぼんやり、徘徊、多動、抑制欠如、無欲状態
消化器悪心、嘔吐、口渇、便秘、食欲不振、腹部不快感下痢、胸やけ、腹痛、食欲亢進
肝臓AST、ALT、Al-P等の上昇 
皮膚発疹そう痒感
 視力障害、眼球冷感・重感、眼のちらつき
その他体重増加、浮腫、脱力感、倦怠感、排尿困難、性欲減退頻尿、腰痛、肩こり、熱感、発熱、発汗、鼻閉
発現頻度は市販後の調査を含む。

13. 過量投与

13.1 症状
パーキンソン症候群等の錐体外路症状があらわれる。また、昏睡があらわれることもある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 動物の慢性毒性試験で精巣萎縮を、また、生殖試験において妊娠率の低下を起こすとの報告がある。
15.2.2 ラットで40mg/kg/日以上、また、マウスで600mg/kg/日以上を長期間経口投与した試験において、下垂体、乳腺等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子(n=12)にスルピリド錠50mg又は錠100mgを単回経口投与したとき、血清中濃度は投与約2時間後にピーク(それぞれ0.16μg/mL又は0.29μg/mL)に達し、それぞれ半減期6.1時間、8.0時間で消失した1)
16.3 分布
16.3.1 乳汁中移行
産褥期の初産婦(n=20)にスルピリド50mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、投与2時間後の乳汁中スルピリド濃度は0.97μg/mLであった2)。[9.6参照]
16.5 排泄
健康成人男子(n=12)にスルピリド錠50mg又は錠100mgを単回経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の26〜30%が未変化体のまま尿中に排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<胃・十二指腸潰瘍>
17.1.1 国内一般臨床試験
一般臨床試験536例(カプセル、筋注投与例を含む)による胃・十二指腸潰瘍に対する治癒率は63.6%(341/536例)であり、治癒、縮小を含めると84.5%(453/536例)が有効であった。
<統合失調症>
17.1.2 国内一般臨床試験
一般臨床試験683例の統合失調症に対する経口剤(カプセル、錠、細粒)の総合効果は、終始経口投与例で38.5%(230/597例)、やや有効も含めると62.0%(370/597例)、筋注→経口投与例では67.4%(58/86例)、やや有効も含めると83.7%(72/86例)で、病期別総合効果はいずれの投与方法によっても、発症初期、急性増悪期が慢性期よりまさり、病型別には妄想型、緊張型が破瓜型よりまさっていた。
<うつ病・うつ状態>
17.1.3 国内一般臨床試験
一般臨床試験498例のうつ病・うつ状態に対する経口剤(カプセル、錠、細粒)の総合効果は56.2%(280/498例)、やや有効も含めると77.7%(387/498例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
<胃・十二指腸潰瘍>
胃粘膜血流改善作用による抗潰瘍作用と末梢D2受容体遮断による消化管運動促進作用を示す3)
<統合失調症、うつ病・うつ状態>
フェノチアジン系薬物と同様にドパミンD2受容体遮断作用を示し、抗精神病作用(統合失調症の陽性症状改善)と抗うつ作用を現す3)
18.2 薬理作用
<胃・十二指腸潰瘍>
18.2.1 抗潰瘍作用
ラットでの焼灼潰瘍及び酢酸潰瘍の実験で潰瘍を縮小させ、治癒促進効果を示した4) 5)
18.2.2 血流増加作用
ウサギ及びイヌの胃・十二指腸における血流を増加させた6) 7)。また、ラットでの視床下部後部電気刺激による胃粘膜血流の停滞ないし部分的虚血現象を抑制した8)
18.2.3 消化管運動亢進作用
イヌの胃及び小腸の運動を亢進し、内容物の排出及び通過を促進した9) 10)
<統合失調症、うつ病・うつ状態>
18.2.4 抗ドパミン作用
強力な抗ドパミン作用(ラット、イヌ)を有し、他の生体アミン抑制作用(ラット、イヌ)をほとんど示さなかった11) 12) 13)
18.2.5 生体アミン取り込みに対する作用
イミプラミンでみられるラットでの生体アミンの神経終末への取り込み抑制作用を示さないが、サルでのレセルピン拮抗作用及び嗅球除去ラットでのmuricide behavior(同一ケージ内に入れたマウスをかみ殺す行動)抑制作用を示す等、イミプラミンに類似した作用を示した14) 15) 16) 17) 18)
18.2.6 眠気に対する作用
クロルプロマジンやハロペリドールが強い作用を示すマウスでの麻酔遷延作用を全く示さず12)、健康成人男子において眠気、脱力感等の自覚症状はみられなかった19)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. スルピリド

一般的名称 スルピリド
一般的名称(欧名) Sulpiride
化学名 N-(1-Ethylpyrrolidin-2-ylmethyl)-2-methoxy-5-sulfamoylbenzamide
分子式 C15H23N3O4S
分子量 341.43
融点 約178℃(分解)
物理化学的性状 スルピリドは白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)又は希酢酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.05mol/L硫酸試液に溶ける。本品のメタノール溶液(1→100)は、旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01226

20. 取扱い上の注意

<カプセル50mg>
本品は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

<ドグマチールカプセル50mg>
100カプセル(10カプセル×10)
<ドグマチール錠50mg>
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)、1,000錠(バラ、乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. 社内報告書:健康成人・薬物動態
  2. Aono,T.et al., J.Clin.Endocrinol.Metab., 48 (3), 478-482, (1979) »PubMed
  3. 第十七改正日本薬局方解説書, C2486-C2489, (2016), (廣川書店)
  4. 松尾 裕 他, 診療, 24 (5), 960-961, (1971)
  5. 岡部 進 他, 応用薬理, 3 (4), 301-304, (1969)
  6. 浅野健夫 他, 第6回新薬物治療研究会講演内容集, 108-122, (1969)
  7. 錢場武彦 他, 広島医学, 24 (1), 48-56, (1971)
  8. 松尾 裕 他, 診療, 24 (5), 958-959, (1971)
  9. 福原 武 他, 日本平滑筋学会雑誌, 5 (1), 50-55, (1969) »J-STAGE
  10. 田中直樹 他, 診療と新薬, 7 (4), 753-759, (1970)
  11. Honda,F.et al., Jpn.J.Pharmacol., 27 (3), 397-411, (1977) »PubMed
  12. 社内報告書:ラット・薬理作用
  13. Bartholini,G., J.Pharm.Pharmacol., 28 (5), 429-433, (1976) »PubMed
  14. 社内報告書:ラット・薬理作用
  15. 社内報告書:サル・薬理作用
  16. 社内報告書:ラット・薬理作用
  17. 社内報告書:ラット・薬理作用
  18. Valzelli,L.et al., Psychopharmacologia(Berl.), 26 (3), 255-261, (1972) »PubMed
  19. 磯崎 宏 他, 臨床と研究, 55 (4), 1136-1143, (1978)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター
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製品情報問い合わせ先
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26. 製造販売業者等

26.1 製造販売
アステラス製薬株式会社
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26.2 提携
SANOFI

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/6/17 版