ラノコナゾールは真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す
8)9)(
in vitro)。
18.2.1 ラノコナゾールは、皮膚糸状菌(
Trichophyton属、
Microsporum属、
Epidermophyton属)、
Candida属及び
Malassezia属真菌に対して高い抗真菌活性を有する。特に皮膚糸状菌に対するMICはすべて0.04μg/mL以下であり、殺菌活性も低濃度で発現した
10)11)12)(
in vitro)。
18.2.2 ラノコナゾールは種々の病原性真菌保存株(酵母状真菌、黒色真菌、二形性真菌、
Aspergillus属及び
Penicillium属)に対し、広い抗真菌スペクトルを示す
10)(
in vitro)。
18.2.3 モルモット足白癬モデルに対し、ラノコナゾール1%クリーム、外用液及び軟膏は1日1回、10日間塗布により、完全に菌を陰性化した。また、モルモット体部白癬モデルにおいても1日1回、11〜14日間の塗布で同様の作用を示すとともに感染症状の改善が認められた
13)14)15)16)。
18.2.4 モルモット背部にラノコナゾール1%クリームを0.1g前塗布した後、
Trichophyton mentagrophytesを接種した実験では、菌接種1〜4日前の1回塗布でも感染は成立せず、良好な角質内貯留性を有することが示唆された
17)。