17.1.1 国内臨床試験(顆粒剤注1)の承認時)
小児細菌感染症患者を対象とした臨床試験での有効率は次のとおりであった
3)。
(1)皮膚科領域感染症
表在性皮膚感染症(伝染性膿痂疹)、深在性皮膚感染症(蜂巣炎、化膿性爪囲(廓)炎)、リンパ管・リンパ節炎(リンパ管(節)炎)、慢性膿皮症(皮下膿瘍)に対する有効率は93.1%(54/58)であった。
(2)外科領域感染症
肛門周囲膿瘍に対する有効率は100%(1/1)であった。
(3)呼吸器感染症
咽頭・喉頭炎(咽喉頭炎(咽喉膿瘍))、急性気管支炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎に対する有効率は97.9%(277/283)であった。
(4)尿路感染症
腎盂腎炎、膀胱炎に対する有効率は94.6%(35/37)であった。
(5)猩紅熱
猩紅熱に対する有効率は100%(36/36)であった。
(6)百日咳
百日咳に対する有効率は100%(11/11)であった。
(7)耳鼻科領域感染症
中耳炎、副鼻腔炎に対する有効率は100%(18/18)であった。
安全性評価対象症例456例中19例(4.17%)に副作用が報告され、その内容は、消化器症状(下痢のみ)17件(3.73%)及びアレルギー症状(発疹、発赤各1件)2件(0.44%)であった。また、臨床検査値の変動は3.60%(10/278)に認められ、その主なものは、好酸球増多1.97%(5/254)等の血液像異常、ALT上昇0.90%(2/222)、AST上昇0.45%(1/222)等の肝機能異常であった。
17.1.2 国内臨床試験(旧細粒剤注1)の効能追加承認時)
歯科・口腔外科領域感染症(歯周組織炎、顎炎)小児患者を対象とした臨床試験での有効率は98.4%(62/63)であった
15)。
総投与症例72例中、副作用は水様便1例(1.4%)が報告された。また、臨床検査値の異常変動は好酸球数増多6.9%(4/58)が認められた。
17.1.3 国内臨床試験(用法・用量一部変更承認時)
肺炎、中耳炎、副鼻腔炎小児患者を対象とした1回6mg(力価)/kg1日3回投与による臨床試験での有効率及び耐性度別の細菌学的効果は次のとおりであった
16)。
表1 臨床効果
疾患名 | 有効例数/有効性 評価対象例数 | 有効率(%) |
肺炎 | 14/14 | 100 |
中耳炎 | 71/79 | 89.9 |
副鼻腔炎 | 12/13 | 92.3 |
表2 細菌学的効果
原因菌 | 陰性化株数/株数計 | 消失率(%) |
肺炎球菌注2) | 10/12 | 83.3 |
| PSSP(ペニシリンG MIC:≦0.06μg/mL)注3) | 6/6 | 100 |
PISP(ペニシリンG MIC:0.12〜1μg/mL)注3) | 2/4 | − |
PRSP(ペニシリンG MIC:≧2μg/mL)注3) | 2/2 | − |
インフルエンザ菌 | 28/32 | 87.5 |
| アンピシリン感性(MIC:≦1μg/mL) | 12/12 | 100 |
アンピシリン中等度耐性(MIC:2μg/mL) | 2/3 | − |
アンピシリン耐性(MIC:≧4μg/mL) | 14/17 | 82.4 |
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス | 4/4 | − |
化膿レンサ球菌 | 4/4 | − |
安全性評価対象例115例中36例(31.3%)に副作用が認められた。主なものは、下痢・軟便28例(24.3%)であった。また、臨床検査値の異常変動は、検査を実施した安全性評価対象例113例中7例(6.2%)に認められた。主なものは、血小板数増加等であった。
注1)本剤と旧細粒剤及び旧細粒剤と顆粒剤の生物学的同等性が確認されている。