医療用医薬品 : ニトロダーム |
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総称名 | ニトロダーム |
一般名 | ニトログリセリン |
欧文一般名 | Nitroglycerin |
製剤名 | ニトログリセリン経皮吸収型製剤 |
薬効分類名 | 経皮吸収型狭心症治療剤 |
薬効分類番号 | 2171 |
ATCコード | C01DA02 C05AE01 |
KEGG DRUG |
D00515
ニトログリセリン
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ニトロダームTTS25mg | Nitroderm TTS 25mg | サンファーマ | 2171701S2037 | 66.2円/枚 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には使用しないこと
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者〔血管拡張作用によりさらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
閉塞隅角緑内障のある患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
頭部外傷又は脳出血のある患者〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕
高度な貧血のある患者〔血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。〕
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者〔本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。〕(「3.相互作用」の項参照)
本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして25mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
慎重投与
低血圧の患者〔血管拡張作用によりさらに血圧を低下させるおそれがある。〕
原発性肺高血圧症の患者〔心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。〕
肥大型閉塞性心筋症の患者〔心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。〕
重要な基本的注意
本剤の使用に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切り替えること。
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を投与中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で行うこと。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがある。このような場合には貼付部位を変更し、非ステロイド系抗炎症剤軟膏又はステロイド軟膏等を使用するか、本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を除去し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
本剤使用開始時には他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は使用を中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤使用前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤使用中及び使用後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
相互作用
併用禁忌
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤 シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ) バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ) タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア) | 併用により、降圧作用を増強することがある。 | 本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。 |
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤 リオシグアト(アデムパス) | 併用により、降圧作用を増強することがある。 | 本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。 |
併用注意
降圧作用及び血管拡張作用を有する薬剤 カルシウム拮抗剤 ACE阻害剤 β-遮断剤 利尿降圧剤 三環系抗うつ剤 メジャートランキライザー等 | 血圧低下作用が増強されるおそれがある。めまい、虚脱感等の自覚症状の発現に注意し、定期的に血圧の測定を行うことが望ましい。 | 両剤ともに血圧低下作用を有するため、併用した場合相加的に血圧が低下する可能性がある。 |
アルコール摂取 | 血圧低下作用が増強されることがある。 | 飲酒により血管拡張作用が増強され相加的に血圧低下作用が増強される可能性がある。 |
他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤 | 頭痛、血圧低下等の副作用が増強されることがある。 | 相加的に血管拡張作用が増強される可能性がある。 |
非ステロイド性抗炎症剤 アスピリン等 | 本剤の血管拡張作用が減弱するおそれがある。 | プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、本剤の作用を減弱する可能性がある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
副作用調査例数の累計4,870例中340例(7.0%)に411件の副作用が認められた。主な副作用は頭痛98例(2.0%)、そう痒82例(1.7%)、発赤44例(0.9%)、かぶれ40例(0.8%)等であった。(再審査終了時までの集計)
その他の副作用
頻度不明 | 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | |
循環器 | 脳貧血、熱感、潮紅、頻脈、失神 | めまい | 血圧低下、動悸、浮腫 |
精神神経系 | − | 頭痛、頭重感 | − |
過敏症注1) | − | − | アレルギー性接触皮膚炎、全身発疹 |
皮膚注2) | 色素脱失斑 | 一次刺激性の接触皮膚炎(刺激症状、発赤、そう痒等)、かぶれ | びらん |
消化器 | − | − | 悪心・嘔吐、下痢 |
その他 | 尿失禁、便失禁 | − | 耳鳴、頸部硬直感、疲労感、けん怠感、発汗 |
妊婦、産婦、授乳婦等への使用
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。〕
授乳中の婦人には使用することを避け、やむを得ず使用する場合には、授乳を中止させること。〔他のニトログリセリン外用剤の動物実験において乳汁中に移行することが報告されている。〕
小児等への使用
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候・症状
高用量のニトログリセリンは血圧降下、反射性頻脈、虚脱、失神、メトヘモグロビン血症等を引き起こすことがある。しかし、本剤では放出制御膜により、過量投与発現の可能性は低い。
処置
本剤除去により、直ちに症状は消失する。高度の血圧降下及び虚脱には、患者を臥位にし、下肢を挙げさせる。
適用上の注意
貼付部位
貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。
皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。
創傷面に使用しないこと。
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
その他の注意
以下の療法を行うときは、前もって本剤を除去すること。
電気的除細動(DC細動除去等)〔除細動器と接触した場合、本剤の支持体(アルミニウム箔)が破裂することがある。〕
ジアテルミー(高周波療法)〔本剤の温度が上昇するおそれがある。〕
MRI(核磁気共鳴画像法)〔本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある。〕
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。なお、労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。
肺疾患、虚血性心疾患、脳虚血の患者で低酸素血症がある場合には、本剤の使用により低酸素状態が悪化することがある。
単回貼付
健康成人にニトロダームTTS25mg1枚を24時間貼付したとき、血漿中ニトログリセリン濃度は、貼付1時間後から本剤を除去するまで平均0.30ng/mLの定常血漿中濃度を保ち、除去後は速やかに消失している。1)
ニトロダームTTS25mg貼付時の血漿中ニトログリセリン濃度(平均±S.E.,n=12)
「参考」
運動負荷法を用い、運動耐容能を主な指標とした臨床薬理試験では、ニトロダームTTS25mgの貼付により抗狭心症効果が長時間にわたり得られることが確認されている。3)4)5)
長時間連続記録心電図法を用いた試験では、ニトロダームTTS25mgの貼付により、発作のみならず心電図上の虚血性ST偏位も改善することが確認されている。6)
一般臨床試験において、発作回数、硝酸剤消費量、運動能力、心電図所見等を指標とした狭心症に対する全般改善度は59.1%(114/193)であった。
また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている。
実験的に誘発した心電図上のST偏位に対する作用
ラットにおいて、ニトロダームTTS(50mg/20cm2)貼付1、24、48時間後にて、vasopressin投与によりもたらされる心虚血性変化(ST下降)に対して抑制効果が認められている。7)
イヌにおけるニトロダームTTS25mg貼付2時間後に冠状動脈結紮を行った試験にて、心虚血性変化(ST上昇)の抑制がみられている。8)
Angiotensin II誘発冠血管収縮に対する作用
イヌにおいて、ニトロダームTTS25mg貼付1、2時間後にangiotensin IIを投与したとき、冠血流量の減少、左心房圧の上昇及び平均血圧の上昇の抑制がみられ、剥離30分後のangiotensin II投与後の反応では、貼付前の値に回復する傾向がみられている。8)
血行動態に及ぼす影響
イヌにおいて、ニトロダームTTS25mg1枚の貼付は、収縮期血圧を低下させ、拡張期血圧、平均血圧及び左心房圧を低下させる傾向がみられている。8)
耐性発現試験
一般名 | ニトログリセリン |
一般名(欧名) | Nitroglycerin |
化学名 | 1,2,3-Propanetriol trinitrate |
分子式 | C3H5N3O9 |
分子量 | 227.09 |
KEGG DRUG | D00515 |
患者には本剤を内袋のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
ニトロダームTTS25mg(分包品)
140枚 350枚
1. | 社内資料:健康成人における生物学的同等性試験 |
2. | Muller,P.et al., Eur.J.Clin.Pharmacol., 22 (6), 473, (1982) »PubMed »DOI |
3. | 谷口興一ほか, 臨床と研究, 63 (8), 2763, (1986) |
4. | 野田省二ほか, 臨床薬理, 17 (3), 601, (1986) »DOI |
5. | 古寺邦夫ほか, 診断と治療, 74 (6), 1297, (1986) |
6. | 矢永尚士ほか, 臨床と研究, 63 (7), 2323, (1986) |
7. | 西村敬治ほか, 基礎と臨床, 19 (10), 5200, (1985) |
8. | Nakao,K.et al., Arzneim.-Forsch./Drug Res., 39 (11), 1421, (1989) »PubMed |
9. | 社内資料:反復貼付による耐性発現の検討 |
10. | 社内資料:冠状動脈結紮により誘発した心電図上のST上昇に対する影響 |
改訂履歴 |
2016年10月 改訂 |
文献請求先 |
田辺三菱製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売 販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/3/24 版 |