○下記のごとき疾患における脱毛防止ならびに発毛促進
円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)、悪性脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠性脱毛症、壮年性脱毛症、症候性脱毛症など
○乾性脂漏
<脱毛症・乾性脂漏の場合>
1日2〜3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージする。
<尋常性白斑の場合>
塗布直後に全身発汗、それに伴う悪寒、戦慄、嘔気、嘔吐等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には使用を中止し、水等で洗い流すこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 眼に入るとしみるので、眼に入れないように注意すること。もし、誤って眼に入ったときは、ただちに清浄な水で洗眼すること。
14.1.2 使用部位
15.1 臨床使用に基づく情報
湯あがりのあと等に使用すると副作用が強くあらわれる傾向がある。なお、副作用があらわれたときは、使用部位を水等で洗い流すこと。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<効能共通>
17.1.1 国内一般臨床試験
本剤の臨床文献をもとに集計した臨床成績は、次のとおりである。
疾患名 | 有効以上/総症例 | 有効率(%) |
脱毛症(円形、悪性、びまん性、壮年性等) | 181/324 | 55.9 |
尋常性白斑 | 44/81 | 54.3 |
乾性脂漏 | 22/29 | 75.9 |
<脱毛症>
17.1.2 国内単盲検比較試験
1日最低4回以上
注2)患部に塗布、原則として1〜2ヵ月以上使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた
2)。
疾患名 | やや有効以上/総症例 | 有効率(%) |
脱毛症(円形、多発性、悪性、びまん性) | 25/40 | 62.5 |
17.1.3 国内二重盲検比較試験
1日最低3回以上
注2)患部に塗布、1ヵ月以上(ただし、粃糠性脱毛症は1週間以上)使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた
3)。
疾患名 | 有効以上/総症例 | 有効率(%) |
脱毛症(円形、多発性、悪性、粃糠性) | 66/87 | 75.9 |
<尋常性白斑>
17.1.4 国内単盲検比較試験
1日最低4回以上
注3)患部に塗布、原則として1〜2ヵ月以上使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた
2)。
疾患名 | やや有効以上/総症例 | 有効率(%) |
尋常性白斑 | 9/20 | 45.0 |
注2)本剤の承認された用法及び用量は「1日2〜3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージする」である。
注3)本剤の承認された用法及び用量は「1日3〜4回適量を患部に塗布する」である。
18.1 作用機序
カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用を円形脱毛症をはじめ各種脱毛症における脱毛防止、発毛促進及び乾性脂漏、尋常性白斑の治療に応用した局所用薬剤である。
18.2 局所血管拡張作用
カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用は、アセチルコリンの約10倍である(ウサギ)
4)。
カルプロニウム塩化物水和物は、ヒトの指尖脈波の振幅を増大することが認められ、アセチルコリン塗布よりも強い皮膚血管拡張作用を示す。
18.3 発毛促進作用
機能低下状態にある毛嚢に作用して、発毛を促進する。
18.4 持続作用
カルプロニウム塩化物水和物は、皮膚浸透性がよく、またアセチルコリンと異なりコリンエステラ−ゼに抵抗性があるため、作用は持続的である
1)。