てんかん等の精神障害のある患者[てんかん様発作等の精神障害をさらに悪化させるおそれがある。]
通常成人は、サイクロセリンとして1回250mg(力価)を1日2回経口投与する。年齢、体重により適宜減量する。
なお、原則として他の抗結核薬と併用すること。
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。
9.2 腎機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇し、中枢神経系等の副作用が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行する。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 精神錯乱、てんかん様発作、痙攣(いずれも0.1〜5%未満)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 |
精神神経系 | 眩暈、頭痛 | 振戦、眠気、反射亢進、関節痛、記憶力喪失・減退、不眠 |
過敏症 | 発疹、発熱、そう痒感 | |
消化器 | | 悪心、食欲不振、腹痛、便秘、下痢 |
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
16.1 血中濃度
結核患者(n=15)に250mg(力価)を1回経口投与したとき、2時間後の平均血漿中濃度は16.9μg/mL(6.0〜26μg/mL)であった
1)(外国人データ)。
16.5 排泄
結核患者(n=9)に500mg
注)1回経口投与後、24時間以内に平均41%(19〜92%)が排泄された
1)(外国人データ)。
注)本剤の承認された1回用量は通常、成人に250mgである。
18.1 作用機序
細菌のアラニンラセマーゼ及びd-アラニン:d-アラニンリガーゼの活性を阻害することにより細胞壁ペプチドグリカン生合成を阻害し、抗菌作用を示す。
18.2 抗結核菌活性
サイクロセリンのヒト型結核菌H
37Rvに対する最小発育阻止濃度は6.25〜12.5μg/mLである
2)3)(
in vitro)。
結核菌株 | MIC(μg/mL) |
H37Rv | 12.5 |
SM100μg/mL 耐性H37Rv | 12.5 |
PAS100μg/mL 耐性H37Rv | 6.25 |
INAH25μg/mL 耐性H37Rv | 12.5 |