医療用医薬品 : トラベルミン

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医薬品情報


総称名 トラベルミン
一般名 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
ジプロフィリン
欧文一般名 Diphenhydramine Salicylate
Diprophylline
製剤名 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン配合錠
薬効分類名 鎮暈剤
薬効分類番号 1339
KEGG DRUG
D04261 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年4月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トラベルミン配合錠 Travelmin Combination Tablets アルフレッサファーマ 1339100F1038 6.1円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.2 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により、排尿困難、尿閉等があらわれるおそれがある。]

4. 効能または効果

下記の疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐・めまい

6. 用法及び用量

通常成人1回1錠を経口投与する。
必要により1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.2 てんかんの患者
中枢刺激作用によって発作を起こすおそれがある。
9.1.3 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 急性腎炎の患者
腎臓に対する負荷を高めるおそれがある。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。
ジフェンヒドラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められており1)、ヒトでは哺乳中の児において昏睡が認められたとの報告がある2)
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。
一般に高齢者では生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
フェノチアジン誘導体等
アルコール
本剤はジフェンヒドラミンサリチル酸塩を含有しているため、相互に作用を増強することがあるので、併用する場合は減量するなど慎重に投与すること。相加的に中枢神経抑制作用を増強する。
モノアミン酸化酵素阻害剤本剤はジフェンヒドラミンサリチル酸塩を含有しているため、相互に作用を増強することがあるので、併用する場合は減量するなど慎重に投与すること。本剤の解毒機構に干渉し、作用を遷延化し増強する。
他のキサンチン系薬剤
テオフィリン
アミノフィリン水和物
コリンテオフィリン
カフェイン水和物等
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等
本剤はジプロフィリンを含有しているため、過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症 発疹
循環器動悸 
精神神経系眠気、倦怠感、頭重感、めまい頭痛、神経過敏
消化器口渇悪心・嘔吐、下痢

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は、みくだくと苦味があり、舌のしびれ感があらわれることがあるので、まずに服用させること。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
国内総計448例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである。
17.1.1 動揺病
船酔い・車酔いなどの動揺病に対する有効率は91.55%(336/367)であった。
17.1.2 メニエール症候群
末梢性眩暈症、メニエール病などの眩暈症状に対する有効率は86.89%(53/61)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確でない。
18.2 興奮鎮静作用(迷路反応を鎮静する)
健康成人による実験的迷路刺激及び家兎を使った実験的迷路性平衡失調に対し、トラベルミンは著明な迷路反応鎮静作用を示した。また耳性眩暈(急性発作性眩暈)に使用し、有効性が認められている3)
18.3 興奮抑制作用(嘔吐中枢の興奮を抑える)
ジフェンヒドラミンは、イヌの実験において、悪心・嘔吐の原因となる嘔吐中枢に作用し、その興奮を抑制する作用を有することが認められている4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジフェンヒドラミンサリチル酸塩

一般的名称 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
一般的名称(欧名) Diphenhydramine Salicylate
化学名 2-benzhydroxy-N,N-dimethylethylamine salicylate
分子式 C17H21NO・C7H6O3
分子量 393.48
融点 107〜109℃
物理化学的性状 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は初めはないが、後にわずかに苦く舌を麻ひする。本品はメタノール、酢酸(100)又はアセトンに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。
本品は光によって徐々に変化する。
理化学知見その他 19.1 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
KEGG DRUG D02419

19.2. ジプロフィリン

一般的名称 ジプロフィリン
一般的名称(欧名) Diprophylline
化学名 7-(2,3-dihydroxypropyl)theophylline
分子式 C10H14N4O4
分子量 254.25
融点 160〜164℃
物理化学的性状 ジプロフィリンは白色の粉末又は粒で、においはなく、味は苦い。本品は水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
理化学知見その他 19.2 ジプロフィリン
KEGG DRUG D00691

20. 取扱い上の注意

アルミ袋開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. Dostal L.A.et al., J.Pharm.Sci., 78, 423-426, (1989)
  2. Ratner B., J.Pediatr., 30, 583-602, (1947) »PubMed
  3. 渡辺いさむら, 耳鼻咽喉科, 25, 1-4, (1953)
  4. 久本一与, 岡山医学会雑誌, 65, 145-154, (1953) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497
製品情報問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号
26.2 販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/11/19 版