医療用医薬品 : ヘモナーゼ

List   Top

医薬品情報


総称名 ヘモナーゼ
一般名 ブロメライン
トコフェロール酢酸エステル
欧文一般名 Bromelain
Tocopherol Acetate
製剤名 ブロメライン・トコフェロール酢酸エステル配合剤
薬効分類名 痔疾治療剤
薬効分類番号 2559
KEGG DRUG
D04702 ブロメライン・トコフェロール酢酸エステル
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2025年1月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヘモナーゼ配合錠 HEMONASE TABLETS ジェイドルフ製薬 2559101X1036 9.6円/錠

4. 効能または効果

○痔核・裂肛の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解
○肛門部手術創

6. 用法及び用量

通常成人1回1錠を1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血液凝固異常のある患者
フィブリン溶解作用により、出血傾向を増強することがある。[18.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
抗凝血剤
ワルファリン等
抗凝血剤の作用を増強することがある。凝血能の変動に十分注意しながら投与すること。ブロメラインはフィブリン溶解作用を有するので、抗凝血作用を相加的に増強するおそれがある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、発赤等
消化器下痢、便秘、悪心、食欲不振、嘔吐、胃部不快感等
血液血痰等の出血傾向

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.2 吸収
イヌに125I標識ブロメラインを十二指腸内投与すると、血中濃度は2〜4時間後にピークを示した。また、腸溶カプセルにつめて経口投与すると、血中濃度は2時間後から上昇し、8〜12時間後にピークを示した1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は次のとおりである。
(1)痔核2)
痔核に対する一般臨床試験の有効率71.7%(195/272)を示した。また二重盲検比較試験によって血栓性痔核の圧痛に対する効果について本剤とブロメライン単独投与群との間に有意差が認められた。
(2)裂肛2)
裂肛に対しては有効率72.4%(21/29)を示した。
(3)肛門部手術創2)
肛門部手術創に対しては有効率63.6%(21/33)を示した。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はブロメラインの抗炎症作用・血栓溶解作用とトコフェロール酢酸エステルの末梢血行改善作用・創傷治癒促進作用の4つの作用により痔疾患に対し効果を示す。
18.2 抗炎症作用
18.2.1 ラットにブロメライン50〜100mg/kgを経口投与し各種起炎剤による炎症を抑制した3)
18.2.2 ラットのカラゲニン浮腫に対してブロメラインの腸溶性顆粒(ブロメラインとして73.5〜120.8mg/kg)を投与すると抗浮腫作用が認められた1)
18.2.3 ラットの抗血清浮腫に対してブロメライン25〜200mg/kgを経口投与し抗浮腫作用を認めた。また、トコフェロール酢酸エステル単独では10〜80mg/kgの経口投与でほとんど抗浮腫作用が認められなかったが、ブロメラインとトコフェロール酢酸エステルをヘモナーゼとほぼ同一の5:1(重量比)で配合し50mg+10mg/kg/day、100mg+20mg/kg/dayを6日間投与し抗浮腫作用が認められた4)
18.3 血栓溶解作用
in vitroでブロメラインのフィブリン溶解作用、凝塊溶解作用を確認し、またフィブリノーゲン分解作用は他のたん白分解酵素に比して弱く、トロンビン時間は短縮しなかった5)。[9.1.1参照]
18.4 創傷治癒促進作用
ラットの創傷治癒に対してブロメライン100mg/kgの経口投与では対照群とほとんど差が認められなかったが、トコフェロール酢酸エステル単独投与20mg/kgとブロメライン100mg/kg+トコフェロール酢酸エステル20mg/kgの配合投与では対照群に対して創傷治癒作用が認められた4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブロメライン

一般的名称 ブロメライン
一般的名称(欧名) Bromelain
分子量 約33,000
物理化学的性状 淡黄色〜淡灰褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
水に大部分溶け、メタノール、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
理化学知見その他 パインアップルの果汁又は葉茎の搾汁より製したもので、たん白分解力がある酵素剤である。 pH9.55 基質により異なるが、通常5〜7 SH型酵素といわれ、システイン、H2S、NaCNにより活性化され、Hg++、Agにより不活性化される。 19.1 ブロメライン
KEGG DRUG D03162

19.2. トコフェロール酢酸エステル

一般的名称 トコフェロール酢酸エステル
一般的名称(欧名) Tocopherol Acetate
化学名 2,5,7,8-Tetramethyl-2-(4,8,12-trimethyltridecyl)chroman-6-yl acetate
分子式 C31H52O3
分子量 472.74
物理化学的性状 無色〜黄色澄明の粘性の液で、においはない。エタノール(99.5)、アセトン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサン又は植物油と混和する。エタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。旋光性を示さない。空気及び光によって変化する。
理化学知見その他 19.2 トコフェロール酢酸エステル
KEGG DRUG D01735

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]

23. 主要文献

  1. Izaka,K.et al., Japan.J.Pharmacol., 22, 519-534, (1972) »PubMed
  2. ジェイドルフ製薬(株)社内資料:再評価申請資料
  3. 平松 保造, 日薬理誌, 64, 608-616, (1968) »DOI
  4. 荒木伸春ら, 基礎と臨床, 11, 797-806, (1977)
  5. Didisheim,P.et al., Proc.Soc.Exp.Biol.Med., 93, 10-13, (1956) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ジェイドルフ製薬株式会社 学術部 くすり相談窓口
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:06-7507-2532
FAX:06-7507-2528
製品情報問い合わせ先
ジェイドルフ製薬株式会社 学術部 くすり相談窓口
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:06-7507-2532
FAX:06-7507-2528

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ジェイドルフ製薬株式会社
滋賀県甲賀市土山町北土山2739-1番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/06/18 版