医療用医薬品 : ジクアス

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医薬品情報


総称名 ジクアス
一般名 ジクアホソルナトリウム
欧文一般名 Diquafosol Sodium
製剤名 ジクアホソルナトリウム点眼液
薬効分類名 ドライアイ治療剤(ムチン/水分分泌促進点眼剤)
薬効分類番号 1319
KEGG DRUG
D03864 ジクアホソルナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2022年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジクアス点眼液3% DIQUAS ophthalmic solution 参天製薬 1319758Q1021 358.3円/瓶 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

ドライアイ

5. 効能または効果に関連する注意

涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること。

6. 用法及び用量

通常、1回1滴、1日6回点眼する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上1〜5%未満1%未満頻度不明
眼刺激眼脂、結膜充血、眼痛、眼のそう痒感、眼の異物感、眼部不快感、眼瞼炎結膜下出血、眼の異常感(乾燥感、違和感、ねばつき感)、霧視、羞明、流涙、結膜炎糸状角膜炎・表層角膜炎・角膜びらん等の角膜上皮障害
その他  頭痛、好酸球増加、ALT上昇 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分間以上間隔をあけてから点眼すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性の両眼に0.3%、1%、3%、5%ジクアホソルナトリウム点眼液注)を1回1滴、1日1回1日間、1日6回1日間もしくは1日6回7日間点眼したときの血漿中未変化体及び代謝物濃度を測定した結果、血漿中未変化体濃度は、すべての被験者における全測定時点で定量下限値(2ng/mL)未満であった。代謝物(UTP、UDP、UMP、ウリジン)についても、内因性成分に由来する生理的濃度に影響を与えなかった1)2)
注)本剤が承認されている濃度は3%である。
16.3 分布
白色ウサギの両眼に3%14C-ジクアホソルナトリウム点眼液を単回点眼したとき、結膜、角膜などの外眼部組織に高い濃度で検出され、結膜及び角膜では点眼後5分に最高濃度を示し、点眼後24時間には最高濃度の4〜30%となった3)
16.4 代謝
ヒト血漿及びヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝反応において、ジクアホソルナトリウムは速やかに代謝を受け、UMP、ウリジン及びウラシルの生成が認められた4)5)in vitro)。
ジクアホソルナトリウムはecto alkaline phosphodiesterase Iにより、UTP及びUMPに加水分解されると考えられた6)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
ドライアイ患者287例(有効性解析対象286例)を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、観察期にプラセボ点眼液を2週間1日6回点眼後、本剤又は0.1%精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液を1日6回、4週間点眼した結果、本剤(シェーグレン症候群患者36例を含む144例)は対照薬(シェーグレン症候群患者32例を含む142例)に比較して、同等の角膜フルオレセイン染色スコアの低下が認められた。さらに、本剤は対照薬に比較して、角膜及び結膜ローズベンガル染色スコアを有意に低下させた。
副作用は本剤群144例中22例(15.3%)に認められ、主な副作用は眼刺激6.3%(9/144例)、眼脂2.8%(4/144例)及び眼の異物感2.8%(4/144例)であった7)
フルオレセイン染色スコアの比較
 本剤(n=144)0.1%HA(n=142)
変化量
(4週後または中止時)
−2.12±0.14−2.08±0.13
群間差[95%信頼区間]
(本剤−0.1%HA)
−0.03[−0.405〜0.338]
ローズベンガル染色スコアの比較
 本剤(n=144)0.1%HA(n=141)
変化量
(4週後または中止時)
−3.06±0.19−2.38±0.18
群間差[95%信頼区間]
(本剤−0.1%HA)
−0.67[−1.18〜−0.16]
臨床試験でのスコアリング方法
フルオレセイン染色では角膜を上中下に3分割し、それぞれ0点から3点で障害の程度をスコア化し、合計9点満点として評価した。ローズベンガル染色では3分割した角膜の評価に加えて鼻側結膜及び耳側結膜をそれぞれ0点から3点で障害の程度をスコア化し、合計15点満点として評価した。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ジクアホソルナトリウムは、結膜上皮及び杯細胞膜上のP2Y2受容体に作用し、細胞内のカルシウム濃度を上昇させることにより、水分及びムチンの分泌促進作用を示す。また、角膜上皮の膜結合型ムチンの発現・産生促進作用も有する8)9)10)11)12)
18.2 ムチンを含む涙液分泌促進作用
・正常動物(ウサギ及びラット)において、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌及び結膜細胞からのムチン分泌を促進した11)13)14)
・ラットドライアイモデルにおいて、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌を促進した。また、反復点眼により結膜組織内のムチン量は増加した15)16)
18.3 角膜上皮細胞のムチン産生促進作用
ジクアホソルナトリウムは、角膜上皮細胞のムチンの遺伝子発現及びタンパク質産生を促進した(in vitro12)17)
18.4 角膜上皮障害改善作用
ラットドライアイモデルにおける角膜上皮障害は、ジクアホソルナトリウム溶液を1日6回、4週間反復点眼した結果、濃度依存的に改善され、1%以上で最大効果を示した。また、1%ジクアホソルナトリウム溶液を2週間反復点眼した結果、1日6回以上の点眼回数で最大改善効果を示した18)19)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジクアホソルナトリウム

一般的名称 ジクアホソルナトリウム
一般的名称(欧名) Diquafosol Sodium
化学名 Tetrasodium P1,P4-bis(5'-uridyl)tetraphosphate
分子式 C18H22N4Na4O23P4
分子量 878.23
物理化学的性状 本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、ホルムアミドに溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノールにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D03864

22. 包装

プラスチック点眼容器5mL×10本、5mL×50本

23. 主要文献

  1. 社内資料:第I相単回・1日頻回点眼試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.6.1)
  2. 社内資料:第I相連続点眼試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.6.2)
  3. 社内資料:ウサギ単回点眼時の眼内動態(2010年4月16日承認、CTD2.6.4.4)
  4. 社内資料:In vitroにおける代謝(血漿におけるin vitro代謝物)(2010年4月16日承認、CTD2.6.4.5)
  5. 社内資料:In vitroにおける代謝(ヒト肝ミクロソームにおけるin vitro代謝物)(2010年4月16日承認、CTD2.6.4.5)
  6. Picher,M.et al., Am.J.Respir.Cell Mol.Biol., 23, 255-261, (2000) »PubMed
  7. Takamura,E.et al., Br.J.Ophthalmol., 96, 1310-1315, (2012) »PubMed
  8. Cowlen,MS.et al., Exp.Eye Res., 77, 77-84, (2003) »PubMed
  9. Pendergast,W.et al., Bioorg.Med.Chem.Lett., 11, 157-160, (2001) »PubMed
  10. 七條優子他, あたらしい眼科, 28, 543-548, (2011)
  11. 七條優子他, あたらしい眼科, 28, 1029-1033, (2011)
  12. 阪元明日香他, 別冊BIO Clinica, 4, 114-117, (2015)
  13. 社内資料:正常動物に対する作用(涙液分泌促進作用)(2010年4月16日承認、CTD2.6.2.2)
  14. Fujihara,T.et al., J.Ocul.Pharmacol.Ther., 18, 363-370, (2002) »PubMed
  15. 社内資料:ドライアイモデル動物に対する作用(涙液分泌促進作用)(2010年4月16日承認、CTD2.6.2.2)
  16. 社内資料:ドライアイモデル動物に対する作用(ムチン分泌促進作用)(2010年4月16日承認、CTD2.6.2.2)
  17. 七條優子他, あたらしい眼科, 28, 425-429, (2011)
  18. 社内資料:ラット眼窩外涙腺摘出ドライアイモデルにおける角膜上皮障害改善作用−用量反応試験−
  19. 社内資料:ラット眼窩外涙腺摘出ドライアイモデルにおける角膜上皮障害改善作用−点眼回数の検討−

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
参天製薬株式会社 製品情報センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日を除く)
〒530-8552(個別郵便番号) 大阪市北区大深町4-20
電話:0120-921-839
06-7664-8624
製品情報問い合わせ先
参天製薬株式会社 製品情報センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日を除く)
〒530-8552(個別郵便番号) 大阪市北区大深町4-20
電話:0120-921-839
06-7664-8624

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
参天製薬株式会社
大阪市北区大深町4-20

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/08/21 版