医療用医薬品 : ガスモチン

List   Top

医薬品情報


総称名 ガスモチン
一般名 モサプリドクエン酸塩水和物
欧文一般名 Mosapride Citrate Hydrate
薬効分類名 消化管運動機能改善剤
薬効分類番号 2399
KEGG DRUG D01994 モサプリドクエン酸塩水和物
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ガスモチン錠5mg GASMOTIN 大日本住友製薬 2399010F2024 15.4円/錠
ガスモチン錠2.5mg GASMOTIN 大日本住友製薬 2399010F1028 9.9円/錠
ガスモチン散1% GASMOTIN 大日本住友製薬 2399010B1034 31.4円/g

効能・効果及び用法・用量

効能効果

慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)

経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助

効能効果に関連する使用上の注意

<経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助の場合>

塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び無水硫酸ナトリウム含有経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)以外の経口腸管洗浄剤との併用による臨床試験は実施されていない。〔「臨床成績」の項参照〕

用法用量

慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)

通常、成人には、モサプリドクエン酸塩として1日15mgを3回に分けて食前または食後に経口投与する。

経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助

通常、成人には、経口腸管洗浄剤の投与開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを経口腸管洗浄剤(約180mL)で経口投与する。また、経口腸管洗浄剤投与終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

<経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助の場合>

経口腸管洗浄剤の「用法・用量」及び「用法・用量に関連する使用上の注意」を必ず確認すること。

使用上の注意

重要な基本的注意

本剤を慢性胃炎に伴う消化器症状に用いる際には、一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検討すること。

劇症肝炎や重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、長期にわたって漫然と投与しないこと。なお、本剤投与中は、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、本剤投与後に倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜黄染等の症状があらわれた場合は、本剤を中止し、医師等に連絡するよう指導すること。

本剤を経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助に用いる際には、経口腸管洗浄剤の添付文書に記載されている警告、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。

相互作用

併用注意

抗コリン作用を有する薬剤
アトロピン
ブチルスコポラミン等
本剤の作用が減弱する可能性があるので、抗コリン剤を服用する場合は、服用間隔をあけるなど注意すること。本剤の消化管運動の促進作用は、コリン作動性神経の賦活により発現するため、抗コリン剤の併用により本剤の作用が抑制される。

副作用

副作用発現状況の概要

<慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)の場合>

承認時までの臨床試験における調査症例998例中40例(4.0%)に副作用がみられた。その主なものは下痢・軟便(1.8%)、口渇(0.5%)、倦怠感(0.3%)等であった。臨床検査値の異常変動は792例中30例(3.8%)にみられた。その主なものは好酸球増多(1.1%)、中性脂肪の上昇(1.0%)、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP及びγ-GTPの上昇(各0.4%)等であった。(承認時)
市販後の使用成績調査・特別調査(長期使用調査)症例3,014例中74例(2.5%)に副作用がみられた。その主なものは下痢・軟便(0.8%)、腹痛(0.4%)、口渇(0.3%)等であった。(再審査終了時)

<経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助の場合>

承認時までの臨床試験における調査症例241例中35例(14.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)がみられた。その主なものは腹部膨満感(3.7%)、嘔気(3.3%)、尿潜血(2.1%)、腹痛(1.2%)、頭痛(1.2%)、尿蛋白(1.2%)等であった。(承認時)
市販後の使用成績調査症例1,306例中3例(0.2%)に副作用がみられた。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも0.1%未満)

劇症肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、死亡に至った例もあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜2%未満0.1%未満頻度不明
過敏症 浮腫、蕁麻疹発疹
血液好酸球増多白血球減少 
消化器下痢・軟便、口渇、腹痛、嘔気・嘔吐味覚異常、腹部膨満感口内しびれ感(舌、口唇等を含む)
肝臓ALT(GPT)の上昇AST(GOT)、ALP、γ-GTP、ビリルビンの上昇 
循環器 心悸亢進 
精神神経系 めまい・ふらつき、頭痛 
その他倦怠感、中性脂肪の上昇振戦 
 0.1〜5%未満
消化器腹部膨満感、嘔気、腹痛、胃部不快感、おくび
肝臓ビリルビンの上昇
精神神経系頭痛、眠気
その他胸部不快感、寒気、倦怠感、顔面腫脹、尿潜血、尿蛋白、LDHの上昇

高齢者への投与

一般に高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、慢性胃炎に伴う消化器症状に用いる際に、副作用が発現した場合には、減量(例えば1日7.5mg)するなど適切な処置を行うこと。

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。〔使用経験がない。〕

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

その他の注意

げっ歯類に臨床通常用量の100〜330倍(30〜100mg/kg/日)を長期間経口投与した試験(ラット104週間、マウス92週間)において、腫瘍(肝細胞腺腫及び甲状腺濾胞性腫瘍)の発生率の上昇が認められた。

薬物動態

血漿中濃度

単独投与時[1]

(健康成人5例、空腹時本剤5mg1回投与)

Tmax(h)Cmax(ng/mL)T1/2(h)AUC0〜∞(ng・h/mL)
0.8±0.130.7±2.72.0±0.267±8
平均値±標準誤差

経口腸管洗浄剤併用時[2]

〔健康成人、空腹時本剤20mg(1回目)投与後、経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)を服用し、1回目の投与から2時間後本剤20mg(2回目)投与〕

投与時期Tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC(ng・h/mL)
1回目(24例)1.0±0.5116.1±35.1150.3±45.2(0〜2)
2回目(23例)2.5±0.2272.6±80.9848.8±301.4(0〜24)
平均値±標準偏差

血清蛋白結合率[3]

99.0%(in vitro、ヒト血清、1μg/mL、限外ろ過法又は平衡透析法)

主な代謝産物及び代謝経路

主な代謝産物[1]

4-フルオロベンジル基脱離体

代謝経路[1][4]

主として肝臓で4-フルオロベンジル基の脱離、これに続くモルホリン環5位の酸化及びベンゼン環3位の水酸化によって代謝される。

排泄経路及び排泄率

排泄経路

尿中、糞便中

排泄率[1]

投与後48時間までの尿中排泄率は、未変化体として0.1%、主代謝物(4-フルオロベンジル基脱離体)として7.0%であった。(健康成人、空腹時本剤5mg1回投与)

代謝酵素[5]

チトクロームP-450分子種

主としてCYP3A4

相互作用[6]

本剤15mg/日にエリスロマイシン1,200mg/日を併用したところ、単独投与時に比べて、モサプリドの最高血漿中濃度は42.1ng/mLから65.7ng/mLに上昇し、半減期は1.6時間から2.4時間に延長し、AUC0〜4は62ng・h/mLから114ng・h/mLに増加した。(健康成人)

臨床成績

慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)

二重盲検比較試験[7]を含む総計435例についての臨床成績は次のとおりである。

対象疾患/症状改善率
慢性胃炎胸やけ74%(130/176)
悪心・嘔吐77%(150/196)

経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助

バリウム注腸X線造影検査の前処置におけるブラウン変法との比較試験[8]は、計99例を対象として実施された。その結果、本剤と経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)併用群の「右大腸バリウムの付着性スコア」及び「右大腸便残渣の量スコア」について、ブラウン変法群に劣らないことが確認された。

ブラウン変法群本剤とニフレック配合内用剤との併用群
右大腸バリウムの付着性スコア9.4±1.09.3±1.5
右大腸便残渣の量スコア9.2±1.510.8±1.6
平均値±標準偏差、各群46例スコア:右大腸(横行結腸、上行結腸、盲腸)の「バリウムの付着性」及び「便残渣の量」について、部位毎に5段階評価し、3部位の点数を合計したもの(最高:15点、最低:3点)。

薬効薬理

臨床薬理

健康成人[9]及び慢性胃炎患者[10]を対象とした胃排出試験において、本剤5mg1回投与で胃排出促進作用を示す。

上部消化管運動促進作用

胃、十二指腸運動促進作用[11]

用量依存的に、食後期の胃、十二指腸運動促進作用を示す(イヌ)。

胃排出促進作用[12]

液体物の胃排出促進作用(マウス、ラット)及び固形物の胃排出促進作用(ラット)を示す。なお、1週間の反復投与で胃排出促進作用は減弱する(ラット)。

下部消化管運動促進作用

結腸運動及び内容物輸送促進作用[13][14]

用量依存的に結腸運動及び内容物輸送促進作用を示す(モルモット)。

結腸内の洗浄増強効果及び水分重量減少作用(経口腸管洗浄剤併用時)[13]

経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)投与による結腸内の洗浄効果を増強し、さらに結腸内の水分重量を減少する(モルモット)。

.作用機序[11][12][14]

本剤は選択的なセロトニン5-HT4受容体アゴニストであり、消化管内在神経叢に存在する5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離の増大を介して上部及び下部消化管運動促進作用を示すと考えられている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名モサプリドクエン酸塩水和物
一般名(欧名)Mosapride Citrate Hydrate
化学名4-Amino-5-chloro-2-ethoxy-N-{[(2RS)-4-(4-fluorobenzyl)morpholin-2-yl]methyl}benzamide monocitrate dihydrate
分子式C21H25ClFN3O3・C6H8O7・2H2O
分子量650.05
性状白色〜帯黄白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。
分配係数9.1×102(クロロホルム/水系溶媒、pH7.0、室温)
KEGG DRUGD01994

包装

ガスモチン錠5mg

[PTP]100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)、1,050錠(21錠×50)

[バラ]1,000錠

ガスモチン錠2.5mg

[PTP]100錠(10錠×10)

ガスモチン散1%

[分包]300g(0.5g×600)

[バラ]100g、500g

主要文献


1. Sakashita,M.,et al.,  Arzneim.-Forsch./Drug Res.,  43,  867,  (1993) »PubMed
2. 降旗謙一,ほか,  診療と新薬,  46,  262,  (2009)
3. Matsumoto,S.,et al.,  Arzneim.-Forsch./Drug Res.,  43,  1084,  (1993) »PubMed
4. Matsumoto,S.,et al.,  Arzneim.-Forsch./Drug Res.,  43,  1095,  (1993) »PubMed
5. 大日本住友製薬資料:代謝酵素
6. 加藤貴雄,ほか,  臨床医薬,  15,  753,  (1999)
7. 三好秋馬,ほか,  臨床医薬,  14,  1037,  (1998)
8. 杉野吉則,ほか,  日本大腸検査学会雑誌,  25,  99,  (2008)
9. 金泉年郁,ほか,  日本平滑筋学会雑誌,  26,  161,  (1990) »J-STAGE
10. 須山哲次,ほか,  内科宝函,  40,  175,  (1993)
11. Yoshida,N.,et al.,  J.Pharmacol.Exp.Ther.,  257,  781,  (1991) »PubMed
12. 大日本住友製薬資料:薬効薬理
13. Mine,Y.,et al.,  J.Pharmacol.Sci.,  110,  415,  (2009) »PubMed
14. Inui,A.,et al.,  Jpn.J.Pharmacol.,  90,  313,  (2002) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2012年4月 改訂
2015年8月 第18版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
大日本住友製薬株式会社
541-0045
大阪市中央区道修町2-6-8
0120-034-389

お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
大日本住友製薬株式会社
541-0045
大阪市中央区道修町2-6-8
0120-034-389

業態及び業者名等

製造販売元
大日本住友製薬株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/5/22 版