医療用医薬品 : カナマイシン

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医薬品情報


総称名 カナマイシン
一般名 カナマイシン一硫酸塩
欧文一般名 Kanamycin Monosulfate
製剤名 カナマイシン一硫酸塩カプセル
薬効分類名 アミノグリコシド系抗生物質製剤
薬効分類番号 6123
ATCコード A07AA08 J01GB04 S01AA24
KEGG DRUG
D00866 カナマイシン一硫酸塩
KEGG DGROUP
DG00085 カナマイシン
DG01447 アミノグリコシド系抗生物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
カナマイシンカプセル250mg「明治」 KANAMYCIN CAPSULES「MEIJI」 Meiji Seikaファルマ 6123003M1042 40円/カプセル 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
感染性腸炎

5. 効能または効果に関連する注意

「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

カナマイシンとして、通常成人1日2〜4g(力価)を4回に分割経口投与する。小児には体重1kg当り50〜100mg(力価)を4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 難聴のある患者
難聴が増悪するおそれがある。
9.1.2 腸管に潰瘍のある患者
腸管からの吸収が増加することがある。
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
腎障害が増悪するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

10. 相互作用

10.2 併用注意
麻酔剤
筋弛緩剤
ベクロニウム臭化物
A型ボツリヌス毒素等
呼吸抑制があらわれるおそれがある。
呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
神経系  難聴(連用時)
腎臓  腎障害(連用時)
消化器 食欲不振、悪心、下痢等の胃腸症状 
過敏症過敏症状  
ビタミン欠乏症  ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.2 吸収
カナマイシンは経口投与によりほとんど吸収されず、患者に1日6g(力価)(1.5g(力価)×4回)を経口投与した場合の血清中濃度は2.0μg/mL以下であった2)
16.5 排泄
患者に1日6g(力価)(1.5g(力価)×4回)を経口投与した場合、糞便中に高濃度に排泄され、24時間まで9.3〜17.5mg/gの値を示した2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細菌のリボソームの30Sサブユニットに結合し、タンパク合成の開始反応を阻害することにより抗菌作用を示す3)
18.2 in vitro抗菌作用
カナマイシンは、腸管感染症の原因菌である大腸菌、赤痢菌等に対して優れた抗菌作用を示した4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カナマイシン一硫酸塩

一般的名称 カナマイシン一硫酸塩
一般的名称(欧名) Kanamycin Monosulfate
略号 KM
化学名 3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[6-amino-6-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)]-2-deoxy-D-streptamine monosulfate
分子式 C18H36N4O11・H2SO4
分子量 582.58
物理化学的性状 カナマイシン一硫酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品は水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
分配係数
(log10 1-オクタノール層/水層、20±5℃)
pH2.0〜10.0
<−3.0
KEGG DRUG D00866

22. 包装

PTP包装
100カプセル(10カプセル×10)

23. 主要文献

  1. 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
  2. Hewitt,W.L.,et al., Ann.N.Y.Acad.Sci., 76 (2), 122-128, (1958) »PubMed
  3. 吉田眞一ほか, 戸田新細菌学 33版, 165-167, (2010), ((株)南山堂)
  4. 野宮文三ほか, Clinical Report., 4 (10), 2125-2133, (1970)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
Meiji Seikaファルマ株式会社 くすり相談室
〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16
電話:フリーダイヤル0120-093-396
03-3273-3539
FAX:03-3272-2438
製品情報問い合わせ先
Meiji Seikaファルマ株式会社 くすり相談室
〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16
電話:フリーダイヤル0120-093-396
03-3273-3539
FAX:03-3272-2438

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
Meiji Seikaファルマ株式会社
東京都中央区京橋2-4-16

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版