2.1 急性腹症が疑われる患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
2.2 痙攣性便秘の患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
2.3 重症の硬結便のある患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
2.4 肛門裂創、潰瘍性痔核のある患者[坐剤挿入に伴う物理的、機械的な刺激を避けるため。]
○便秘症
○消化管検査時又は手術前後における腸管内容物の排除
ビサコジルとして、通常1回、乳幼児は2mgを、1日1〜2回肛門内に挿入する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2 大量投与を避けること。子宮収縮を誘発して、流早産の危険性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
18.1 作用機序
刺激性の緩下作用を示す。結腸・直腸粘膜に作用して蠕動をたかめ、また腸粘膜への直接作用により排便反射を刺激する。結腸腔内における水分の吸収を抑制し腸内水分を増加させる。
18.2 結腸・直腸粘膜選択的蠕動運動促進作用
ビサコジルの小腸−結腸灌流実験で、単位時間当たりの灌流量は結腸部位に特異的な促進を示し(麻酔ネコ)、また摘出小腸又は大腸に対する腸刺激作用をMagnus法により検討した結果、大腸で明らかに強い刺激作用が認められた(ウサギ)
1)。
18.3 腸粘膜への直接的排便反射刺激作用
摘出腸による実験で、小腸で作用を示さなかったが、結腸に直接的持続的なトーヌス増大が認められた(ウサギ、モルモット)
2)。またネコの結腸腔内、直腸腔内におけるビサコジルの腸蠕動は局所麻酔剤によって阻止された
3)。
18.4 結腸腔内における水分吸収阻害及び腸内水分増加作用
ラットの腸灌流実験で、ビサコジルによる可逆的な結腸腔内水分の吸収阻害と腸内水分の増加が認められた
4)。