医療用医薬品 : メジコン

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医薬品情報


総称名 メジコン
一般名 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
クレゾールスルホン酸カリウム
欧文一般名 Dextromethorphan Hydrobromide Hydrate
Potassium Cresolsulphonate
製剤名 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・クレゾールスルホン酸カリウムシロップ
薬効分類名 鎮咳去痰剤
薬効分類番号 2249
ATCコード R05FA02
KEGG DRUG
D04340 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・クレゾールスルホン酸カリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2022年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
メジコン配合シロップ MEDICON Combination Syrup シオノギファーマ 2249106Q1066 1.6円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難
急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎、肺結核、百日咳

6. 用法及び用量

通常、成人には1日18〜24mL、8〜14歳1日9〜16mL、3ヵ月〜7歳1日3〜8mLを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は、主に肝代謝酵素CYP2D6で代謝される。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP2D6
10.2 併用注意
選択的MAO-B阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
セロトニン症候群があらわれることがある。本剤及びこれらの薬剤は脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりセロトニンの濃度が更に高くなるおそれがある。
薬物代謝酵素(CYP2D6)を阻害する薬剤
キニジン
アミオダロン
テルビナフィン等
本剤の血中濃度が上昇することがある。これらの薬剤の薬物代謝酵素(CYP2D6)阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため。
セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)等
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。セロトニン作用が増強するおそれがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 呼吸抑制(頻度不明)
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症 発疹
精神神経系 眠気、頭痛、眩暈、不快、不眠
消化器悪心・嘔吐、食欲不振、軟便、下痢便秘、腹痛、口渇、おくび

13. 過量投与

13.1 症状
嘔気、嘔吐、尿閉、運動失調、錯乱、興奮、神経過敏、幻覚、呼吸抑制、嗜眠等を起こすことがある。
13.2 処置
ナロキソンの投与により改善したとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
咳嗽を伴う成人気管支炎患者8例にデキストロメトルファン臭化水素酸塩シロップ60mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す1)(外国人データ)。
表16-1 薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-∞※1(ng・hr/mL)T1/2※1(hr)
608386±107.22.0(1.0-2.0)2169±702.63.3±0.63
イヌにデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物15mg及びクレゾールスルホン酸カリウム90mgを経口投与したときのデキストロメトルファン及び4-クレゾールスルホン酸の薬物動態パラメータ2)を表16-2に示す。
表16-2 薬物動態パラメータ
 例数Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)
デキストロメトルファン63.331.50AUC0-7 12.796
4-クレゾールスルホン酸660500.75AUC0-3 8820
注)本剤の承認された成人の用法用量は、1日18〜24mL(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として45〜60mg)を3〜4回に分割経口投与である。
本剤はデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物とクレゾールスルホン酸カリウムの配合剤である。
16.4 代謝
デキストロメトルファンは肝臓で大部分が代謝され、O-脱メチル体(デキストルファン)、N-脱メチル体及びNO-脱メチル体となる。これらの代謝物はデキストロメトルファンと同等の鎮咳作用を示した3)(外国人データ)。
デキストロメトルファンの肝代謝に関するCYP分子種は、O-脱メチル化ではCYP2D6、N-脱メチル化ではCYP3A4である4)。[10.参照]
16.5 排泄
ヒトに14C-標識デキストロメトルファンを経口投与したとき、投与後24時間以内の尿中及び糞中回収率は、総投与放射活性に対してそれぞれ42.71%、0.12%であった5)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
再評価時の臨床試験の成績は以下のとおりであった6)
表17-1 臨床成績
疾患名有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
急性気管支炎4/1136.4
慢性気管支炎17/2568.0
慢性細気管支炎0/1
感冒31/4864.6
52/8561.2

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 デキストロメトルファンは延髄にある咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制することにより鎮咳作用を示す7)
18.1.2 クレゾールスルホン酸カリウムはウサギを用いた試験によれば気道の分泌を促進し、粘稠な喀痰を液化して去痰作用を示す8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

一般的名称 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
一般的名称(欧名) Dextromethorphan Hydrobromide Hydrate
化学名 (9S,13S,14S)-3-Methoxy-17-methylmorphinan monohydrobromide monohydrate
分子式 C18H25NO・HBr・H2O
分子量 370.32
融点 約126℃
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けにくい。
分配係数 16.98[pH7、1-オクタノール/緩衝液]
理化学知見その他 19.1 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
KEGG DRUG D00848

19.2. クレゾールスルホン酸カリウム

一般的名称 クレゾールスルホン酸カリウム
一般的名称(欧名) Potassium Cresolsulphonate
分子式 C7H7KO4S
分子量 226.29
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水又はギ酸に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
理化学知見その他 19.2 クレゾールスルホン酸カリウム
KEGG DRUG D04339

20. 取扱い上の注意

光により退色するので、外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

500mL[瓶]

23. 主要文献

  1. Aylward,M.et al., Eur.J.Respir.Dis., 65, 283-291, (1984) »PubMed
  2. 社内資料:イヌでのバイオアベイラビリティ
  3. Willner,K.et al., Arzneim.-Forsch., 13, 26-29, (1963) »PubMed
  4. 野口英世, 薬物動態, 10, 407-412, (1995) »DOI
  5. Calesnick,B.et al., Clin.Pharmacol.Ther., 8, 374-380, (1967) »PubMed
  6. 社内資料:鎮咳去痰剤メジコンシロップの使用経験
  7. 谷山紘太郎ほか, NEW薬理学(田中千賀子ほか編), 442-445, (2002), (東京:南江堂)
  8. 大谷弘一ほか, 薬理と治療, 5, 1513-1516, (1977)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話:0120-956-734
FAX:06-6202-1541
URL:https://med.shionogi.co.jp/
製品情報問い合わせ先
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話:0120-956-734
FAX:06-6202-1541
URL:https://med.shionogi.co.jp/

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
シオノギファーマ株式会社
大阪府摂津市三島2丁目5番1号
26.2 販売元
塩野義製薬株式会社
大阪市中央区道修町3丁目1番8号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版