医療用医薬品 : ウロマチック

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医薬品情報


総称名 ウロマチック
一般名 D-ソルビトール
製剤名 D-ソルビトール
薬効分類名 泌尿器科用灌流液
薬効分類番号 2519
ATCコード A06AD18 A06AG07 B05CX02
KEGG DRUG
D00096 D-ソルビトール
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ウロマチックS泌尿器科用灌流液3% UromaticS バクスター・ジャパン 2519700Q1030 898.2円/袋

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 無尿症の患者[体液量が過剰となる場合がある。]
2.2 遺伝性果糖不耐症の患者[D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。]

4. 効能または効果

前立腺及び膀胱疾患の経尿道的手術時、その他泌尿器科手術時並びに術後の洗浄

6. 用法及び用量

使用量は目的に応じて1,000〜15,000mLとする。
なお、手術など必要に応じ適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

本剤は、経尿道的切除術中に生体内に吸収され、体液を希釈して、低ナトリウム血症等の電解質異常や循環器障害、高血糖を起こすことがあるので、本剤の灌流量の出納、患者の全身状態等を十分に観察しながら使用し、適宜電解質の補給をするなど適切な処置をとること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心肺循環障害のある患者
細胞外液が過度に膨満し、循環系に過剰の負荷がかかることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全のある患者
腎不全病態が悪化するおそれがある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明0.1〜5%未満
体液・電解質注1)血清浸透圧の低下、低ナトリウム血症等の電解質異常、高乳酸血症、アシドーシス、利尿、尿貯留、水腫、口渇、脱水 
循環器注2)徐脈、収縮期圧の上昇、低血圧、肺うっ血、狭心症様の痛み血圧の上昇
精神神経系興奮、不安、錯乱、痙攣、眼のかすみ、眩暈、悪寒 
高血糖高血糖 
その他胸内苦悶、過呼吸、悪心、嘔吐、下痢、鼻炎、背部痛、アレルギー反応 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 注射用に使用しないこと。
14.1.2 本剤の使用は、無菌的操作により行うこと。
14.1.3 一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.1.4 本剤の使用方法
システム全体の準備は、セット(バクスターイリゲーションセット)の説明書を参照すること。
(1)バッグ上部の穴を用いて、容器をつり下げる。
(2)セットのクランプを全て閉じる。
(3)容器下部の注入口から、プロテクターを取り除く。
(4)セットを接続する。
14.1.5 本剤に専用セット以外の薬剤供給回路を接続しないこと。

16. 薬物動態

16.2 吸収
経尿道的切除中に、灌流液が体内に吸収されることが知られている。前立腺肥大症患者8例を対象として実施した臨床的検討の結果、血清Na濃度法で平均160mL、イヌリンスペース法で平均1,305mLの灌流液吸収が示唆された1)2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相一般臨床試験
前立腺肥大症(173例)、膀胱腫瘍(79例)、膀胱頸部硬化症(13例)、及び前立腺癌(7例)を対象とした経尿道的切除術計272例について、術視野の可視性、電気メス性能への影響、ループへの血液及び切除組織の付着等について検討した。使用量は個々の症例に応じて増減した。4段階評価での「すぐれている」、「よい」を合わせた有効率は、前立腺肥大で173例中169例(98%)、膀胱腫瘍では79例中79例(100%)、その他の疾患についても20例中20例(100%)と各評価項目とも90%以上の成績であった。1例において術後の一過性の血圧上昇が認められた1)3)
17.1.2 国内第III相群間比較試験
前立腺肥大症を対象とした72例(うち本剤適用36例)につき同種同効薬との群間比較試験を実施した。総合評価と安全性(副作用と臨床検査結果)を総合し、本剤の灌流液としての有用性の判定を行った。本比較試験は本剤と注入システムを含めた評価試験であり、試験の結果、本剤と同種同効薬とは効力について共に優れていたが、術前の灌流液の準備操作、及び術中の操作の評価項目において本剤の高い有用性が認められた4)5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は非溶血性、電気的に非伝導性であるため、内視鏡検査を必要とする泌尿器科処置に高い視認性をもたらし、経尿道的外科処置の間、血液および組織断片を除去するための洗浄液として作用する。
18.2 本剤の特性
本剤は経尿道的切除術に際し、尿道・膀胱の開存性を維持し内視鏡視野を確保するとともに、切除された組織片あるいは血液の除去を目的として使用される。そのため本剤は、1)澄明であり、十分な内視鏡視野をもたらす、2)非溶血性である、3)非電導性であり、高周波電流が液内に分散して電気メスの性能を落とすことがない、などの物理的・化学的性質を有する。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. D-ソルビトール

一般的名称 D-ソルビトール
分子式 C6H14O6
分子量 182.17
KEGG DRUG D00096

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤の加熱は最小限に留めるべきであるが、40℃以下の短時間の加熱は本剤の品質・安全性に影響しない。
20.2 開封の方法は、外袋をやぶり、本剤を取り出す。
20.3 バッグの一部が白色化し透明度が低下することがあるが、これは滅菌中にバッグが水分を吸収するために起こる現象であり、本剤の品質や安全性に影響するものではない。なお、この白色化は、徐々に消失する。
20.4 バッグを強くつかんで、液漏れがないかよく調べること。外袋を取り除き、液が無色澄明で異物のないことを確認した後、バッグを圧迫して漏れを調べる。万一漏れが認められた場合は、無菌性が損なわれている可能性があるので、液を廃棄すること。
20.5 外袋内に少量の水滴が観察されることがあるが、滅菌中に水蒸気としてバッグ内から透過した水分であり、液漏れによるものではない。

22. 包装

3,000mL×3袋

23. 主要文献

  1. 北川龍一他, 西日本泌尿器科, 47, 1583-1589, (1985)
  2. 岡本重禮他, 基礎と臨床, 19, 6683-6686, (1985)
  3. 社内資料:国内第III相一般臨床試験(昭和61年4月30日承認、資料概要ト)
  4. 社内資料:国内第III相群間比較試験(昭和61年4月30日承認、資料概要ト)
  5. 岡本重禮他, 西日本泌尿器科, 47, 1591-1602, (1985)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
バクスター・ジャパン株式会社 ホスピタルプロダクト事業部
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目4番1号
電話:03-4567-1400
製品情報問い合わせ先
バクスター・ジャパン株式会社 ホスピタルプロダクト事業部
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目4番1号
電話:03-4567-1400

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
バクスター・ジャパン株式会社
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目4番1号
製造販売業者

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版