医療用医薬品 : キャベジン

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医薬品情報


総称名 キャベジン
一般名 メチルメチオニンスルホニウムクロリド
欧文一般名 Methylmethionine Sulfonium Chloride
製剤名 メチルメチオニンスルホニウムクロリド・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・沈降炭酸カルシウム・炭酸マグネシウム配合散
薬効分類名 消化性潰瘍・胃炎治療剤
薬効分類番号 2329
KEGG DRUG
D08704 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・メチルメチオニンスルホニウムクロリド・炭酸マグネシウム・沈降炭酸カルシウム
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2021年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
キャベジンUコーワ配合散 CABAGIN-U KOWA Combination Powder 興和 2329125B1034 6.1円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症のある患者[高カルシウム血症を起こすことがある。]
2.2 透析療法を受けている患者[9.2.1参照]
2.3 テトラサイクリン系抗生物質を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善

6. 用法及び用量

通常成人1回1.0〜1.5gを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心機能障害のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 肺機能障害のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 高マグネシウム血症のある患者
高マグネシウム血症を悪化させるおそれがある。
9.1.4 高カルシウム血症のある患者
高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。
9.1.5 リン酸塩低下のある患者
アルミニウムにより無機リンの吸収が阻害される。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析療法を受けている患者
投与しないこと。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある。[2.2参照]
9.2.2 腎機能障害患者(透析療法を受けている患者を除く)
定期的に血中マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。高カルシウム血症、高マグネシウム血症、長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
(アクロマイシン)
デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩
(レダマイシン)
ドキシサイクリン塩酸塩水和物
(ビブラマイシン)
ミノサイクリン塩酸塩
(ミノマイシン)
2.3参照]
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがある。2価、3価の金属と難溶性のキレートを形成し、消化管からの吸収を阻害する。
10.2 併用注意
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の制酸剤を含有しているため、吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇により、併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。
ニューキノロン系抗菌剤
エノキサシン水和物
ノルフロキサシン
オフロキサシン等
ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤
エチドロン酸二ナトリウム
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。キレートを形成し、これらの薬剤の吸収が阻害されると考えられる。
甲状腺ホルモン剤
レボチロキシンナトリウム水和物等
胆汁酸製剤
ウルソデオキシコール酸
ケノデオキシコール酸
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
ジフルニサル
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害されると考えられている。
鉄剤
硫酸鉄水和物
フマル酸第一鉄等
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。本剤による胃内pHの上昇及び難溶性塩形成により、これらの薬剤の吸収が阻害されるとの報告がある。
活性型ビタミンD3製剤
アルファカルシドール
カルシトリオール
高カルシウム血症及び高マグネシウム血症があらわれやすくなるので、注意すること。これらの薬剤が腸管でのカルシウム及びマグネシウムの吸収を促進させることが考えられる。
キニジン硫酸塩水和物等排泄を遅延させることがあるので注意すること。制酸剤との併用で、尿のpHが上昇し、排泄に影響を与えることがある。
クエン酸製剤
クエン酸カリウム
クエン酸ナトリウム水和物等
血中アルミニウム濃度が上昇することがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。キレートを形成し、アルミニウムの吸収が促進されると考えられる。
血清カリウム抑制イオン交換樹脂
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
アルカローシスがあらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。本剤の金属カチオンとイオン交換樹脂が結合することにより、腸管内に分泌された重炭酸塩が中和されずに再吸収されるためと考えられる。
牛乳、乳製品
カルシウム製剤
milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。機序は不明であるが血清カルシウムの上昇と本剤による血中pHの上昇が関与すると考えられる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹等
皮膚かゆみ
消化器悪心・嘔吐、便秘、下痢、口渇、おくび等
代謝異常注)高マグネシウム血症、高カルシウム血症
長期投与注)アルミニウム脳症、アルミニウム骨症

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
二重盲検比較試験を含む胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎248例の総有効率は60.9%(151/248例)であった1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
メチルメチオニンスルホニウムクロリドの詳細な機序は明確ではないが、胃粘液量増加、胃血流量増加等による潰瘍抑制作用を示す。メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムは制酸作用を示す。
18.2 メチルメチオニンスルホニウムクロリドの各種実験潰瘍、胃粘膜損傷、胃血流に対する作用
18.2.1 実験潰瘍(酢酸、clamping)を抑制し、胃粘膜組織ムコ多糖成分の分解を防止(β-グルクロニダーゼ活性及びN-アセチル-β-グルコサミニダーゼ活性の抑制)する(ラット)。
18.2.2 実験潰瘍(エタノール、塩酸エタノール、塩酸アスピリン)における胃粘膜損傷を抑制する。インドメタシン前処理ではこれらの作用は低下する2)(ラット)。
18.2.3 実験潰瘍(エタノール)に対して胃粘膜表層部の粘液糖蛋白量を増加・保持させる3)(ラット)。
18.2.4 胃切除後の残胃粘膜の変性防止を認め、上皮の再生、粘液分泌を認める4)(イヌ)。
18.2.5 胃血流を増加させる5)(イヌ)。
18.3 メチルメチオニンスルホニウムクロリドと制酸剤(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・沈降炭酸カルシウム・炭酸マグネシウム)の配合意義
実験潰瘍(インドメタシン)を抑制し、上記制酸剤配合による協力効果が認められる6)(ラット)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. メチルメチオニンスルホニウムクロリド

一般的名称 メチルメチオニンスルホニウムクロリド
一般的名称(欧名) Methylmethionine Sulfonium Chloride
化学名 (3-Amino-3-carboxypropyl)dimethylsulfonium chloride
分子式 C6H14ClNO2S
分子量 199.70
融点 約140℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→20)のpHは4.0〜5.0である。水溶液(1→50)は旋光性を示さない。また、吸湿性である。
理化学知見その他 メチルメチオニンスルホニウムクロリド
KEGG DRUG D00177

19.2.

物理化学的性状 乾燥したものは白色の粉末又は粒で、におい及び味はない。乾燥したものは水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。乾燥したもの1gを希塩酸10mLと加熱するとき、大部分溶ける。
理化学知見その他 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

19.3.

物理化学的性状 白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
理化学知見その他 沈降炭酸カルシウム

19.4.

物理化学的性状 白色のもろい塊又は粉末で、においはない。水、エタノール(95)、1-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に泡立って溶ける。飽和水溶液はアルカリ性である。
理化学知見その他 炭酸マグネシウム

20. 取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

バラ
1kg(アルミ袋、乾燥剤入り)
分包
1g×1050包(3包×7×50)

23. 主要文献

  1. 田中昭平他, 薬理と治療, 5, 2947-62, (1977)
  2. 岡部進他, Ther Res., 17, 3663-9, (1996)
  3. Watanabe T,et al., Dig Dis Sci., 41, 49-54, (1996) »PubMed
  4. 赤木正信他, 新薬と臨床, 14, 887-90, (1965)
  5. 佐島敬清他, 基礎と臨床, 11, 3182-6, (1977)
  6. 吉中康展他, 応用薬理, 21, 921-5, (1981)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
興和株式会社 くすり相談センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話:0120-508-514
03-3279-7587
製品情報問い合わせ先
興和株式会社 くすり相談センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話:0120-508-514
03-3279-7587

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
興和株式会社
東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/05/22 版