医療用医薬品 : S・M

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医薬品情報


総称名 S・M
一般名 タカヂアスターゼ
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
炭酸水素ナトリウム
沈降炭酸カルシウム
カンゾウ(甘草)末
オウレン(黄連)末
ケイヒ(桂皮)末
ショウキョウ(生姜)末
チョウジ(丁子)末
ウイキョウ(茴香)末
サンショウ(山椒)末
薬効分類名 調剤用胃腸薬
薬効分類番号 2339
KEGG DRUG
D08834 健胃消化剤
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
S・M配合散 S・M Combination Powder アルフレッサファーマ 2339177B1038 6.5円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 透析療法を受けている患者[9.2.1参照]
2.3 ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠中毒症等)[ナトリウムの貯留増加により症状が悪化するおそれがある。]
2.4 高カルシウム血症の患者[血中カルシウム濃度が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
2.5 甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者[血中カルシウム濃度の上昇により病態に悪影響を及ぼすおそれがある。]

4. 効能または効果

下記消化器症状の改善
食欲不振、胃部不快感、胃もたれ、嘔気・嘔吐

6. 用法及び用量

通常1回量として、下表の用量を1日3回食後水又は温湯で服用する。
年齢1回量
成人約1.3g
7〜14歳成人の1/2量
4〜6歳成人の1/3量
2〜3歳成人の1/6量
なお、疾患、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な消化管潰瘍のある患者
炭酸水素ナトリウムを配合しているため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 心機能障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 肺機能障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 リン酸塩低下のある患者
アルミニウムにより無機リンの吸収が阻害される。
9.1.5 低クロル性アルカローシス等の電解質失調の患者
症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析療法を受けている患者
投与しないこと。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある。[2.2参照]
9.2.2 腎不全の患者
排泄障害により副作用があらわれることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意
活性型ビタミンD
アルファカルシドール
カルシトリオール
高カルシウム血症があらわれやすくなる。消化管からのカルシウムの吸収が亢進される。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩等
本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤に含まれるアルミニウム、マグネシウム等とキレートを生成し、吸収が低下することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する。
ニューキノロン系抗菌剤
ノルフロキサシン
オフロキサシン等
本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤に含まれるアルミニウム、マグネシウム等とキレートを生成し、吸収が低下することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する。
大量の牛乳・カルシウム製剤Milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、症状が発現した場合には投与を中止すること。本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇による作用と考えられている。
その他の併用薬剤併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇による作用と考えられている。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
長期・大量投与腎結石、尿路結石
代謝異常注1)高マグネシウム血症
消化器便秘
過敏症発疹
その他注2)低カリウム血症、血圧上昇、体重増加、浮腫

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 タカヂアスターゼ:主として炭水化物の消化作用を有する1)
18.1.2 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:制酸作用を有し、過剰の胃酸を中和するので、胃酸過多症や胸やけに用いられる。また胃粘膜の炎症面を保護し、吸着作用も有する。
18.1.3 炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム:過剰に分泌された胃酸を中和し粘膜が消化されるのを防ぐとともに、中和によってペプシン活性を低下させる2)
18.1.4 カンゾウ末:胃腸の過度の緊張をおさえ、胃壁を保護する3)
18.1.5 オウレン末(苦味性)、ケイヒ末・ウイキョウ末・チョウジ末(芳香性)、ショウキョウ末・サンショウ末(芳香・辛味性):特有の味や香りによって反射的に唾液、胃液の分泌を盛んにし、胃腸の運動を亢進する2)4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. タカヂアスターゼ

一般的名称 タカヂアスターゼ
物理化学的性状 淡黄色〜黄褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
理化学知見その他 19.1 タカヂアスターゼ
KEGG DRUG D08705

19.2. メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

一般的名称 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
物理化学的性状 白色の粉末又は粒である。
水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
1gを希塩酸10mLと加熱するとき、大部分溶ける。
理化学知見その他 19.2 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
KEGG DRUG D03242

19.3. 炭酸水素ナトリウム

一般的名称 炭酸水素ナトリウム
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。
水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
湿った空気中で徐々に分解する。
理化学知見その他 19.3 炭酸水素ナトリウム
KEGG DRUG D01203

19.4. 沈降炭酸カルシウム

一般的名称 沈降炭酸カルシウム
物理化学的性状 白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。
水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。
エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
理化学知見その他 19.4 沈降炭酸カルシウム
KEGG DRUG D00932

19.5. カンゾウ(甘草)末

一般的名称 カンゾウ(甘草)末
物理化学的性状 淡黄褐色又は淡黄色〜灰黄色(皮去りカンゾウの粉末)を呈し、弱いにおいがあり、味は甘い。
理化学知見その他 19.5 カンゾウ(甘草)末
KEGG DRUG D04365

19.6. オウレン(黄連)末

一般的名称 オウレン(黄連)末
物理化学的性状 黄褐色〜灰黄褐色を呈し、弱いにおいがあり、味は極めて苦く、残留性で、唾液を黄色に染める。
理化学知見その他 19.6 オウレン(黄連)末
KEGG DRUG D00092

19.7. ケイヒ(桂皮)末

一般的名称 ケイヒ(桂皮)末
物理化学的性状 赤褐色〜褐色を呈し、特異な芳香があり、味は甘く、辛く、後にやや粘液性で、僅かに収れん性である。
理化学知見その他 19.7 ケイヒ(桂皮)末
KEGG DRUG D06712

19.8. ショウキョウ(生姜)末

一般的名称 ショウキョウ(生姜)末
物理化学的性状 淡灰褐色〜淡灰黄色を呈し、特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
理化学知見その他 19.8 ショウキョウ(生姜)末
KEGG DRUG D06744

19.9. チョウジ(丁子)末

一般的名称 チョウジ(丁子)末
物理化学的性状 暗褐色を呈し、強い特異なにおいがあり、味は舌をやくようで、後に僅かに舌を麻痺させる。
理化学知見その他 19.9 チョウジ(丁子)末
KEGG DRUG D03570

19.10. ウイキョウ(茴香)末

一般的名称 ウイキョウ(茴香)末
物理化学的性状 帯緑淡褐色〜帯緑褐色を呈し、特異なにおい及び味がある。
理化学知見その他 19.10 ウイキョウ(茴香)末
KEGG DRUG D03380

19.11. サンショウ(山椒)末

一般的名称 サンショウ(山椒)末
物理化学的性状 暗黄褐色を呈し、強い特異な芳香があり、味は辛く舌を麻痺させる。
理化学知見その他 19.11 サンショウ(山椒)末
KEGG DRUG D06733

20. 取扱い上の注意

吸湿性であるので、開封後は密栓して乾燥した場所に保存すること。

22. 包装

1.3g×840[3包×280]
1.3g×3780[3包×1260]
1kg[ポリエチレン袋、バラ]
5kg[ポリエチレン袋、バラ]

23. 主要文献

  1. 三浦勇吉, 高峰研究所年報, 12, 1-21, (1960)
  2. 田中千賀子 他, NEW薬理学 改訂第3版, 442-444, (1996), (南江堂)
  3. 漢薬の臨床応用 神戸中医学研究会編, 316-318, (1979), (医歯薬出版)
  4. 高木敬次郎 他, 薬物学 第2版, 394-396, (1987), (南山堂)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版