医療用医薬品 : ドグマチール

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医薬品情報


総称名 ドグマチール
一般名 スルピリド
欧文一般名 Sulpiride
薬効分類番号 1179 2329
ATCコード N05AL01
KEGG DRUG D01226 スルピリド
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ドグマチールカプセル50mg Dogmatyl Capsules 50mg アステラス製薬 2329009M1380 13.1円/カプセル 処方箋医薬品
ドグマチール錠50mg Dogmatyl Tablets 50mg アステラス製薬 2329009F1110 13.1円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。]

褐色細胞腫の疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

胃・十二指腸潰瘍、統合失調症うつ病・うつ状態

用法用量

胃・十二指腸潰瘍

スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口投与する。
なお症状により適宜増減する。

統合失調症

スルピリドとして、通常成人1日300〜600mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日1,200mgまで増量することができる。

うつ病・うつ状態

スルピリドとして、通常成人1日150〜300mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。

使用上の注意

慎重投与

心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

QT延長のある患者[QT延長が悪化するおそれがある。]

QT延長を起こしやすい患者[QT延長が発現するおそれがある。]

著明な徐脈のある患者

低カリウム血症のある患者 等

腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある。]

パーキンソン病の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]

脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

小児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。

ときに眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

相互作用

併用注意

QT延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン
ピモジド
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
ジギタリス剤
ジゴキシン
ジギトキシン
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。本剤の制吐作用による。
ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド
チアプリド

フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン

ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
麻酔剤
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ
相互に作用を減弱させることがある。本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
アルコール
飲酒
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。

副作用

副作用発現状況の概要

胃・十二指腸潰瘍

カプセル剤投与6,078例中、副作用発現例は225例で発現頻度は3.7%であった[1]。(年次報告終了時:1977年2月)

統合失調症、うつ病・うつ状態

経口剤(カプセル、錠、細粒)投与17,010例中、副作用発現例は2,136例で発現頻度は12.6%であった[2]。(年次報告終了時:1982年4月)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

悪性症候群(Syndrome malin)

悪性症候群(0.1%未満)があらわれることがあるので、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。

痙攣

痙攣(0.1%未満)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

QT延長、心室頻拍

QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、白血球減少

無顆粒球症、白血球減少(各0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害、黄疸(各0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

遅発性ジスキネジア

長期投与により、口周部等の不随意運動(0.1%未満)があらわれ投与中止後も持続することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

肺塞栓症、深部静脈血栓症

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症(各0.1%未満)等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満
内分泌注1)月経異常、乳汁分泌、女性化乳房乳房腫脹、勃起不全
錐体外路症状注2) パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、舌のもつれ、焦燥感
精神神経系不眠、眠気、めまい、ふらつき 
消化器口渇、胸やけ、悪心、嘔吐、便秘 
その他注3)熱感、倦怠感発疹、浮腫、性欲減退
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。注3)発疹、浮腫があらわれた場合には投与を中止すること。
 0.1〜5%未満0.1%未満
心・血管系注1)血圧下降心電図異常、血圧上昇、胸内苦悶、頻脈
錐体外路症状注2)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(舌のもつれ、言語障害、頸筋捻転、眼球回転、注視痙攣、嚥下困難等)、アカシジア(静坐不能) 
内分泌注3)乳汁分泌、女性化乳房、月経異常、射精不能乳房腫脹、勃起不全
精神神経系睡眠障害、不穏、焦燥感、眠気、頭痛、頭重、めまい、浮遊感、興奮、躁転、躁状態、しびれ、運動失調物忘れ、ぼんやり、徘徊、多動、抑制欠如、無欲状態
消化器悪心、嘔吐、口渇、便秘、食欲不振、腹部不快感下痢、胸やけ、腹痛、食欲亢進
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇 
皮膚注4)発疹そう痒感
 視力障害、眼球冷感・重感、眼のちらつき
その他注5)体重増加、浮腫、脱力感、倦怠感、排尿困難、性欲減退頻尿、腰痛、肩こり、熱感、発熱、発汗、鼻閉
注1)急激に増量した場合、心電図に変化がみられることがあるので慎重に投与すること。注2)このような症状があらわれた場合には、減量又は抗パーキンソン剤の併用等適切な処置を行うこと。注3)このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。注4)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。注5)浮腫があらわれた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]

授乳婦

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

小児等に対する有効性及び安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)

過量投与

症状

パーキンソン症候群等の錐体外路症状があらわれる。また、昏睡があらわれることもある。

処置

主として対症療法及び維持療法(輸液等)を行う。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

動物の慢性毒性試験で精巣萎縮を、また、生殖試験において妊娠率の低下を起こすとの報告がある。

ラットで40mg/kg/日以上、また、マウスで600mg/kg/日以上を長期間経口投与した試験において、下垂体、乳腺等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

健康成人男子(n=12)にスルピリド錠50mg又は錠100mgを単回経口投与したとき、血清中濃度は投与約2時間後にピーク(それぞれ0.16μg/mL又は0.29μg/mL)に達し、それぞれ半減期6.1時間、8.0時間で消失した[3]

乳汁中移行

産褥期の初産婦(n=20)にスルピリド50mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、投与2時間後の乳汁中スルピリド濃度は0.97μg/mLであった[4]

排泄

健康成人男子(n=12)にスルピリド錠50mg又は錠100mgを単回経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の26〜30%が未変化体のまま尿中に排泄された[3]

臨床成績

胃・十二指腸潰瘍

一般臨床試験536例(カプセル、筋注投与例を含む)による胃・十二指腸潰瘍に対する治癒率は63.6%(341/536例)であり、治癒、縮小を含めると84.5%(453/536例)が有効であった。

統合失調症

一般臨床試験683例の統合失調症に対する経口剤(カプセル、錠、細粒)の総合効果は、終始経口投与例で38.5%(230/597例)、やや有効も含めると62.0%(370/597例)、筋注→経口投与例では67.4%(58/86例)、やや有効も含めると83.7%(72/86例)で、病期別総合効果はいずれの投与方法によっても、発症初期、急性増悪期が慢性期よりまさり、病型別には妄想型、緊張型が破瓜型よりまさっていた。

うつ病・うつ状態

一般臨床試験498例のうつ病・うつ状態に対する経口剤(カプセル、錠、細粒)の総合効果は56.2%(280/498例)、やや有効も含めると77.7%(387/498例)であった。

薬効薬理

胃・十二指腸潰瘍

ラットでの焼灼潰瘍及び酢酸潰瘍の実験で潰瘍を縮小させ、治癒促進効果を示す[5][6]

イヌ及びウサギの胃・十二指腸における血流を増加させる。また、ラットでの視床下部後部電気刺激による胃粘膜血流の停滞ないし部分的虚血現象を抑制する[7][8][9]

イヌの胃及び小腸の運動を亢進し、内容物の排出及び通過を促進する[10][11]

統合失調症、うつ病・うつ状態

強力な抗ドパミン作用(ラット)を有し、他の生体アミン抑制作用(ラット)をほとんど示さない[12][13][14]

イミプラミンでみられるラットでの生体アミンの神経終末への取り込み抑制作用を示さないが、サルでのレセルピン拮抗作用及び嗅球除去ラットでのmuricide behavior(同一ケージ内に入れたマウスをかみ殺す行動)抑制作用を示す等、イミプラミンに類似した作用を示す[15][16][17][18][19]

クロルプロマジンやハロペリドールが強い作用を示すマウスでの麻酔遷延作用を全く示さず[13]、眠気、脱力感等の自覚症状(ヒト)はみられない[20]

有効成分に関する理化学的知見

一般名スルピリド
一般名(欧名)Sulpiride
化学名N-(1-Ethylpyrrolidin-2-ylmethyl)-2-methoxy-5-sulfamoylbenzamide
分子式C15H23N3O4S
分子量341.43
融点約178℃(分解)
性状スルピリドは白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)又は希酢酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.05mol/L硫酸試液に溶ける。本品のメタノール溶液(1→100)は、旋光性を示さない。
KEGG DRUGD01226

包装

カプセル50mg

100カプセル(10カプセル×10)、1,000カプセル(10カプセル×100)

錠50mg

100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)、1,000錠(バラ)

主要文献


1. 厚生省薬務局,  医薬品副作用情報No.29,  (1978)
2. 厚生省薬務局,  医薬品副作用情報No.61,  (1983)
3. 番場伸一 他,  社内報告書(健康成人・薬物動態)
4. Aono,T.et al.,  J.Clin.Endocrinol.Metab.,  48 (3),  478,  (1979) »PubMed
5. 松尾 裕 他,  診療,  24 (5),  960,  (1971)
6. 岡部 進 他,  応用薬理,  3 (4),  301,  (1969)
7. 浅野健夫 他,  第6回新薬物治療研究会講演内容集,  108,  (1969)
8. 錢場武彦 他,  広島医学,  24 (1),  48,  (1971)
9. 松尾 裕 他,  診療,  24 (5),  958,  (1971)
10. 福原 武 他,  日本平滑筋学会雑誌,  5 (1),  50,  (1969) »J-STAGE
11. 田中直樹 他,  診療と新薬,  7 (4),  753,  (1970)
12. Honda,F.et al.,  Jpn.J.Pharmacol.,  27 (3),  397,  (1977) »PubMed
13. 本多文夫 他,  社内報告書(ラット・薬理作用)
14. Bartholini,G.,  J.Pharm.Pharmacol.,  28 (5),  429,  (1976) »PubMed
15. 森 襄 他,  社内報告書(ラット・薬理作用)
16. 伊藤位一 他,  社内報告書(サル・薬理作用)
17. 下村恭一,  社内報告書(ラット・薬理作用)
18. 下村恭一,  社内報告書(ラット・薬理作用)
19. Valzelli,L.et al.,  Psychopharmacologia(Berl.),  26 (3),  255,  (1972) »PubMed
20. 磯崎 宏 他,  臨床と研究,  55 (4),  1136,  (1978)

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2014年4月 改訂
2015年7月 第17版 改訂

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業態及び業者名等

製造販売
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提携
SANOFI


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/6/19 版