医療用医薬品 : アクトシン

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医薬品情報


総称名 アクトシン
一般名 ブクラデシンナトリウム
欧文一般名 Bucladesine Sodium
製剤名 ブクラデシンナトリウム 軟膏
薬効分類名 褥瘡・皮膚潰瘍治療剤
薬効分類番号 2699
KEGG DRUG
D01238 ブクラデシンナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年10月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アクトシン軟膏3% Actosin Ointment ニプロファーマ 2699703M1039 45.5円/g

4. 効能または効果

褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)

5. 効能または効果に関連する注意

本剤は熱傷潰瘍を適用としているので、潰瘍がみられない熱傷に対しては、他の適切な療法を考慮すること。

6. 用法及び用量

症状及び病巣の大きさに応じて適量を使用する。潰瘍面を清拭後、1日1〜2回ガーゼなどにのばして貼付するか、又は患部に直接塗布する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤による治療は保存的治療であることに留意し、約6週間以上使用しても症状の改善が認められない場合には、外科的療法等を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

8.1 広範囲な創面に本剤を大量かつ長期に使用する場合は、ブクラデシンナトリウムを全身的投与した場合と同様の症状があらわれることがあるので、定期的に血圧、脈拍数、心電図、尿量、全身状態、血糖値等を観察し、異常が認められた場合には休薬等の適切な処置をとること(特に乳児、幼児、小児の場合は注意する)。[9.7.1参照]
8.2 潰瘍の改善に伴って形成される新生肉芽は、軽微な刺激により新生血管が損傷し、出血症状を招くことがあるので、ガーゼの交換等の処置は十分注意して行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.7 小児等
9.7.1 乳児、幼児、小児において、広範囲な創面に本剤を大量かつ長期に使用する場合は、特に注意すること。[8.1参照]
9.7.2 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜5%未満0.1〜1%未満頻度不明
皮膚疼痛接触皮膚炎(紅斑、発赤、そう痒、刺激感等)接触皮膚炎(水疱)、滲出液増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 本剤には抗菌作用はないので以下について注意すること。
(1)潰瘍面を清拭消毒後、貼付又は塗布すること。
(2)感染があらわれた場合には、抗生物質を投与するなどの適切な処置を行い、経過を観察すること。
14.1.2 本剤には薬理作用上壊死組織を積極的に融解する作用はないので、使用前に必要に応じ壊死組織を除去すること。
14.1.3 眼科用に使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
<褥瘡>
褥瘡患者10例に本剤を潰瘍面積1cm2あたり0.5gの割合で塗布し、4時間後の血漿中未変化体の濃度を測定した。体重32kgの患者に6gを塗布した1例のみに0.19μg/mLのブクラデシンナトリウムが検出された。
<熱傷潰瘍>
熱傷潰瘍患者5例に本剤を塗布し、血漿中未変化体濃度を経時的に測定した結果、塗布後24時間以内に0.94〜4.49μmol/Lのブクラデシンナトリウムが検出された1)
16.1.2 反復投与
<褥瘡及び皮膚潰瘍>
褥瘡及び皮膚潰瘍の患者にブクラデシンナトリウム3%軟膏又は6%注)軟膏を潰瘍面積1cm2あたり0.5gの割合で7日間反復塗布し、1日目及び7日目の血漿中未変化体濃度を経時的に測定した。3%軟膏を塗布した3例は検出限界以下(<0.1μg/mL)であった。また、6%軟膏を32g/日、7日間反復塗布した1例において、1日目の1時間後及び7日目の1時間後にそれぞれ最高0.702及び0.271μg/mLのブクラデシンナトリウムが検出され、両日とも5時間目以降は検出限界以下であった2)
<健康成人>
健康成人にブクラデシンナトリウム6%注)軟膏を4日間反復塗布した。ブクラデシンナトリウムは血漿中に検出されなかった(検出限界0.1μg/mL)3)
16.3 分布
ラット角質層剥離皮膚に14C-ブクラデシンナトリウム軟膏1gを単回塗布した場合、分布は肝、腎及び塗布部位に高かった4)
16.4 代謝
ラット角質層剥離皮膚に14C-ブクラデシンナトリウム軟膏1gを単回塗布した場合、塗布8時間後の血漿中放射能の28%、また投与8〜24時間後の尿中放射能の62%は未変化体ブクラデシンナトリウムと推定された4)
16.5 排泄
健康成人にブクラデシンナトリウム6%注)軟膏を4日間反復塗布した。ブクラデシンナトリウムは尿中に検出されなかった(検出限界1μg/mL)3)
注)本剤の承認された製剤濃度は3%である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検比較試験及び国内一般臨床試験
国内で実施された二重盲検比較試験5)6)及び一般臨床試験7)8)を含む臨床試験の概要は次のとおりである。
(1)褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)310例における有効率(有効以上)は65.5%(203例/310例)であった。
疾患名有効率(%)(有効以上/総症例)
褥瘡61.0(136/223)
熱傷潰瘍83.6(51/61)
下腿潰瘍61.5(16/26)
(2)褥瘡、皮膚潰瘍での基剤との二重盲検比較試験5)及び同じくリゾチーム塩酸塩軟膏との6週間投与の比較試験6)の結果、本剤は潰瘍の大きさ、深さをともに縮小し、肉芽形成及び表皮形成を促進するとともに、漿液性分泌物の減少など諸症状を有意に改善することが認められた。
(3)自然治癒傾向のみられない慢性皮膚潰瘍を対象とした8週間投与の試験において、本剤は潰瘍面積を72.9%縮小した(最終評価時)8)
(4)61歳以上における褥瘡の有効率は58.3%(102例/175例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はサイクリックAMP(cAMP)の誘導体であるブクラデシンナトリウム(ジブチリルサイクリックAMP:DBcAMP)であり、体内に入ると比較的容易に細胞膜を通過し、脱アシル化酵素によりcAMPに分解されることで末梢血管を拡張して血流障害を改善し、効果をあらわす。
18.2 潰瘍縮小・治癒促進作用
本剤はラット皮膚熱傷潰瘍9)及び加齢・低蛋白食負荷ラット皮膚全層欠損創10)の潰瘍面積の縮小を促進し、治癒日数を短縮する。
18.3 局所血流改善作用
本剤塗布によりウサギ耳介の血流が増加する。
18.4 血管新生促進作用
本剤はウサギ耳介皮膚欠損創における血管新生を促進する11)。ブクラデシンナトリウムはヒト血管内皮細胞の増殖を促進する12)in vitro)。
18.5 肉芽形成促進作用
ブクラデシンナトリウムはヒト皮膚線維芽細胞増殖を促進し13)、血管新生促進作用と併せて肉芽の増殖を促進する(in vitro)。
18.6 表皮形成促進作用
ブクラデシンナトリウムはヒト皮膚ケラチノサイトの増殖13)、遊走14)を促進し、表皮形成を促進する(in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブクラデシンナトリウム

一般的名称 ブクラデシンナトリウム
一般的名称(欧名) Bucladesine Sodium
略号 DBcAMP
化学名 SodiumN6,2'-O-dibutyryladenosine3',5'-cyclic monophosphate
分子式 C18H23N5NaO8P
分子量 491.37
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。
水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
KEGG DRUG D01238

22. 包装

チューブ
30g×1、30g×10、200g×1
200g×1

23. 主要文献

  1. 伊東 陽子ら, 熱傷, 24 (3), 124-128, (1998)
  2. 天川 孝則ら, 薬理と治療, 18 (8), 3193-3200, (1990)
  3. 新村 眞人ら, 臨床医薬, 6 (7), 1515-1523, (1990)
  4. 社内資料:DT-5621(アクトシン軟膏)1g経皮投与時のラットにおける体内動態(1)
  5. 新村 眞人ら, 薬理と治療, 18 (7), 2757-2770, (1990)
  6. 新村 眞人ら, 臨床医薬, 7 (3), 677-692, (1991)
  7. DT-5621大阪地区研究班, 皮膚, 32 (4), 574-585, (1990) »DOI
  8. DT-5621九州地区研究班, 西日本皮膚科, 52 (5), 1025-1031, (1990) »DOI
  9. 笠井 義男ら, 薬理と治療, 18 (8), 2919-2924, (1990)
  10. 岩崎 利郎ら, 皮膚科紀要, 85 (1), 161-168, (1990)
  11. 岡田 忠彦ら, 皮膚科紀要, 85 (1), 119-127, (1990)
  12. 増澤 幹男ら, 皮膚科紀要, 85 (3), 453-456, (1990)
  13. Falanga V.,et al., Wounds, 3 (2), 70-78, (1991)
  14. Iwasaki T.,et al., J.Invest.Dermatol., 102 (6), 891-897, (1994) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834
製品情報問い合わせ先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売
ニプロファーマ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号
26.2 販売
マルホ株式会社
大阪市北区中津1-5-22

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版