2.1 無尿症の患者[体液量が過剰となる場合がある。]
2.2 遺伝性果糖不耐症の患者[D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。]
前立腺及び膀胱疾患の経尿道的手術時、その他泌尿器科手術時並びに術後の洗浄
使用量は目的に応じて1,000〜15,000mLとする。
なお、手術など必要に応じ適宜増減する。
本剤は、経尿道的切除術中に生体内に吸収され、体液を希釈して、低ナトリウム血症等の電解質異常や循環器障害、高血糖を起こすことがあるので、本剤の灌流量の出納、患者の全身状態等を十分に観察しながら使用し、適宜電解質の補給をするなど適切な処置をとること。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 注射用に使用しないこと。
14.1.2 本剤の使用は、無菌的操作により行うこと。
14.1.3 一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.1.4 本剤の使用方法
システム全体の準備は、セット(バクスターイリゲーションセット)の説明書を参照すること。
(1)バッグ上部の穴を用いて、容器をつり下げる。
(2)セットのクランプを全て閉じる。
(3)容器下部の注入口から、プロテクターを取り除く。
(4)セットを接続する。
14.1.5 本剤に専用セット以外の薬剤供給回路を接続しないこと。
18.1 作用機序
本剤は非溶血性、電気的に非伝導性であるため、内視鏡検査を必要とする泌尿器科処置に高い視認性をもたらし、経尿道的外科処置の間、血液および組織断片を除去するための洗浄液として作用する。
18.2 本剤の特性
本剤は経尿道的切除術に際し、尿道・膀胱の開存性を維持し内視鏡視野を確保するとともに、切除された組織片あるいは血液の除去を目的として使用される。そのため本剤は、1)澄明であり、十分な内視鏡視野をもたらす、2)非溶血性である、3)非電導性であり、高周波電流が液内に分散して電気メスの性能を落とすことがない、などの物理的・化学的性質を有する。
20.1 本剤の加熱は最小限に留めるべきであるが、40℃以下の短時間の加熱は本剤の品質・安全性に影響しない。
20.2 開封の方法は、外袋をやぶり、本剤を取り出す。
20.3 バッグの一部が白色化し透明度が低下することがあるが、これは滅菌中にバッグが水分を吸収するために起こる現象であり、本剤の品質や安全性に影響するものではない。なお、この白色化は、徐々に消失する。
20.4 バッグを強くつかんで、液漏れがないかよく調べること。外袋を取り除き、液が無色澄明で異物のないことを確認した後、バッグを圧迫して漏れを調べる。万一漏れが認められた場合は、無菌性が損なわれている可能性があるので、液を廃棄すること。
20.5 外袋内に少量の水滴が観察されることがあるが、滅菌中に水蒸気としてバッグ内から透過した水分であり、液漏れによるものではない。