医療用医薬品 : アルロイド

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医薬品情報


総称名 アルロイド
一般名 アルギン酸ナトリウム
欧文一般名 Sodium Alginate
製剤名 アルギン酸ナトリウム液
薬効分類名 消化性潰瘍用剤
薬効分類番号 2329
ATCコード A02BX13
KEGG DRUG
D03336 アルギン酸ナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年5月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アルロイドG内用液5% Alloid G Oral Solution 5% カイゲンファーマ 2329116S1094 1.04円/mL

4. 効能または効果

○下記疾患における止血及び自覚症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、びらん性胃炎
逆流性食道炎における自覚症状の改善
○胃生検の出血時の止血

6. 用法及び用量

効能・効果用法・用量
胃・十二指腸潰瘍及びびらん性胃炎における止血及び自覚症状の改善並びに逆流性食道炎における自覚症状の改善アルギン酸ナトリウムとして、通常1回1〜3gを1日3〜4回、空腹時に経口投与する。
経口投与が不可能な場合には、ゾンデで経鼻的に投与する。年齢、症状により適宜増減する。
胃生検の出血時の止血アルギン酸ナトリウムとして、通常1回0.5〜1.5gを経内視鏡的に投与するか、1回1.5gを経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
消化器下痢、便秘

16. 薬物動態

16.2 吸収
アルギン酸ナトリウムの吸収は極めて小さい(ラット)1)
16.5 排泄
14Cで標識したアルギン酸ナトリウムをラットに経口投与し17時間経過中の14Cを測定した結果、糞中85〜91%、尿中0.11〜0.16%、呼気中(CO2)0.21〜0.42%、血漿中0.002〜0.007%であった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
国内10施設で総計261例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである2)3)4)5)6)7)8)
17.1.1 国内臨床成績(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃・十二指腸潰瘍及びびらん性胃炎に対する止血効果)
胃潰瘍に対しては有効率90.6%(77/85)2)3)4)5)、十二指腸潰瘍及び胃・十二指腸潰瘍に対しては有効率81.6%(31/38)2)3)4)5)、びらん性胃炎に対しては有効率78.9%(15/19)2)4)5)を示した。
17.1.2 国内臨床成績(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃・十二指腸潰瘍、びらん性胃炎及び逆流性食道炎に対する自覚症状の改善効果)
胃潰瘍に対しては有効率86.0%(37/43)3)、十二指腸潰瘍及び胃・十二指腸潰瘍に対して有効率72.0%(18/25)3)、食道炎に対しては有効率74.1%(43/58)3)6)7)8)を示した。
17.1.3 国内臨床成績(胃生検の出血時の止血効果)
胃生検の出血時の止血に対しては、有効率90.0%(18/20)を示した3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
消化管(胃・十二指腸及び食道)粘膜に付着することにより、胃液等の攻撃因子から粘膜を保護する。また、消化管出血部位を被覆し、血液凝固を促進させる9)10)11)12)13)
18.2 粘膜保護作用
18.2.1 ラットの摘出胃及び家兎の摘出食道を用いたin vitroの実験でアルギン酸ナトリウムは、胃、食道に持続的に付着し攻撃因子による消化を有意に抑制した9)
18.2.2 ラットによる実験でアルギン酸ナトリウムは胃びらん部及び出血部を被覆し粘膜からの組織の崩壊を抑制した9)
18.3 止血作用
18.3.1 ラットによる実験で、アルギン酸ナトリウムは胃バイオプシーによる出血に対して出血時間を短縮させた10)
18.3.2 in vitroの実験で血小板凝集11)、赤血球凝集12)、フィブリン形成促進13)などにより止血を促進させた。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アルギン酸ナトリウム

一般的名称 アルギン酸ナトリウム
一般的名称(欧名) Sodium Alginate
分子式 (C6H7O6Na)n
物理化学的性状 白色〜帯黄灰白色の粉末でにおい及び味はなく、エタノール、クロロホルム及びエーテルにはほとんど溶けない。
水に膨潤して徐々に溶け粘性の高い液となる。
KEGG DRUG D03336

20. 取扱い上の注意

20.1 外箱開封後は、遮光して保存すること。
20.2 ボトル開封後は、冷所に保存すること。

22. 包装

200mL×10本(プラスチックボトル)
600mL×5本(プラスチックボトル)

23. 主要文献

  1. Humphreys ER et al., Nature, 219, 1172-1173, (1968)
  2. 市橋秀仁ほか, 日本臨床外科医学会雑誌, 40 (6), 1169-1172, (1979) »DOI
  3. 岡田昌之ほか, 診療と新薬, 17 (4), 817-830, (1980)
  4. 隅井浩治ほか, 診療と新薬, 19 (5), 1245-1249, (1982)
  5. 長尾房大ほか, 消化器内視鏡治療, 197-201, (1983), (朝倉書店)
  6. 大坂道敏ほか, 診療と新薬, 17 (1), 161-164, (1980)
  7. 沢田洋一ほか, 診療と新薬, 17 (2), 441-445, (1980)
  8. 本郷道夫, 基礎と臨床, 16 (10), 5259-5262, (1982)
  9. 醍醐皓二ほか, 薬学雑誌, 101 (5), 452-457, (1981) »DOI
  10. 醍醐皓二ほか, 薬学雑誌, 101 (5), 458-462, (1981) »DOI
  11. 醍醐皓二ほか, 薬学雑誌, 105 (2), 171-182, (1985) »DOI
  12. 醍醐皓二ほか, 薬学雑誌, 102 (6), 573-578, (1982) »DOI
  13. 醍醐皓二ほか, 薬学雑誌, 101 (5), 464-469, (1981) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
カイゲンファーマ株式会社 信頼性保証部 お客様相談室
〒541-0045 大阪市中央区道修町二丁目5番14号
電話:06-6202-8975
FAX:06-6202-0872
製品情報問い合わせ先
カイゲンファーマ株式会社 信頼性保証部 お客様相談室
〒541-0045 大阪市中央区道修町二丁目5番14号
電話:06-6202-8975
FAX:06-6202-0872

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
カイゲンファーマ株式会社
大阪市中央区道修町二丁目5番14号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版