医療用医薬品 : コンベック

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医薬品情報


総称名 コンベック
一般名 ウフェナマート
欧文一般名 Ufenamate
製剤名 ウフェナマート軟膏・クリーム
薬効分類名 皮膚疾患消炎鎮痛外用剤
薬効分類番号 2649
ATCコード M01AG03
KEGG DRUG
D01823 ウフェナマート
KEGG DGROUP
DG01504 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版 D10)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
コンベック軟膏5% COMBEC ointment 田辺三菱製薬 2649727M1040 13.2円/g
コンベッククリーム5% COMBEC cream 田辺三菱製薬 2649727N1046 13.2円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○急性湿疹
○慢性湿疹
脂漏性湿疹
○貨幣状湿疹
接触皮膚炎
アトピー皮膚炎
○おむつ皮膚炎
○酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎
帯状疱疹

6. 用法及び用量

本品の適量を1日数回患部に塗布または貼布する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
過敏症発赤、そう痒、丘疹、接触皮膚炎、腫脹、潮紅 
皮膚刺激感、灼熱感、皮膚乾燥びらん

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
眼科用として使用しないこと。

16. 薬物動態

16.3 分布
16.3.1 組織への移行性
14C-ウフェナマート5%軟膏・クリーム400mg(ウフェナマートとして約100mg/kg)をラット背部の健常皮膚に塗布し、48時間固定したとき、ウフェナマートの皮膚中移行は速やかであり、表皮付近に高濃度に存在し、深部への移行は僅かであった。血中への移行性は低かった1)2)
16.3.2 蛋白結合率
ヒト血清アルブミンに対する結合率は、0.1〜10μg/mL濃度範囲において、ほぼ100%であった3)
16.4 代謝
14C-ウフェナマート5%軟膏・クリーム400mg(ウフェナマートとして約100mg/kg)をラット背部の健常皮膚に塗布し、48時間固定したとき、皮膚中代謝物は約95%が未変化体であり、尿中及び糞中の代謝物の大部分はフルフェナム酸とその水酸化体であった1)2)
16.5 排泄
14C-ウフェナマート5%軟膏・クリーム400mg(ウフェナマートとして約100mg/kg)をラット背部の健常皮膚に塗布後72時間固定したときの尿中及び糞中排泄は、それぞれ塗布量の0.72%及び1.00%であった2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
二重盲検比較試験を含む臨床試験の評価対象1,814例における有効以上の有効率は次のとおりであった4)5)6)7)8)9)
疾患名\有効率(%)有効以上
軟膏5%クリーム5%
急性湿疹64.6(104/161例)77.1(27/35例)
慢性湿疹42.6(26/61例)82.1(23/28例)
脂漏性湿疹76.3(61/80例)70.0(14/20例)
貨幣状湿疹50.9(28/55例)50.0(6/12例)
接触皮膚炎66.7(68/102例)71.4(15/21例)
アトピー皮膚炎56.3(218/387例)50.0(25/50例)
おむつ皮膚炎61.1(91/149例)40.0(4/10例)
酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎65.7(88/134例)58.3(35/60例)
帯状疱疹81.4(338/415例)79.4(27/34例)
66.2(1,022/1,544例)65.2(176/270例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)である。本剤の抗炎症作用は副腎を介さず、炎症部位に直接作用するものであり、膜安定化及び活性酸素生成抑制作用など、生体膜との相互作用により発揮されるものと考えられる10)11)
18.2 抗炎症作用
18.2.1 血管透過性亢進抑制作用
ラットにおけるヒスタミンあるいはブラジキニンによる皮膚血管透過性亢進に対し、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏と同等の抑制効果を認めた10)
18.2.2 浮腫抑制作用
ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫に対し、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏とほぼ同等の抑制効果を認めた10)
18.2.3 紫外線紅斑抑制作用
モルモットにおける紫外線紅斑に対し、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏より強い抑制効果を認めた10)
18.2.4 アレルギー性皮膚炎症抑制作用
マウス、モルモットにおけるピクリルクロライドあるいはジニトロクロルベンゼンによるアレルギー性皮膚炎症に対して著明な抑制効果を認めた10)
18.2.5 その他
ラット背部皮下のpaper-diskによる肉芽増殖を、ほとんど抑制しなかった10)
18.3 鎮痛作用
ラットにおけるカラゲニンによる炎症性疼痛に対し、疼痛閾値の有意な上昇を認めた。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ウフェナマート

一般的名称 ウフェナマート
一般的名称(欧名) Ufenamate
化学名 Butyl 2-[[3-(trifluoromethyl)phenyl]amino]-benzoate
分子式 C18H18F3NO2
分子量 337.34
物理化学的性状 微黄色〜淡黄色の澄明な液で、においはないか、又は僅かに特異なにおいがある。メタノール、アセトン、クロロホルム又はエーテルと混和する。エタノールに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01823

20. 取扱い上の注意

<軟膏剤>
20.1 基剤プラスティベース(ゲル化炭化水素)の中の流動パラフィンが分離することがあるが、効力に影響はない。

22. 包装

<コンベック軟膏5%>
100g[10g(チューブ)×10]
<コンベッククリーム5%>
100g[10g(チューブ)×10]

23. 主要文献

  1. 高原義男,他, 応用薬理, 24 (5), 691-695, (1982)
  2. 桶谷米四郎,他, 応用薬理, 19 (3), 399-407, (1980)
  3. 桶谷米四郎,他, 応用薬理, 19 (3), 383-393, (1980)
  4. HF-264軟膏臨床研究班, 西日本皮膚科, 44 (5), 839-847, (1982) »DOI
  5. 久保 等,他, 西日本皮膚科, 43 (2), 261-263, (1981) »DOI
  6. 早川律子,他, 皮膚, 23 (5), 678-684, (1981) »DOI
  7. 今村貞夫,他, 皮膚科紀要, 76 (1), 41-45, (1981)
  8. 山口全一,他, 基礎と臨床, 16 (14), 7998-8006, (1982)
  9. 山本一哉,他, 基礎と臨床, 17 (3), 1195-1198, (1983)
  10. 藤村 一,他, 応用薬理, 17 (6), 1033-1042, (1979)
  11. 大下政文,他, 炎症, 3 (1), 72-74, (1983) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280
製品情報問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版