医療用医薬品 : トラニラスト

List   Top

医薬品情報


総称名 トラニラスト
一般名 トラニラスト
欧文一般名 Tranilast
薬効分類名 アレルギー性結膜炎治療剤
薬効分類番号 1319
KEGG DRUG
D02027 トラニラスト
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トラニラスト点眼液0.5%「TS」 (後発品) TRANILAST Ophthalmic Solution 0.5%「TS」 テイカ製薬 1319736Q1092 203円/瓶

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

通常、1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

8. 重要な基本的注意

重症例には本剤単独では十分な効果が得られないので、他の適切な治療法への切替えあるいはそれとの併用を考慮し、本剤のみを漫然と長期に使用しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
9.5.1 妊婦(特に約3カ月以内)又は妊娠している可能性のある女性
投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で、本剤の経口大量投与により、骨格異常例の増加が認められている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜1%未満頻度不明
過敏症眼瞼皮膚炎、眼瞼炎接触性皮膚炎(眼周囲)
刺激感結膜充血、眼瞼腫脹、そう痒感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・眼周囲等に流出した液は拭き取ること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・本剤を冷蔵庫等で保存すると、結晶が析出することがあるので避けること。[20.1参照]
・遮光して保存すること。[20.2参照]

16. 薬物動態

16.4 代謝
トラニラストの酸化的代謝反応はCYP2C9、CYP2C18、CYP2C8、CYP1A2、CYP3A4、CYP2D6で確認され、主としてCYP2C9が代謝に関与する1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験
I型アレルギーの関与が明らかなアレルギー性結膜炎の患者200例を対象にトラニラスト点眼液0.5%又はクリモグリク酸ナトリウム点眼液2%を1回1〜2滴、1日4回朝、昼、夕方及び就寝前に4週間投与した。全般改善度を著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化の5段階にて評価した結果、中等度改善以上の改善率はトラニラスト点眼液群63.4%、クリモグリク酸ナトリウム点眼液群52.7%であり、同等性検定により同等であった。副作用の発現割合はトラニラスト点眼液群1.0%(1/98例)であり、しみるが1.0%(1/98例)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
抗原刺激による肥満細胞及び各種炎症細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン等)の遊離を抑制することにより、抗アレルギー作用を示す3)4)5)6)7)8)9)10)11)(ラット、モルモット、in vitro)。
18.2 アレルギー性結膜炎抑制作用
動物結膜炎モデルにおいて、血管透過性の亢進に対し、点眼投与で用量依存的な抑制作用を示す12)(ラット)。また、血管透過性の亢進及び結膜組織への炎症細胞の浸潤に対し、点眼投与で用量依存的な抑制作用を示す13)(モルモット)。
18.3 生物学的同等性試験
18.3.1 受動感作アレルギー性結膜炎抑制作用
両上眼瞼結膜下に抗血清を注射することにより受動感作させたラットに対し、その72時間後に卵白アルブミン/エバンスブルー溶液を静脈内注射することによりアレルギー反応を惹起した。本剤、リザベン点眼液0.5%又は対照物質(生理食塩液又は基剤)の何れかをアレルギー反応惹起20分前および10分前に10μLを点眼した。惹起30分後の結膜中漏出色素量を血管透過性の指標とし、本剤及びリザベン点眼液0.5%投与群と対照物質投与群について比較検討を行ったところ両製剤は有意な抑制を示し、また90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、両製剤の生物学的同等性が確認された14)
 色素漏出量(μg/site)
本剤14.77±0.90
リザベン点眼液0.5%16.08±1.13
生理食塩液21.28±1.57
基剤20.95±1.33
18.3.2 能動感作アレルギー性結膜炎抑制作用
卵白アルブミンを腹腔内投与することにより能動感作させたモルモットに対し、感作14日後に卵白アルブミン溶液を点眼することによりアレルギー反応を惹起した。本剤、リザベン点眼液0.5%又は基剤の何れかをアレルギー反応惹起15分前に1回、25μLを点眼し、結膜炎症をスコア化した。惹起後30分におけるスコア値を結膜炎抑制作用の指標とし、本剤及びリザベン点眼液0.5%投与群と基剤群について統計解析を行った結果、両製剤は基剤群と比較して有意な結膜症状抑制作用を示し、また90%信頼区間法により生物学的同等性が確認された14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トラニラスト

一般的名称 トラニラスト
一般的名称(欧名) Tranilast
化学名 2-{[(2E)-3-(3,4-Dimethoxyphenyl)prop-2-enoyl]amino}benzoic acid
分子式 C18H17NO5
分子量 327.33
融点 207〜210℃
KEGG DRUG D02027

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤を冷蔵庫等で保存すると、結晶が析出することがあるので避けること。[14.1参照]
20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。[14.1参照]

22. 包装

プラスチック点眼容器
5mL×5本、5mL×10本

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C3583-C3587, (2021), (廣川書店)
  2. 三國郁夫他, 臨床医薬, 9 (3), 669-683, (1993)
  3. 東洋他, Br.J.Pharmacol., 58 (4), 483-488, (1976) »PubMed
  4. 坂野和英他, アレルギー, 26 (4), 385-391, (1977) »DOI
  5. 中沢政之他, 日薬理誌, 4 (4), 473-481, (1978)
  6. 中沢政之他, 日薬理誌, 74 (4), 483-490, (1978) »PubMed
  7. 小松英忠他, 基礎と臨床, 13 (1), 43-49, (1979)
  8. 小松英忠他, 日薬理誌, 82 (1), 47-55, (1983) »PubMed
  9. 堤直行他, 応用薬理, 25 (6), 973-979, (1983)
  10. 堤直行他, 応用薬理, 33 (4), 587-597, (1987)
  11. 伊東史顕他, 基礎と臨床, 27 (1), 191-194, (1993)
  12. 芝崎泰平他, 日本眼科紀要, 43 (12), 1419-1424, (1992)
  13. 伊東史顕他, 日薬理誌, 101 (1), 27-32, (1993) »PubMed
  14. 社内資料:生物学的同等性に関する資料

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
テイカ製薬株式会社 学術グループ
〒930-0982 富山市荒川一丁目3番27号
電話:076-431-1717
FAX:076-431-6707
製品情報問い合わせ先
テイカ製薬株式会社 学術グループ
〒930-0982 富山市荒川一丁目3番27号
電話:076-431-1717
FAX:076-431-6707

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
テイカ製薬株式会社
富山市荒川一丁目3番27号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版