医療用医薬品 : ミルマグ

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医薬品情報


総称名 ミルマグ
一般名 水酸化マグネシウム
製剤名 水酸化マグネシウム製剤
薬効分類名 緩下・制酸剤
薬効分類番号 2344 2355
ATCコード A02AA04
KEGG DRUG
D00731 水酸化マグネシウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミルマグ内用懸濁液7.2% MILMAG oral suspension 7.2% エムジーファーマ 2344003S2024 1.4円/mL

4. 効能または効果

○下記疾患における制酸作用と症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
○便秘症

6. 用法及び用量

効能・効果用法・用量
制酸剤水酸化マグネシウムとして、通常成人、1日0.9〜2.4gを数回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
緩下剤水酸化マグネシウムとして、通常成人、1日0.9〜2.1gを頓用又は数回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は塩類下剤のため、緩下剤として投与の際、できるだけ多くの水(約180mL)を飲むとより効果的である。
7.2 1日あたりの製剤量は以下のとおりである。
効能・効果1日投与量
制酸剤12〜31mL
緩下剤12〜27mL

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心機能障害のある患者
徐脈を起こすおそれがある。
9.1.2 下痢のある患者
緩下作用があるので、下痢を悪化させるおそれがある。
9.1.3 高マグネシウム血症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
マグネシウムの排泄が阻害され貯留を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
テトラサイクリン系抗生物質
・テトラサイクリン
・ミノサイクリン等
ニューキノロン系抗菌剤
・シプロフロキサシン
・トスフロキサシン等
ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤
・エチドロン酸二ナトリウム
・リセドロン酸ナトリウム等
併用薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。併用薬剤と錯体を形成し、併用薬剤の吸収を阻害する。
セフジニル
デラビルジン
ペニシラミン
併用薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。機序不明
ロスバスタチン
ガバペンチン
併用薬剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。機序不明
セレコキシブ併用薬剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。機序不明
ミコフェノール酸モフェチル併用薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがある。機序不明
アジスロマイシン
ラベプラゾール
併用薬剤の血中濃度が低下するとの報告がある。機序不明
ジギタリス製剤
・ジゴキシン等
フェキソフェナジン
併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、同時に服用させないなど注意すること。消化管内で本剤と吸着することにより併用薬剤の吸収が阻害されると考えられる。
鉄剤併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、同時に服用させないなど注意すること。本剤による胃内pHの上昇及び難溶性塩形成により、併用薬剤の吸収が阻害されると考えられる。
ポリカルボフィルカルシウム併用薬剤の効果が減弱するおそれがある。併用薬剤は酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。
高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
・ポリスチレンスルホン酸カルシウム
併用薬剤の効果が減弱するおそれがある。併用により全身性アルカローシス等の症状があらわれたとの報告がある。マグネシウムが併用薬剤と結合する。
活性型ビタミンD3製剤
・アルファカルシドール
・カルシトリオール等
高マグネシウム血症をおこすおそれがある。併用薬剤によるマグネシウムの腸管吸収促進が考えられる。(特に腎障害のある患者)
大量の牛乳
カルシウム製剤
milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。機序は不明であるが、本剤による血中pHの上昇(代謝性アルカローシス)が血清カルシウムの上昇に関与すると考えられる。
ミソプロストール下痢が発現しやすくなる。併用薬剤は小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水、Naの吸収を阻害し下痢を引き起こす。本剤には緩下作用があるので、両者の併用により下痢が発現しやすくなる。
併用薬剤併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。本剤の吸着作用または消化管内・体液のpH上昇による。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
代謝異常注)高マグネシウム血症
消化器下痢

14. 適用上の注意

14.1 薬剤服用時の注意
本剤は用時懸濁し、懸濁液は速やかに服用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
長期・大量投与により胃・腸管内に結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 制酸作用1)2)
水酸化マグネシウムは胃内の塩酸を中和し、制酸作用を示す。その際、炭酸ガスを発生しないので、胃壁を刺激せず、二次的胃酸分泌を起こしにくい。
18.1.2 緩下作用1)2)
水酸化マグネシウムは胃内で中和反応により塩化マグネシウムとなった後、腸内の重炭酸ナトリウムと反応して可溶性、難吸収性の重炭酸マグネシウム又は炭酸マグネシウムになる。腸管内腔液の浸透圧を等張に維持するため腸壁から水を奪うことにより、腸内容物は水分を保持して膨大、軟化し、大腸に到達して蠕動運動を亢進し緩下作用を示す。腸粘膜への薬物の直接的刺激作用はない。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 水酸化マグネシウム

一般的名称 水酸化マグネシウム
化学名 Magnesium Hydroxide
分子式 Mg(OH)2
分子量 58.32
物理化学的性状 水酸化マグネシウムは白色の粉末で、においはない。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
KEGG DRUG D00731

22. 包装

210mL×10

23. 主要文献

  1. グッドマン・ギルマン:薬理書(第7版), 1209, (1989)
  2. グッドマン・ギルマン:薬理書(第7版), 1227, (1989)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
電話:0120-041-189
FAX:06-6121-2858
製品情報問い合わせ先
共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
電話:0120-041-189
FAX:06-6121-2858

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
エムジーファーマ株式会社
大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7番25号
26.2 発売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版