医療用医薬品 : ムコダイン

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医薬品情報


総称名 ムコダイン
一般名 L-カルボシステイン
欧文一般名 L-Carbocisteine
製剤名 カルボシステインドライシロップ
薬効分類名 気道粘液調整・粘膜正常化剤
薬効分類番号 2233
ATCコード R05CB03
KEGG DRUG
D00175 L-カルボシステイン
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年5月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ムコダインDS50% MUCODYNE DS 50% 杏林製薬 2233002R2029 13.7円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<成人>
○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
<小児>
○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液

6. 用法及び用量

<成人>
通常、成人にカルボシステインとして1回500mg(本剤1.0g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<小児>
通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。
9.3 肝機能障害患者
肝機能が悪化することがある。[11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。[9.3参照]
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満注)0.1%未満注)頻度不明
消化器食欲不振、下痢、腹痛悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇 
過敏症発疹湿疹、紅斑浮腫、発熱、呼吸困難
その他 そう痒感 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調剤時の注意
懸濁液剤として調剤しないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
懸濁後に速やかに服用するように指導すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人にカルボシステインドライシロップ1.0g(L-カルボシステインとして500mg)を単回経口投与した時の血漿中濃度及び薬物速度論的パラメータは下図、表のとおりである1)
図 血漿中濃度(健康成人)
表 薬物速度論的パラメータ
投与量(mg)Tmax(hr)Cmax(μg/mL)t1/2(hr)AUC0→9(μg・hr/mL)
5001.8±0.44.41±0.9871.36±0.1316.4±3.34

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
17.1.1 国内実薬及びプラセボ対照二重盲検比較試験
喀痰喀出困難を訴える慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺結核などの慢性呼吸器疾患患者を対象に、1週間の観察期の後カルボシステイン、実薬対照であるメチルシステイン又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団250例での全般改善度(軽度改善以上を有効とした場合の有効率)は、カルボシステイン群72.0%(59/82例)、メチルシステイン群64.6%(53/82例)、プラセボ群48.8%(42/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、痰の切れの改善度はカルボシステイン群58.5%(48/82例)、メチルシステイン群51.2%(42/82例)、プラセボ群40.7%(35/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。その他、痰の回数、咳の頻度、咳の強さにおいてもカルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。
カルボシステイン群の副作用発現頻度は12.0%(11/92例)であり、主な副作用は、食欲不振、腹部不快感などの消化器症状であった2)
17.1.2 国内プラセボ対照二重盲検比較試験
咳、痰を伴う気管支喘息、急性気管支炎などの小児呼吸器疾患患者を対象に、ムコダインシロップ2%(カルボシステインとして30mg/kg/日)又はプラセボを7日間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団140例での軽度改善以上を有効とした有効率は、ムコダイン群80.6%(54/67例)、プラセボ群63.0%(46/73例)であり、ムコダイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。また、痰の切れの難易度及び喘鳴に対し、ムコダイン群はプラセボ群に比べ有意に改善した(p<0.05)。
ムコダイン群で副作用は認められなかった3)
<慢性副鼻腔炎の排膿>
17.1.3 国内実薬対照二重盲検比較試験
慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。
カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった4)
表 全般改善度
薬剤改善率
カルボシステインL-システインエチル塩酸塩
評価項目著明改善20.2%(25/124例)6.8%(8/118例)
中等度改善以上53.2%(66/124例)32.2%(38/118例)
軽度改善以上91.1%(113/124例)84.7%(100/118例)
<滲出性中耳炎の排液>
17.1.4 国内プラセボ対照二重盲検比較試験
小児滲出性中耳炎患者を対象に、ムコダインシロップ5%又はプラセボを4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団214例での軽度改善以上の改善率は、ムコダイン群79.8%(83/104例)、プラセボ群58.2%(64/110例)であり、ムコダイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、貯留液の量、性状、標準純音聴力及びティンパノグラムに対し、ムコダイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。
副作用発現頻度はムコダイン群2.5%(3/121例)、プラセボ群1.6%(2/122例)であった。ムコダイン群で認められた副作用は、嘔吐2例、湿疹1例であった5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁、中耳貯留液の排泄を促進する。
18.2 粘液構成成分調整作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した6)
亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した7)(ラット)。
18.3 杯細胞過形成抑制作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気道疾患患者の組織学的検査において気道粘膜の杯細胞過形成を抑制した8)(外国人データ)。
亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した9)(ラット)。
18.4 気道炎症抑制作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した9)10)(ラット)。
fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した11)in vitro)。
18.5 粘膜正常化作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した12)
18.6 粘液線毛輸送能改善作用
<慢性副鼻腔炎の排膿>
慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した13)
18.7 粘膜正常化作用
<慢性副鼻腔炎の排膿>
エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した14)15)(ウサギ)。
18.8 粘液線毛輸送能改善作用
<滲出性中耳炎の排液>
滲出性中耳炎患者で耳管の粘液線毛輸送能を改善した16)
18.9 粘膜正常化作用
<滲出性中耳炎の排液>
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による中耳粘膜の障害を軽減し、更に粘膜の修復を促進した17)18)
18.10 中耳貯留液排泄促進作用
<滲出性中耳炎の排液>
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による実験的滲出性中耳炎病態モデルにおいて、中耳腔貯留液の排泄を促進した17)18)
18.11 炎症抑制作用
<滲出性中耳炎の排液>
滲出性中耳炎モデルにおいて好中球の活性酸素産生能を抑制した19)(モルモット)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. L-カルボシステイン

一般的名称 L-カルボシステイン
一般的名称(欧名) L-Carbocisteine
化学名 (2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid
分子式 C5H9NO4S
分子量 179.19
融点 約186℃(分解)
物理化学的性状 本品は白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。
本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
本品は希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
分配係数 1-オクタノール/水系において0.0である。
(pH2.3〜8.0、20℃)
KEGG DRUG D00175

22. 包装

1g×120包[3包×40]
100g[ポリエチレン製容器、バラ]
500g[ポリエチレン製容器、バラ]

23. 主要文献

  1. 社内資料:L-カルボシステインDS50%の生物学的同等性試験
  2. 伊藤和彦,他, 臨床と研究, 57 (4), 1296-1309, (1980)
  3. 中山喜弘,他, 小児科臨床, 30 (10), 1823-1830, (1977)
  4. 馬場駿吉,他, 耳鼻と臨床, 34 (1), 33-47, (1988) »DOI
  5. 熊沢忠躬,他, 耳鼻咽喉科展望, 30 (6), 719-735, (1987) »DOI
  6. 安岡劭,他, 気管支学, 8 (3), 312-320, (1986) »DOI
  7. Ishibashi,Y.et al., Eur.J.Pharmacol., 487, 7-15, (2004) »PubMed
  8. Miskovits,G.et al., Forum.Ser.R.Soc.Med., 5, 1-3, (1982)
  9. Sueyoshi,S.et al., Int.Arch.Allergy Immunol., 134, 273-280, (2004) »PubMed
  10. 石橋祐二,他, 日本呼吸器学会雑誌, 39, 17-23, (2001)
  11. Ishii,Y.et al., Eur.J.Pharmacol., 449, 183-189, (2002) »PubMed
  12. 萩原正雄,他, 気管支学, 4 (3), 235-244, (1982) »DOI
  13. 間島雄一,他, 耳鼻臨床, 80, 1313-1319, (1987) »DOI
  14. 前山拓夫,他, 耳鼻咽喉科展望, 29, 447-457, (1986) »DOI
  15. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 88, 1056-1060, (1985) »DOI
  16. 三谷幸恵,他, 耳鼻咽喉科展望, 39, 69-76, (1996) »DOI
  17. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 88, 1051-1055, (1985) »DOI
  18. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 91, 71-175, (1988)
  19. 太神尚士,他, 耳鼻咽喉科免疫アレルギー, 19, 158-159, (2001)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
杏林製薬株式会社 くすり情報センター
〒160-0017 東京都新宿区左門町20番地
電話:0120-409-341 受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・会社休日を除く)
製品情報問い合わせ先
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26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
杏林製薬株式会社
東京都千代田区大手町一丁目3番7号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版