医療用医薬品 : サホライド

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医薬品情報


総称名 サホライド
一般名 フッ化ジアンミン銀
欧文一般名 Silver Diammine Fluoride
製剤名 フッ化ジアンミン銀溶液
薬効分類名 根管治療剤
薬効分類番号 2790
KEGG DRUG
D01502 フッ化ジアンミン銀
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
サホライド・RC液歯科用3.8% SAFORIDE・RC Dental Solution 東洋製薬化成 2730818Q1037

4. 効能または効果

根管治療(根管の消毒)

6. 用法及び用量

1.根管の拡大、清掃後、綿栓又はペーパーポイントに本剤を数滴浸し、根管内に挿入し、仮封を行う。
2.根管内細菌培養検査で陰性を得るまで、上記治療をくり返す。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 オーバーインスツルメンテーションした歯牙のある患者、歯根未完成歯のある患者、根尖の閉鎖不十分あるいは根尖孔の大きい歯牙のある患者
アピカルシートなどを形成する根管形成法を行った後に貼薬することが望ましい。根尖孔外に本剤が溢出し、根尖歯周組織を障害することがある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 10%以上1〜10%未満頻度不明
歯・歯周組織歯牙の黒変(27.1%)一過性疼痛、持続性疼痛、局所違和感象牙質根管壁の着色黒変

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤が乾燥する過程で爆発感度の高い雷銀が生成される恐れがあることから、以下の点について注意すること。
(1)ノズル等に薬液が付着した場合は、よく拭き取った後に蓋をすること。
(2)適量を別の小容器にとり使用する場合には、使用後の小容器に残った薬液は直ちに洗い落とすか、乾燥する前に水を含ませた布等でよく拭き取ること。
(3)薬液の飛散から目・鼻・口を保護することを目的に、必ずゴーグル、マスク、手袋等の保護具を装着すること。
14.1.2 本剤の適用により、銀の沈着で象牙質が黒変するので、前歯根管への適用は着色に注意すること。
14.1.3 本剤は誤って歯肉・口腔粘膜に付着すると、腐蝕することがあるので、歯肉への付着を防ぐために、ラバーダムを用いるか、用い得ぬ場合は歯肉にワセリン、またはココアバターをあらかじめ塗布して薬液との接触を防ぐようにすること。誤って付着したときは、速やかに水又は食塩水あるいはオキシドールで洗浄するか、洗口させること。
14.1.4 本剤は皮膚、衣類、器具等に付着した場合、褐色又は黒色に変わり脱色しにくいので注意すること。付着した場合、水、石鹸水、アンモニア水、希ヨードチンキ等で洗浄し、十分水洗すること。
14.1.5 本剤による皮膚の着色箇所は経時的に消退するので無理な脱色は避けること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
(1)残根状態の感染根管に対する臨床効果1)
根管拡大・清掃後に本剤を貼薬し、仮封を行わず綿球を根管上部に置き開放状態とし、1週間後に根管から多量の膿汁や浸出液の排出がない場合は直ちに、症状がある場合は上記の方法を繰り返したのち根管充填を行った49歯を対象に臨床症状の評価を行った。
根管充填1〜2週後根管充填2ヶ月以上経過後総合
有効率73.5%(36/49歯)有効率91.4%(32/35歯)有効率85.7%(42/49歯)
(2)感染根管に対する臨床効果2)3)
根管拡大・清掃後に本剤を貼薬して仮封を行った50歯を対象に、根管内細菌培養検査及び臨床症状(打診痛、滲出物)の評価を行った。
細菌培養試験成績打診痛消失滲出物消失
陰性率70.8%(34/48歯)有効率84.0%(42/50歯)有効率88.0%(44/50歯)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細菌の細胞膜・酵素を阻害することで殺菌効果を発揮するとともに、適用部位に生成するリン酸銀・タンパク銀等の銀化合物およびフッ化カルシウムが象牙細管を封鎖し、また、歯質を強化する。
18.2 殺菌効果
本剤は、Streptococcus mitis S.73株、Staphylococcus aureus 209P株、Escherichia coli S.21株、Corynebacterium xerosis S.33株に対し、CMCP(パラモノクロロフェノールカンフル)とほぼ等しい発育阻止帯を形成した4)
18.3 殺菌効果の持続性
1週間根管に貼薬した本剤を含む綿栓を感染培地にのせて培養したところ、発育阻止帯が形成された1)
18.4 象牙細管封鎖効果
18.4.1 走査型電顕による観察
(1)ヒト健全抜去小臼歯の根管に24時間ごとに本剤を塗布した後、3回の塗布により象牙細管開口部をほぼ閉塞することができ、細管封鎖性が認められた5)
(2)ヒト抜去歯の根管に本剤を塗布した時、象牙細管中の結晶状物質(Ag3PO4とされている)は、セメント象牙境付近の象牙細管内にも生成が認められ、細菌が象牙細管に侵襲するといわれている距離よりもまさっていた。すなわち、象牙細管中の細菌の生息場所まで浸透することが可能である5)
18.4.2 根管壁象牙質細管に対する色素浸透実験
ヒト健全抜去中切歯の根管に本剤を塗布し、1%メチレンブルー水溶液に浸漬した時、3回の塗布により色素の浸透はほぼ阻止されていた5)
18.5 歯質に及ぼす影響
18.5.1 脱灰抑制効果
本剤及び1.1%フッ化ナトリウム溶液を24時間作用させた合成ハイドロキシアパタイト粉末を5時間脱灰した時、カルシウムイオン溶出抑制率はそれぞれ51%、52%であった。3%アンモニア銀溶液を24時間作用させた時、合成ハイドロキシアパタイト粉末は、0.5時間の脱灰において対照群との間に差がなかった。従って本剤の脱灰抑制効果はFイオンによるものである6)
18.5.2 アパタイト構造への影響
本剤を1日作用させたヒト健全抜去歯象牙質粉末のX線回折像において、ハイドロキシアパタイト、フッ化カルシウム、リン酸銀に由来するピークが観察され、ハイドロキシアパタイトとの反応によるフッ化カルシウム及びリン酸銀の生成が認められた6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. フッ化ジアンミン銀

一般的名称 フッ化ジアンミン銀
一般的名称(欧名) Silver Diammine Fluoride
化学名 Diammine Silver Fluoride
分子式 Ag(NH3)2F
分子量 160.93
KEGG DRUG D01502

22. 包装

5mL[ポリエチレン製容器]

23. 主要文献

  1. 鈴木賢策他, 歯界展望, 43, 99-102, (1974)
  2. 堀亘孝他, 歯界展望, 46, 495-500, (1975)
  3. 関根一郎他, 歯界展望, 52, 725-730, (1978)
  4. 松田毅他, 歯科医学, 35, 679-684, (1972)
  5. 勝海一郎, 歯学, 65, 934-950, (1978)
  6. 長尾啓一, 歯科医学, 42, 413-428, (1979)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社ビーブランド・メディコーデンタル
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号
電話:06-6370-4182(代)
FAX:06-6370-4184(代)
製品情報問い合わせ先
株式会社ビーブランド・メディコーデンタル
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号
電話:06-6370-4182(代)
FAX:06-6370-4184(代)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東洋製薬化成株式会社
大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号
26.2 発売元
株式会社ビーブランド・メディコーデンタル
大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版