起立性低血圧、各種疾患若しくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療
通常成人には、1回0.2〜1mL(エチレフリン塩酸塩として2〜10mg)を皮下注射、筋肉内注射又は静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 ショックの緊急治療の原則は換気の確保、輸液及び心拍出量の増加と昇圧である。ショック時の循環動態はショックを起こした原因及び病期によって異なるので、昇圧剤の選択及び使用時期については十分注意すること。
また、本剤は血圧下降等の応急処置剤として用いるべき薬剤であり、輸血又は輸液にかわるものではない。
8.2 過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等があらわれることがあるので、過量投与にならないよう注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心室性頻拍のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。刺激伝導系の促進により、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高血圧の患者
9.1.3 重篤な動脈硬化症の患者
9.1.4 甲状腺機能亢進症の患者
9.1.5 心疾患のある患者
心筋酸素消費量の増大により、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 徐脈のある患者
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 症状
脳内出血、肺水腫、頭痛等があらわれることがあるので、特に感受性の高い患者には注意すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にエチレフリン塩酸塩0.75mg
注1)を静脈内投与した場合、血中濃度の半減期は約2時間であった
1)(外国人データ)。
注1)承認用量は0.2〜1mL(エチレフリン塩酸塩として2〜10mg)である。
16.3 分布
静脈内投与した場合、2分で全身に分布し、心筋及び肝に大量に分布した。脳内への分布は認められなかった
2)(ラット)。
16.4 代謝
主代謝産物はエチレフリンのグルクロン酸及び硫酸抱合体であった
1)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人にエチレフリン塩酸塩0.75mg
注2)を静脈内投与したとき、24時間で約78%が尿中に排泄された。未変化体の尿中排泄率は約28%であった
1)(外国人データ)。
注2)承認用量は0.2〜1mL(エチレフリン塩酸塩として2〜10mg)である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
国内で実施された臨床試験の結果、承認された効能・効果に対する本剤の臨床効果が認められた。
17.2 製造販売後調査等
再評価時の調査症例1,025例中、本剤の副作用は6例(0.59%)であり、主な副作用は心悸亢進4例(0.39%)、頭痛3例(0.29%)であった。また、臨床検査値においては特に一定の傾向を示す変動は認められていない。
18.1 作用機序
本剤は交感神経刺激作用(α,β刺激)により、心拍出量を増加させる。また、静脈緊張度の改善により、循環血流量を増加させ、血圧を上昇させる。
18.2 心筋収縮力増強作用
心筋の収縮力を増し、心拍出量及び分時拍出量を増加させる
3)4)(イヌ心肺標本)。
18.3 血圧上昇作用
18.4 臨床薬理
低血圧患者に皮下注射した場合、心拍出量の増加、血圧の上昇がみられる。末梢血管抵抗は減少する
5)。
26.1 製造販売元
サノフィ株式会社
〒163-1488
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号