医療用医薬品 : フロジン

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医薬品情報


総称名 フロジン
一般名 カルプロニウム塩化物水和物
欧文一般名 Carpronium Chloride Hydrate
製剤名 カルプロニウム塩化物水和物外用液
薬効分類名 脱毛症・白斑用剤
薬効分類番号 2679
KEGG DRUG
D09752 カルプロニウム塩化物水和物
KEGG DGROUP
DG01289 カルプロニウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年4月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フロジン外用液5% (後発品) FUROZIN SOLUTION ニプロファーマ 2679701Q1055 17.6円/mL

4. 効能または効果

○下記のごとき疾患における脱毛防止ならびに発毛促進
円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)、悪性脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠性脱毛症、壮年性脱毛症、症候性脱毛症など
○乾性脂漏
尋常性白斑

6. 用法及び用量

<脱毛症・乾性脂漏の場合>
1日2〜3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージする。
<尋常性白斑の場合>
1日3〜4回適量を患部に塗布する。

8. 重要な基本的注意

塗布直後に全身発汗、それに伴う悪寒、戦慄、嘔気、嘔吐等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には使用を中止し、水等で洗い流すこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症一過性の発赤、そう痒感 
アセチルコリン様作用刺激痛、局所発汗、熱感全身性の発汗、それに伴う悪寒、戦慄、嘔気、嘔吐

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 眼に入るとしみるので、眼に入れないように注意すること。もし、誤って眼に入ったときは、ただちに清浄な水で洗眼すること。
14.1.2 使用部位
外用にのみ使用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
湯あがりのあと等に使用すると副作用が強くあらわれる傾向がある。なお、副作用があらわれたときは、使用部位を水等で洗い流すこと。

16. 薬物動態

16.2 吸収
16.2.1 単回投与
1mL中カルプロニウム塩化物水和物10.9mg(カルプロニウム塩化物として10mg)を含有するアルコール性溶液注1)(フロジン外用液5%の1/5倍溶液)を内径1.5cmのポリエチレンキャップに入れ健康成人の前腕にはりつけた場合、1時間後及び3時間後の経皮吸収率はそれぞれ5.4%、15.3%であった1)
注1)本剤の承認された製剤濃度は5%である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<効能共通>
17.1.1 国内一般臨床試験
本剤の臨床文献をもとに集計した臨床成績は、次のとおりである。
疾患名有効以上/総症例有効率(%)
脱毛症(円形、悪性、びまん性、壮年性等)181/32455.9
尋常性白斑44/8154.3
乾性脂漏22/2975.9
<脱毛症>
17.1.2 国内単盲検比較試験
1日最低4回以上注2)患部に塗布、原則として1〜2ヵ月以上使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた2)
疾患名やや有効以上/総症例有効率(%)
脱毛症(円形、多発性、悪性、びまん性)25/4062.5
17.1.3 国内二重盲検比較試験
1日最低3回以上注2)患部に塗布、1ヵ月以上(ただし、粃糠性脱毛症は1週間以上)使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた3)
疾患名有効以上/総症例有効率(%)
脱毛症(円形、多発性、悪性、粃糠性)66/8775.9
<尋常性白斑>
17.1.4 国内単盲検比較試験
1日最低4回以上注3)患部に塗布、原則として1〜2ヵ月以上使用した臨床試験において、本剤の有用性が認められた2)
疾患名やや有効以上/総症例有効率(%)
尋常性白斑9/2045.0
注2)本剤の承認された用法及び用量は「1日2〜3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージする」である。
注3)本剤の承認された用法及び用量は「1日3〜4回適量を患部に塗布する」である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用を円形脱毛症をはじめ各種脱毛症における脱毛防止、発毛促進及び乾性脂漏、尋常性白斑の治療に応用した局所用薬剤である。
18.2 局所血管拡張作用
カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用は、アセチルコリンの約10倍である(ウサギ)4)
カルプロニウム塩化物水和物は、ヒトの指尖脈波の振幅を増大することが認められ、アセチルコリン塗布よりも強い皮膚血管拡張作用を示す。
18.3 発毛促進作用
機能低下状態にある毛嚢に作用して、発毛を促進する。
18.4 持続作用
カルプロニウム塩化物水和物は、皮膚浸透性がよく、またアセチルコリンと異なりコリンエステラ−ゼに抵抗性があるため、作用は持続的である1)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カルプロニウム塩化物水和物

一般的名称 カルプロニウム塩化物水和物
一般的名称(欧名) Carpronium Chloride Hydrate
化学名 4-Methoxy-N,N,N-trimethyl-4-oxobutan-1-aminium chloride monohydrate
分子式 C8H18ClNO2・H2O
分子量 213.70
物理化学的性状 ・白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
・水にきわめて溶けやすく、エタノール(99.5)又はクロロホルムに溶けやすい。
・吸湿性である。
KEGG DRUG D09752

22. 包装

30mL×10

23. 主要文献

  1. 岩間勝広ほか, 日本生理学雑誌, 28 (2), 53-58, (1966)
  2. 藤浪得二ほか, 皮膚, 10 (1), 76-90, (1968) »DOI
  3. 伊崎正勝ほか, 皮膚, 10 (2), 237-242, (1968) »DOI
  4. 武田克之ほか, 皮膚と泌尿, 28 (5), 719-732, (1966)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939
製品情報問い合わせ先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ニプロファーマ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号
26.2 販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版