医療用医薬品 : スタデルム

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医薬品情報


総称名 スタデルム
一般名 イブプロフェンピコノール
欧文一般名 Ibuprofen Piconol
薬効分類名 非ステロイド系消炎・鎮痛外用剤
薬効分類番号 2649
ATCコード M01AE01
KEGG DRUG
D01122 イブプロフェンピコノール
KEGG DGROUP
DG00245 イブプロフェン
DG01504 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年10月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
スタデルム軟膏5% STADERM OINTMENT 5% 鳥居薬品 2649728M1070 11.1円/g
スタデルムクリーム5% STADERM CREAM 5% 鳥居薬品 2649728N1075 11.1円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

スタデルム軟膏5%
<軟膏>
急性湿疹、接触皮膚炎アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹
スタデルムクリーム5%
<クリーム>
急性湿疹、接触皮膚炎アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹尋常性ざ瘡

6. 用法及び用量

スタデルム軟膏5%
 効能又は効果用法及び用量
軟膏急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎本品の適量を1日数回患部に塗布する。
帯状疱疹本品の適量を1日1〜2回患部に貼布する。
スタデルムクリーム5%
 効能又は効果用法及び用量
クリーム急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎本品の適量を1日数回患部に塗布する。
帯状疱疹本品の適量を1日1〜2回患部に貼布する。
尋常性ざ瘡本品の適量を1日数回石鹸で洗顔後患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊娠中期以降の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。[16.6.2参照]
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜5%未満1%未満頻度不明
皮膚刺激感つっぱり感、そう痒感、症状の悪化、色素沈着接触皮膚炎(発疹、腫脹、水疱・びらん、熱感、鱗屑等)、膿疱、皮膚乾燥
血管障害 発赤 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
<製剤共通>
14.1.1 眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
<クリーム>
14.1.2 尋常性ざ瘡に使用する場合には、下記の点に注意すること。
・石鹸で洗顔後使用すること。
・膿疱の多発した重症例には他の適切な治療を行うことが望ましい。

16. 薬物動態

16.3 分布
ラット正常皮膚に、本品2mgを経皮投与したとき、皮膚内濃度は24時間後に最高値(539.83μg/g)を示し、血漿、肝、腎、膵では低く、いずれの時間も1μg/mL又は1μg/g以下であった1)
16.4 代謝
クリームを健康成人男子に1日30g(1日14時間、3日間)密封塗布した時の血中代謝物は、イブプロフェンとその代謝物の2-[p-(2-carboxypropyl)phenyl]propionic acid及び2-[p-(2-hydroxy-2-methylpropyl)phenyl]propionic acidであり、それらの血中濃度はいずれも0.4μg/mL以下であった。未変化体のイブプロフェンピコノールは検出されなかった。また、尿中へ排泄された代謝物は血中代謝物と同様であった2)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 妊婦
妊娠ラットに14C-イブプロフェンピコノールを経皮投与(損傷皮膚)又は皮下投与したとき、胎盤、羊水及び胎児中の濃度は、母獣の血漿中濃度より低かった3)
16.6.2 授乳婦
分娩後14〜16日目のラットに14C-イブプロフェンピコノールを皮下投与したとき、イブプロフェンとして比較的容易に乳汁中へ移行し、母獣の血漿中濃度より高い値を示した3)。[9.6参照]

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
比較試験及び一般試験を含む臨床試験の概要は次表のとおりである4)5)6)7)
疾患名使用方法使用期間改善率注)%(改善例/症例数)
軟膏クリーム
急性湿疹1日2〜3回
単純塗布
1週間64.8(35/54)50.6(39/77)
接触皮膚炎77.4(41/53)57.4(27/47)
アトピー皮膚炎3週間64.7(97/150)55.2(69/125)
慢性湿疹75.0(36/48)71.7(38/53)
酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎4〜8週間72.7(48/66)66.7(10/15)
帯状疱疹1日1〜2回
貼布
2〜3週間96.5(109/113)93.8(30/32)
尋常性ざ瘡1日2〜3回
石鹸洗顔後単純塗布
4〜8週間70.7(104/147)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
イブプロフェンピコノールの抗炎症作用は、血管透過性亢進の抑制、白血球遊走抑制、プロスタグランジン類の生合成阻害、血小板凝集抑制、肉芽増殖抑制等の機序に基づくと考えられている8)
18.2 抗炎症作用
軟膏及びクリームはラットのカラゲニン誘発皮膚浮腫に対して強い抑制作用を示した。また、モルモットの紫外線紅斑に対しても強い抑制作用を示した9)
18.3 鎮痛作用
軟膏及びクリームはラットのランダル・セリット法における鎮痛試験で、強い局所鎮痛作用を示した9)
18.4 リパーゼ活性抑制作用
本品は、in vitroにおいて、モルモット皮膚リパーゼ活性及びP.acnes由来リパーゼ活性について強い抑制作用を示した10)
18.5 実験的面皰に対する作用
クリームはウサギのテトラデカンによる実験的面皰において、毛孔部径拡大を抑制し、総脂質及びトリグリセリドの増加を有意に抑制した。また遊離脂肪酸の増加に対し抑制傾向を示した10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. イブプロフェンピコノール

一般的名称 イブプロフェンピコノール
一般的名称(欧名) Ibuprofen Piconol
化学名 Pyridin-2-ylmethyl(2RS)-2-[4-(2-methylpropyl)phenyl]propanoate
分子式 C19H23NO2
分子量 297.39
物理化学的性状 無色〜微黄色澄明の液で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。メタノール、エタノール(95)、アセトン又は酢酸(100)と混和する。水にほとんど溶けない。光により分解する。旋光性は示さない。
沸点 約178℃(減圧0.13kPa)
分配係数 クロロホルム/水∞(pH7.0、Britton-Robinson緩衝液)
理化学知見その他 粘度:約43mm2s−1(20℃)
KEGG DRUG D01122

22. 包装

<スタデルム軟膏5%>
アルミチューブ(10g×10、10g×50)
プラスチック容器(100g、500g)
<スタデルムクリーム5%>
アルミチューブ(10g×10、10g×50)
プラスチック容器(100g、500g)

23. 主要文献

  1. 矢野忠則ほか, 応用薬理, 23 (5), 669-686, (1982)
  2. 笹井陽一郎ほか, 薬理と治療, 9 (9), 3607-3615, (1981)
  3. 矢野忠則ほか, 応用薬理, 23 (5), 687-690, (1982)
  4. 占部治邦ほか, 西日本皮膚科, 44 (2), 213-224, (1982) »DOI
  5. 外松茂太郎ほか, 基礎と臨床, 16 (5), 2879-2886, (1982)
  6. 竹村 司ほか, 基礎と臨床, 19 (3), 1807-1814, (1985)
  7. 早川律子ほか, 西日本皮膚科, 47 (5), 899-908, (1985) »DOI
  8. 辻 正義ほか, 応用薬理, 23 (4), 553-566, (1982)
  9. 辻 正義ほか, 応用薬理, 23 (4), 567-576, (1982)
  10. 谷口恭章ほか, 西日本皮膚科, 47 (5), 888-898, (1985) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
電話:0120-316-834
FAX:03-3231-6890
製品情報問い合わせ先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
電話:0120-316-834
FAX:03-3231-6890

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鳥居薬品株式会社
東京都中央区日本橋本町3-4-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版