医療用医薬品 : ベトネベート

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医薬品情報


総称名 ベトネベート
一般名 ベタメタゾン吉草酸エステル
欧文一般名 Betamethasone Valerate
製剤名 ベタメタゾン吉草酸エステル製剤
薬効分類名 外用副腎皮質ホルモン剤
薬効分類番号 2646
ATCコード C05AA05 D07AC01 D07XC01 S02BA07 S03BA03
KEGG DRUG
D01357 ベタメタゾン吉草酸エステル
KEGG DGROUP
DG00095 ベタメタゾン
DG01955 副腎皮質ステロイド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年7月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ベトネベート軟膏0.12% Betnevate Ointment 0.12% グラクソ・スミスクライン 2646701M2180 19.6円/g
ベトネベートクリーム0.12% Betnevate Cream 0.12% グラクソ・スミスクライン 2646701N2160 19.6円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染に伴う症状を悪化させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染するおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。]

4. 効能または効果

○湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
○皮膚そう痒症
○痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)
○虫さされ
乾癬
掌蹠膿疱症
扁平苔癬
○光沢苔癬
毛孔性紅色粃糠疹
ジベルバラ色粃糠疹
○紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)
○紅皮症(悪性リンパ腫による紅皮症を含む)
慢性円板状エリテマトーデス
○薬疹・中毒疹
○円形脱毛症(悪性を含む)
○熱傷(瘢痕、ケロイドを含む)
凍瘡
天疱瘡群
ジューリング疱疹状皮膚炎類天疱瘡を含む)
○痔核
○鼓室形成手術・内耳開窓術・中耳根治手術の術創

5. 効能または効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 大量又は長期にわたる広範囲の使用(特に密封法(ODT))により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること。[9.59.79.811.1参照]
8.2 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(妊娠ラット)で生存胎児数の低下が報告されている。[8.1参照]
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すとの報告がある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。[8.1参照]
9.8 高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)に際しては特に注意すること。一般に、副作用があらわれやすい。[8.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
眼圧亢進、緑内障、後のう白内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際し、あらわれることがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後のう白内障等があらわれることがある。[8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
皮膚の感染症注1)真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、ウイルス感染症
過敏症皮膚の刺激感、接触性皮膚炎、発疹
その他の皮膚症状注2)ステロイドざ瘡注3)、ステロイド酒さすなわち口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)、魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失
その他下垂体・副腎皮質系機能抑制注4)、中心性漿液性網脈絡膜症

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に治療以外の目的(化粧下、ひげそり後など)には使用しないよう注意すること。化粧下として連用すると顔が赤くなったり、つっぱったり、皮がむけたりという症状があらわれることがある。
14.2 薬剤投与時の注意
眼科用として使用しないこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ベタメタゾン吉草酸エステルは合成コルチコステロイドの一種であり、炎症性サイトカイン産生の抑制及びアラキドン酸代謝の阻害等のメカニズムを介して抗炎症作用を示すと考えられる。
18.2 局所抗炎症作用
皮膚血管収縮試験(McKenzieらの方法)において、ベタメタゾン吉草酸エステルは、ヒドロコルチゾン酢酸エステルの360倍、フルオシノロンアセトニドの3.6倍の強さを示している1)2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベタメタゾン吉草酸エステル

一般的名称 ベタメタゾン吉草酸エステル
一般的名称(欧名) Betamethasone Valerate
化学名 9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17-pentanoate
分子式 C27H37FO6
分子量 476.58
融点 約190℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはない。クロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
分配係数 (logP):4.8(pH7.1、1-オクタノール/水系)
KEGG DRUG D01357

22. 包装

<ベトネベート軟膏0.12%>
5g[1チューブ]×10、30g[1チューブ]
<ベトネベートクリーム0.12%>
5g[1チューブ]×10、30g[1チューブ]

23. 主要文献

  1. McKenzie AW, Arch.Dermatol., 86, 611-614, (1962)
  2. McKenzie AW,et al., Arch.Dermatol., 89, 741-746, (1964) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
グラクソ・スミスクライン株式会社 カスタマー・ケア・センター
東京都港区赤坂1-8-1
電話:0120-561-007(9:00〜17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)
URL:https://jp.gsk.com
製品情報問い合わせ先
グラクソ・スミスクライン株式会社 カスタマー・ケア・センター
東京都港区赤坂1-8-1
電話:0120-561-007(9:00〜17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)
URL:https://jp.gsk.com

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版