医療用医薬品 : エンペシド

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医薬品情報


総称名 エンペシド
一般名 クロトリマゾール
欧文一般名 Clotrimazole
製剤名 クロトリマゾールクリーム
薬効分類名 抗真菌剤
薬効分類番号 2655
ATCコード D01AC01
KEGG DRUG
D00282 クロトリマゾール
KEGG DGROUP
DG01883 イミダゾール系抗真菌薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エンペシドクリーム1% Empecid cream 1% バイエル薬品 2655700N1176 12.3円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記の皮膚真菌症の治療
足部白癬汗疱状白癬、趾間白癬)、頑癬、斑状小水疱性白癬
指間糜爛症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、皮膚カンジダ症、爪囲炎
癜風

6. 用法及び用量

1日2〜3回患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
皮膚発赤・紅斑、局所の刺激感、丘疹、びらん皮膚炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム、ペッサリー等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
14.2.2 著しいびらん面には使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人5例で前腕手掌側の無傷皮膚表面200cm214C-クロトリマゾールの1%含有クリーム800mgを塗布し、6時間密封包帯した後洗浄し、48時間にわたって血中濃度を測定した場合、いずれの時点においても測定限界(0.001μg/mL)以下である1)(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 皮膚浸透性
健康成人の鼠径部皮膚200cm214C-クロトリマゾールの1%含有クリーム800mgを塗布し、6時間及び24時間密封包帯した後、皮膚の各層の濃度を測定した場合、次のとおりである2)(外国人データ)。
密封時間角質層(上層)(μg/cm3表皮(μg/cm3網状層(μg/cm3皮下組織(μg/cm3
6時間>100030-2000.5-30<0.1
24時間>100040-4000.5-40<0.1

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
二重盲検比較試験を含めて、総計865例について実施された臨床試験の概要は次のとおりであった3)4)。なお、足部白癬、頑癬、斑状小水疱性白癬、指間縻爛症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、癜風では二重盲検比較試験により有用性が認められている。
 白癬
効能・効果足部白癬頑癬斑状小水疱性白癬
有効率70.2%(144/205)92.5%(173/187)85.4%(41/48)81.4%(358/440)
 カンジダ症
効能・効果指間糜爛症間擦疹乳児寄生菌性紅斑皮膚カンジダ症
有効率92.5%(62/67)90.8%(79/87)97.6%(169/173)89.2%(33/37)
 カンジダ症癜風
効能・効果爪囲炎癜風
有効率60.0%(12/20)92.4%(355/384)92.7%(38/41)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
クロトリマゾールは真菌細胞の細胞膜、核膜等の膜系構造のリン脂質分子に特異的親和性を持って結合し、その透過性を変化させ、抗真菌作用を示す5)6)
18.2 抗真菌作用
クロトリマゾールは皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、酵母類(Candida属)及び癜風菌(Malassezia furfur)に優れた抗真菌作用を有する7)8)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロトリマゾール

一般的名称 クロトリマゾール
一般的名称(欧名) Clotrimazole
化学名 1-[(2-Chlorophenyl)(diphenyl)methyl]-1H-imidazole
分子式 C22H17ClN2
分子量 344.84
融点 142〜145℃
物理化学的性状 本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品はジクロロメタン又は酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00282

22. 包装

10g[10チューブ]
10g[20チューブ]
10g[50チューブ]

23. 主要文献

  1. Duhm B, Arzneim-Forsch., 22, 1276-1280, (1972) »PubMed
  2. Patzschke K, Broad-Spectrum Antimycotic Canesten Experience and Outlook., 20, (1975)
  3. 名嘉真武男, 西日本皮膚科, 34, 733-740, (1972) »DOI
  4. 安江厚子他, 皮膚科紀要, 67, 175-179, (1972)
  5. 岩田和夫他, 日本細菌学雑誌, 28, 513-521, (1973) »DOI
  6. 山口英世他, 日本細菌学雑誌, 29, 379-385, (1974) »DOI
  7. Plempel M,et al., Arzneim-Forsch., 22, 1280-1289, (1972) »PubMed
  8. 宗義朗他, 真菌と真菌症, 21, 143-150, (1980) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
バイエル薬品株式会社 メディカルインフォメーション
〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号
文献請求先
製品情報問い合わせ先
バイエル薬品株式会社
電話:0120-106-398
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版