医療用医薬品 : ブロメライン

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医薬品情報


総称名 ブロメライン
一般名 ブロメライン
欧文一般名 Bromelain
製剤名 ブロメライン軟膏
薬効分類名 壊死組織除去剤
薬効分類番号 3959
ATCコード D03BA03 M09AB03
KEGG DRUG
D03162 ブロメライン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ブロメライン軟膏5万単位/g Bromelain Ointment ジェイドルフ製薬 3959701M1035 16.6円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

熱傷・褥瘡・表在性各種潰瘍・挫傷・切開傷・切断傷・化膿創などの創傷面の壊死組織の分解、除去、清浄化およびそれに伴う治癒促進

6. 用法及び用量

ガーゼ、リントなどに適量の軟膏をのばし、潰瘍辺縁になるべく触れないようにして塗布。1日1回交換する。
創傷面が清浄化し、新生肉芽組織の再生が認められた場合は使用を中止する。

8. 重要な基本的注意

8.1 有効成分ブロメラインは蛋白分解酵素である。蛋白分解という主作用に基づいて、局所の疼痛、出血をみることがあるから、壊死組織が除去された後は使用を中止して、他の処置にかえること。
8.2 粘膜面には慎重に使用すること。蛋白分解作用に基づく刺激作用のため。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシーショック(頻度不明)
不快感、血圧低下、呼吸困難、全身紅潮等を起こすことがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満
使用部位出血(25.6%)、疼痛(16.3%)創縁のエロジオン、発赤、浮腫、紅斑・水疱、刺激感、そう痒感、皮膚炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 潰瘍面よりやや小さめのガーゼ、リントなどにうすくのばして用い、潰瘍辺縁に触れないように注意すること。
14.1.2 眼科用に使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
国内総計203例を対象とした、二重盲検比較試験を含む臨床試験における有効率は次のとおりであった1)2)3)4)5)6)7)8)9)
対象疾患名有効率(%)[有効以上]
熱傷77.7[94/121]
褥瘡88.9[16/18]
表在性各種潰瘍75.0[12/16]
挫滅傷、切開傷90.0[18/20]
化膿創73.3[11/15]
その他の壊死部84.6[11/13]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アルギニンとアラニン、アラニンとグルタミンのアミノ酸結合を加水分解することにより蛋白質を分解し、創傷面の壊死組織の分解・除去、清浄化に働く。
18.2 壊死組織除去作用
18.2.1 ウサギに実験的に作成した第3度火傷面にブロメライン軟膏5万単位/gを塗布した結果、良好な痂皮除去効果が認められた10)
18.2.2 ウサギ及びブタの実験的火傷にブロメラインの粉末をペースト状にして用いたところ、局所に損傷を与えることなく、壊死組織を除去でき、また全身的な障害も認められなかった11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブロメライン

一般的名称 ブロメライン
一般的名称(欧名) Bromelain
分子量 約33,000
物理化学的性状 淡黄色〜淡灰褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
水に大部分溶け、メタノール、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
理化学知見その他 パインアップルの果汁又は葉茎の搾汁より製したもので、たん白分解力がある酵素剤である。 等電点:pH9.55 至適pH:基質により異なるが、通常5〜7 活性化:SH型酵素といわれ、システイン、H2S、NaCNにより活性化され、Hg++、Agにより不活性化される。
KEGG DRUG D03162

20. 取扱い上の注意

未使用時はキャップをすること。

22. 包装

チューブ
20g×10

23. 主要文献

  1. 稲森啓三ら, 診療と新薬, 8 (5), 207-210, (1971)
  2. 小川 豊ら, 診療と新薬, 8 (5), 211-214, (1971)
  3. 安富 徹ら, 診療と新薬, 8 (5), 215-216, (1971)
  4. 川田 嘉二, ジェイドルフ製薬(株)社内資料
  5. 川崎茂喜ら, ジェイドルフ製薬(株)社内資料
  6. 村松 正久, ジェイドルフ製薬(株)社内資料
  7. 松本 忠夫, ジェイドルフ製薬(株)社内資料
  8. 西岡 五郎, ジェイドルフ製薬(株)社内資料
  9. 安西 喬ら, 形成外科, 15 (5), 456-462, (1972)
  10. 藤村 一ら, 基礎と臨床, 6 (12), 2576-2578, (1972)
  11. Klein,G.K.V., J.Maine Med.Assoc., 55, 169-171, (1964) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834
製品情報問い合わせ先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ジェイドルフ製薬株式会社
滋賀県甲賀市土山町北土山2739
26.2 販売
マルホ株式会社
大阪市北区中津1-5-22

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版