出血部位が表面に限局され、局所の処置で止血する場合、とくに結紮困難な細小血管の出血、実質臓器の出血など。
必要に応じて所要量を創面に撒布し、乾いたガーゼ又は生理食塩水を浸したガーゼ又は脱脂綿にて短時間押さえる。
8.1 本剤は殺菌作用を持たないので、感染の可能性が高い場合には、適切な処置を考慮すること。
8.2 視神経及び視束交叉の周囲には慎重に投与すること。圧迫により視力障害を起こすことがある。
8.3 創面への使用にあたっては癒合を妨げる可能性があるので、必要最小限に使用し、過量に使用しないこと。
8.4 膨張による圧迫が正常な機能を妨げる可能性があるので、創腔又は組織の間隙に使用する場合には、詰めすぎないように留意すること。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績(子宮頚上皮内腫瘍における円錐切除術に対する止血及び創傷治癒効果)
子宮頸上皮内腫瘍に対して行ったメス及びCO
2レーザーによる円錐切除術41例(メス19例、CO
2レーザー22例)について検討した。メスでは「酸化セルロース綿」を対照薬剤とし、CO
2レーザーではアルト非投与群との比較で、アルトの止血並びに創傷治癒効果を検討した結果、副作用は認められず対照薬剤に比べ有用であると思われた
2)。
17.1.2 国内臨床成績(産婦人科領域の出血性疾患に対する止血効果)
産婦人科領域の出血性疾患30例に止血目的でアルト原末0.5gを一週間以内で用いたところ、本剤に起因すると思われる副作用は全例に認められず、有効率は93.3%(症例30例中28例)であった
3)。
開栓後は直ちに使用し、開栓後の未使用分は微生物汚染を防ぐため使用しないことが好ましい。