医療用医薬品 : グリチロン

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医薬品情報


総称名 グリチロン
一般名 グリチルリチン酸一アンモニウム, グリシン, アミノ酢酸, DL-メチオニン
欧文一般名 Monoammonium glycyrrhizinate, Glycine, Aminoacetic acid, DL-Methionine
製剤名 グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠
薬効分類名 肝臓疾患用剤, アレルギー用薬
薬効分類番号 3919 4490
KEGG DRUG D04993 グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・DL-メチオニン
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2016年4月 改訂 (第12版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
グリチロン配合錠 GLYCYRON Tablets ミノファーゲン製薬 3919100F1150 5.7円/錠

禁忌

次の患者には投与しないこと

アルドステロン症の患者、ミオパシーのある患者、低カリウム血症の患者[低カリウム血症、高血圧症等を悪化させるおそれがある]

血清アンモニウム値の上昇傾向にある末期肝硬変症の患者[本剤に含まれるDL-メチオニンの代謝物が尿素合成を抑制し、アンモニア処理能を低下させるおそれがある]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

慢性肝疾患における肝機能異常の改善

湿疹・皮膚炎、小児ストロフルス、円形脱毛症、口内炎

用法用量

通常、成人には1回2〜3錠、小児には1錠を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

高齢者[低カリウム血症等の発現率が高い](「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

甘草を含有する製剤との併用は、本剤に含まれるグリチルリチン酸が重複し、偽アルドステロン症があらわれやすくなるので注意すること。

相互作用

併用注意

ループ利尿剤
エタクリン酸、
フロセミド等
チアジド系およびその類似降圧利尿剤
トリクロルメチアジド、
クロルタリドン等
低カリウム血症(脱力感、筋力低下等)があらわれるおそれがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を行うなど十分に注意すること。これらの利尿作用が、本剤に含まれるグリチルリチン酸のカリウム排泄作用を増強し、血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
モキシフロキサシン塩酸塩心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。本剤が有するカリウム排泄作用により血清カリウム濃度が低下すると、モキシフロキサシン塩酸塩による心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長が発現するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤の慢性肝疾患における二重盲検試験1)107例中7例(6.5%)に副作用が認められた。主なものは血清カリウム値の低下2件(1.9%)、血圧上昇2件(1.9%)、腹痛2件(1.9%)等であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

偽アルドステロン症(頻度不明)

低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、尿量減少、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
また、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺等の横紋筋融解症の症状があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中および尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満
体液・電解質血清カリウム値の低下
循環器血圧上昇
その他腹痛、頭痛

高齢者への投与

臨床での使用経験において、高齢者に低カリウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等への投与に関する安全性は確立していないので、これらの患者には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている]

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている]

薬物動態

ヒトにおける薬物動態

血中濃度

健康成人に本剤4錠(グリチルリチン酸100mg含有)を経口投与した場合、血中グリチルリチン酸濃度は誤差範囲で明確にできなかったが、グリチルリチン酸の加水分解物グリチルレチン酸は、濃度のピークが2回あらわれ、第1のピークは1〜4時間、第2のピークは10〜24時間であらわれた2)

(注)本剤の承認用量は1回最大3錠(グリチルリチン酸75mg)である。

尿中排泄

健康成人に本剤を経口投与した場合、10時間までの尿中にはグリチルリチン酸、グリチルレチン酸のいずれもほとんど検出されなかった2)

(参考)動物における薬物動態

吸収

マウスに3H-グリチルリチン酸を用いて調製した本剤を経口投与した場合、血中濃度は1時間後に最高値に達し、以後ゆるやかに減少し6時間後最高値の59%を示した。投与12時間後に血中濃度の再上昇が認められた後は、徐々に減少した3)

分布

マウスに3H-グリチルリチン酸を経口投与した場合、10分後には採取した臓器すべてに分布が認められた。最も分布の多い臓器は肝臓で、投与後2時間で最高となり、この時点で投与3H-グリチルリチン酸の2.8%を示し、以下、肺、腎、心臓、副腎の順であった3)

臨床成績

慢性肝炎についての二重盲検比較試験1)

国内19施設における慢性肝炎224例に対して本剤1日9錠、連日12週間経口投与を行った二重盲検比較試験の成績は、次のとおりで、本剤投与群はプラセボ群に比し有意に肝機能の改善が認められた。

薬剤\有効率(%)有効以上やや有効以上
本剤投与群22.3%(23/103)46.6%(48/103)
プラセボ群11.8%(12/102)27.5%(28/102)

一般臨床試験

各種アレルギー性疾患・炎症性疾患に対する臨床試験の有効率は次のとおりである。

疾患名\有効率(%)有効以上やや有効以上
湿疹60.2%(133/221)83.7%(185/221)
皮膚炎72.0%(77/107)89.7%(96/107)
小児ストロフルス58.3%(28/48)81.3%(39/48)
円形脱毛症56.7%(131/231)73.6%(170/231)
口内炎82.3%(107/130)86.9%(113/130)

薬効薬理

抗炎症作用

抗アレルギー作用

グリチルリチン酸は、ウサギにおけるアルツス反応抑制4)5)およびシュワルツマン反応抑制5)等の抗アレルギー作用を有する。また、コルチゾンの作用に対し、ストレス反応抑制作用を増強、抗肉芽作用および胸腺萎縮作用に拮抗的に作用し、抗浸出作用に対しては影響を及ぼさなかった6)

アラキドン酸代謝系酵素の阻害作用

グリチルリチン酸は、アラキドン酸代謝系の初発酵素であるホスホリパーゼA27)8)とアラキドン酸から炎症性ケミカルメディエーターを産生するリポキシゲナーゼ9)に直接結合する。グリチルリチン酸は、これらの酵素のリン酸化を介する活性化を選択的に阻害する8)9)

免疫調節作用

グリチルリチン酸は、in vitroの実験系において、(1)T細胞活性化調節作用10)、(2)インターフェロン-γ誘起作用11)、(3)NK細胞活性化作用12)、(4)胸腺外Tリンパ球分化増強作用13)等の作用が示されている。

実験的肝細胞障害抑制作用

グリチルリチン酸は、ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系で、四塩化炭素による肝細胞障害を抑制することが示されている14)

肝細胞増殖促進作用

グリチルリチン酸、ならびにグリチルレチン酸は、ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系において、肝細胞の増殖促進作用を有することが示されている15)

ウイルス増殖抑制・不活化作用

マウスでのMHV(マウス肝炎ウイルス)の感染実験で、グリチルリチン酸投与により生存日数の延長が認められ、また、ウサギにおけるワクシニアウイルス発痘の阻止実験で発痘を抑制した16)。また、in vitroの実験系で、ヘルペスウイルス等の増殖抑制・不活化作用が示されている17)18)

グリシンおよびDL-メチオニンは、ラットのグリチルリチン酸経口投与によりみられた尿量およびナトリウム排泄量の減少を抑制することが報告されている19)

有効成分に関する理化学的知見

一般名グリチルリチン酸一アンモニウム
一般名(欧名)Monoammonium glycyrrhizinate
化学名Monoammonium of 20β-carboxy-11-oxo-30-norolean-12-en-3β-yl-2-O-β-D-glucopyranuronosyl-β-D-glucopyranosiduronic acid
分子式C42H65NO16
分子量839.96
性状白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、特有の甘味を有する。熱水、熱希エタノール、アンモニア試液には溶けやすく、熱氷酢酸にはやや溶けにくく、冷水には溶けにくく、クロロホルム、無水エタノールには極めて溶けにくい。吸湿性である。
KEGG DRUGD04987

有効成分に関する理化学的知見

一般名グリシン
一般名アミノ酢酸
一般名(欧名)Glycine
一般名(欧名)Aminoacetic acid
KEGG DRUGD00011

有効成分に関する理化学的知見

一般名DL-メチオニン
一般名(欧名)DL-Methionine
化学名2-Amino-4-(methylthio)butyric acid
分子式C5H11NO2S
分子量149.21
性状白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、わずかに甘味がある。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。希塩酸に溶ける。
KEGG DRUGD04983

包装

100錠(PTP)、500錠(PTP)、1,000錠(バラ)、2,100錠(PTP)

主要文献


1. 矢野右人 ほか,  臨牀と研究,  66,  2629,  (1989)
2. 中野直子 ほか,  薬理と治療,  8,  4171,  (1980)
3. 三宅輝明 ほか,  Minophagen Med.Rev.,  24,  263,  (1979)
4. 市川 收 ほか,  ミノファーゲン研究部報告,   (160),  (1950)
5. 畔柳武雄,  Minophagen Med.Rev.,  12,  29,  (1967)
6. 熊谷 朗,  代謝,  10 (臨時増刊号),  632,  (1973)
7. 沖増英治 ほか,  医学のあゆみ,  122,  174,  (1982)
8. Ohtsuki,K.,et al.,  Biol.Pharm.Bull.,  21,  574,  (1998) »PubMed »DOI
9. Shimoyama,Y.,et al.,  FEBS Lett.,  391,  238,  (1996) »PubMed »DOI
10. Zhang,Y.,et al.,  Immunol.Lett.,  32,  147,  (1992) »PubMed »DOI
11. Abe,N.,et al.,  Microbiol.Immunol.,  26,  535,  (1982) »PubMed »DOI
12. 熊谷勝男,  Minophagen Med.Rev.,  Suppl.17,  21,  (1987)
13. Kimura,M.,et al.,  Biotherapy,  5,  167,  (1992) »PubMed »DOI
14. ヒキノヒロシ,  薬学雑誌,  105,  109,  (1985) »J-STAGE
15. Kimura,M.,et al.,  Eur.J.Pharm.,  431,  151,  (2001) »PubMed »DOI
16. 飯島 登 ほか,  Minophagen Med.Rev.,  15,  121,  (1970)
17. Pompei,R.,et al.,  Nature,  281,  689,  (1979) »PubMed »DOI
18. Baba,M.,et al.,  Antiviral Res.,  7,  99,  (1987) »PubMed »DOI
19. 森 武雄 ほか,  応用薬理,  34,  293,  (1987)

作業情報


改訂履歴

2011年6月 改訂
2016年4月 改訂 (第12版)

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EAファーマ株式会社
104-0042
東京都中央区入船二丁目1番1号
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業態及び業者名等

製造販売元
株式会社ミノファーゲン製薬
東京都新宿区西新宿3-2-11

販売元
EAファーマ株式会社
東京都中央区入船二丁目1番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2022/9/21 版