医療用医薬品 : イクセロン

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医薬品情報


総称名 イクセロン
一般名 リバスチグミン
欧文一般名 Rivastigmine
製剤名 リバスチグミン経皮吸収型製剤
薬効分類名 アルツハイマー型認知症治療剤
薬効分類番号 1190
ATCコード N06DA03
KEGG DRUG D03822 リバスチグミン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
イクセロンパッチ4.5mg EXELON PATCH ノバルティスファーマ 1190700S1029 329.8円/枚 劇薬 , 処方箋医薬品
イクセロンパッチ9mg EXELON PATCH ノバルティスファーマ 1190700S2025 371.2円/枚 劇薬 , 処方箋医薬品
イクセロンパッチ13.5mg EXELON PATCH ノバルティスファーマ 1190700S3021 398.2円/枚 劇薬 , 処方箋医薬品
イクセロンパッチ18mg EXELON PATCH ノバルティスファーマ 1190700S4028 417.2円/枚 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には使用しないこと

本剤の成分又はカルバメート系誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

効能効果に関連する使用上の注意

アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。

本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。

本剤の使用が適切であるか、以下に示す本剤の特性を十分に理解した上で慎重に判断すること。

国内臨床試験において、本剤の貼付により高頻度に適用部位の皮膚症状が認められている。(「4.副作用」の項参照)

通常、本剤は維持量に到達するまで12週間以上を要する。(開始用量を1日1回4.5mgとし、原則として4週毎に4.5mgずつ増量する場合)

用法用量

通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回18mgを貼付する。また、患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。

本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。

用法用量に関連する使用上の注意

リバスチグミンとして1日1回9mgより投与を開始し、原則として4週後に1日1回18mgまで増量する投与方法については、副作用(特に、消化器系障害(悪心、嘔吐等))の発現を考慮し、本剤の忍容性が良好と考えられる場合に当該漸増法での投与の可否を判断すること。

本剤を慎重に投与することが推奨される患者(「1.慎重投与」の項参照)については、リバスチグミンとして1日1回4.5mgより投与を開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ1日1回18mgまで増量する投与方法を選択すること。

1日18mg未満は有効用量ではなく、漸増又は一時的な減量を目的とした用量であるので、維持量である18mgまで増量すること。

本剤は、維持量に到達するまでは、1日量として18mgを超えない範囲で症状により適宜増減が可能である。消化器系障害(悪心、嘔吐等)がみられた場合は、減量するかこれらの症状が消失するまで休薬する。休薬期間が4日程度の場合は、休薬前と同じ用量又は休薬前に忍容であった用量で投与を再開する。それ以外の場合は本剤の開始用量(4.5mg又は9mg)を用いて投与を再開する。投与再開後は、再開時の用量を2週間以上投与し、忍容性が良好であることを確認した上で、減量前の用量までは2週間以上の間隔で増量する。

本剤の貼付による皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更すること。(「2.重要な基本的注意」及び「8.適用上の注意」の項参照)

原則として、1日1回につき1枚のみ貼付すること。

他のコリンエステラーゼ阻害作用を有する同効薬(ドネペジル等)と併用しないこと。

医療従事者又は介護者等の管理のもとで投与すること。

使用上の注意

慎重投与

本剤のコリン作動性作用により以下に示す患者では、症状を誘発又は悪化させるおそれがあるため慎重に投与すること。

洞不全症候群又は伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)等の心疾患のある患者〔迷走神経刺激作用により徐脈又は不整脈が起こるおそれがある。〕

胃潰瘍又は十二指腸潰瘍のある患者、あるいはこれらの既往歴のある患者、非ステロイド性消炎鎮痛剤投与中の患者〔胃酸分泌量が増加し、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。〕

尿路閉塞のある患者又はこれを起こしやすい患者〔排尿筋を収縮させ症状を誘発又は悪化させるおそれがある。〕

てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させ痙攣発作を誘発させるおそれがある。〕

気管支喘息又は閉塞性肺疾患、あるいはこれらの既往歴のある患者〔気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状を悪化させるおそれがある。〕

錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者〔線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を悪化させるおそれがある。〕

低体重の患者〔消化器系障害(悪心、嘔吐等)を発現しやすくなるおそれがある。〕

重度の肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」及び【薬物動態】の項参照)

重要な基本的注意

本剤の投与により、徐脈、房室ブロック等があらわれることがあるので、特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者等では、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。

本剤投与で効果が認められない場合には、漫然と投与しないこと。

アルツハイマー型認知症は、自動車の運転等の機械操作能力を低下させる可能性がある。また、本剤は主に投与開始時又は増量時にめまい及び傾眠を誘発することがある。このため、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

本剤の貼付により皮膚症状があらわれることがあるため、貼付箇所を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、本剤の減量又は一時休薬、あるいは使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

本剤を同一箇所に連日貼付・除去を繰り返した場合、皮膚角質層の剥離等が生じ、血中濃度が増加するおそれがあるため、貼付箇所を毎回変更すること。

本剤の貼り替えの際、貼付している製剤を除去せずに新たな製剤を貼付したために過量投与となり、重篤な副作用が発現した例が報告されている。貼り替えの際は先に貼付している製剤を除去したことを十分確認するよう患者及び介護者等に指導すること。(「7.過量投与」の項参照)

嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがある。脱水により、重篤な転帰をたどるおそれがあるので、嘔吐あるいは下痢がみられた場合には、観察を十分に行い適切な処置を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

アルツハイマー型認知症患者では、体重減少が認められることがある。また、本剤を含むコリンエステラーゼ阻害剤の投与により、体重減少が報告されているので、治療中は体重の変化に注意すること。

重度の肝機能障害のある患者では、投与経験がなく、安全性が確立されていないため、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ投与すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。本剤のチトクロームP450(CYP)による代謝はわずかである。(【薬物動態】の項参照)

薬物代謝酵素用語

CYP

薬物代謝酵素用語

エステラーゼ

併用注意

コリン作動薬
アセチルコリン
カルプロニウム
ベタネコール
アクラトニウム
コリンエステラーゼ阻害剤
アンベノニウム
ジスチグミン
ピリドスチグミン
ネオスチグミン等
コリン刺激作用が増強され、コリン系副作用(悪心、嘔吐、徐脈等)を引き起こす可能性がある。本剤と同様にコリン作動性作用を有している。
抗コリン作用を有する薬剤
トリヘキシフェニジル
ピロヘプチン
マザチコール
メチキセン
ビペリデン等
アトロピン系抗コリン剤
ブチルスコポラミン
アトロピン等
本剤と抗コリン作用を有する薬剤のそれぞれの効果が減弱する可能性がある。本剤と抗コリン作用を有する薬剤の作用が相互に拮抗する。
サクシニルコリン系筋弛緩剤
スキサメトニウム等
サクシニルコリン系筋弛緩剤の作用が過剰にあらわれるおそれがある。本剤がコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。

副作用

副作用発現状況の概要

国内臨床試験において安全性解析の対象となった1,073例中846例(78.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、適用部位紅斑404例(37.7%)、適用部位そう痒感393例(36.6%)、接触性皮膚炎273例(25.4%)、適用部位浮腫119例(11.1%)、嘔吐84例(7.8%)、悪心82例(7.6%)、食欲減退56例(5.2%)及び適用部位皮膚剥脱52例(4.8%)であった。(用法及び用量の一変承認時までの集計)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

狭心症(0.3%)、心筋梗塞(0.3%)、徐脈(0.8%)、房室ブロック(0.2%)、洞不全症候群(頻度不明注))

狭心症、心筋梗塞、徐脈、房室ブロック、洞不全症候群があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

脳血管発作(0.3%)、痙攣発作(0.2%)

一過性脳虚血発作、脳出血及び脳梗塞を含む脳血管発作、痙攣発作があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍(いずれも頻度不明注))、十二指腸潰瘍、胃腸出血(いずれも0.1%)

食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸出血があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝炎(頻度不明注))

肝炎があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

失神(0.1%)

失神があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

幻覚(0.2%)、激越(0.1%)、せん妄、錯乱(いずれも頻度不明注))

幻覚、激越、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。

脱水(0.4%)

嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがあるので、このような場合には、補液の実施及び本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注)自発報告又は外国でのみ発現した副作用は、頻度不明とした。

その他の副作用

 頻度不明注)5%以上1%〜5%未満1%未満
感染症尿路感染
血液及びリンパ系障害貧血、好酸球増加症
代謝及び栄養障害食欲減退糖尿病
精神障害不安、攻撃性、悪夢 不眠症、うつ病、落ち着きのなさ
神経系障害浮動性めまい、頭痛傾眠、振戦
心臓障害上室性期外収縮、頻脈、心房細動
血管障害高血圧
胃腸障害膵炎嘔吐、悪心下痢、腹痛、胃炎消化不良
皮膚及び皮下組織障害蕁麻疹、水疱接触性皮膚炎発疹、湿疹、紅斑、そう痒症、多汗症、アレルギー性皮膚炎
腎及び尿路障害血尿頻尿、蛋白尿、尿失禁
全身障害疲労、無力症、けん怠感
適用部位障害適用部位過敏反応適用部位紅斑、適用部位そう痒感、適用部位浮腫適用部位皮膚剥脱、適用部位疼痛、適用部位亀裂、適用部位皮膚炎適用部位反応、適用部位腫脹、適用部位刺激感
臨床検査体重減少、血中アミラーゼ増加肝機能検査異常、コリンエステラーゼ減少
その他縮瞳転倒・転落、末梢性浮腫
注)自発報告又は外国でのみ発現した副作用は、頻度不明とした。

妊婦、産婦、授乳婦等への使用

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。〕

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。〕

小児等への使用

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

徴候、症状

外国において本剤の過量投与(1回108mg、2日間)の2週間後に死亡したとの報告がある。また、外国における経口投与及び国内外における経皮投与による過量投与例では、嘔吐、悪心、下痢、腹痛、めまい、振戦、頭痛、失神、傾眠、錯乱状態、幻覚、多汗症、徐脈、高血圧、けん怠感及び縮瞳等が認められている。

処置

過量投与時には、速やかに本剤をすべて除去し、その後24時間はそれ以上の貼付を行わない。重度の悪心、嘔吐には制吐剤の使用を考慮すること。その他の有害事象に対しては、必要に応じて対症療法を行う。また、大量の過量投与時には、アトロピン硫酸塩水和物を解毒剤として使用できる。最初にアトロピン硫酸塩水和物として1〜2mgを静脈内投与し、臨床反応に応じて投与を追加する。解毒剤としてスコポラミンの使用は避けること。

適用上の注意

貼付時

本剤は、背部、上腕部又は胸部の正常で健康な皮膚で、清潔で乾燥した体毛が少ない、密着した衣服を着用してもこすれない箇所に貼付すること。

貼付箇所の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。

皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる箇所には貼付しないこと。

貼付する箇所にクリーム、ローション又はパウダーを塗布しないこと。

皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更し、繰り返し同一箇所には貼付しないこと。

原則、1回につき1枚のみ貼付し、貼付24時間後に新しい製剤に貼り替えること。

本剤が剥がれた場合は、その時点で新しい製剤に貼り替え、翌日より通常通りの時間に貼り替えを行うこと。

保管・廃棄

使用するまでは小袋内で保管すること。

小児の手及び目の届かない、高温にならない所に保管すること。

貼付24時間後も本剤の成分が残っているので、使用済みの製剤は接着面を内側にして折りたたみ、小児の手及び目の届かない所に安全に廃棄すること。

本剤を扱った後は、手を眼に触れず、手を洗うこと。

薬物動態

血中濃度

健康成人に本剤9mgもしくは18mgを1日1回反復投与(5日間貼付)したときの投与5日目の血漿中リバスチグミン濃度推移を下図に示す。血漿中リバスチグミンは貼付8時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に到達し、貼付24時間後(貼付終了時)まで緩やかに減少した。Cmaxは本剤9mgで3.39±1.44ng/mL、18mgで8.27±2.31ng/mL(平均値±標準偏差)であった。[1]

<健康成人に本剤9mgもしくは18mgを5日間反復投与したときの投与5日目の血漿中薬物動態パラメータ>

投与量Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-24h(ng・h/mL)
9mg3.39±1.44862.9±18.7
18mg8.27±2.318153.3±41.5
n=18、平均値±標準偏差、※:中央値

<健康成人に本剤9mgもしくは18mgを5日間反復投与したときの投与5日目の血漿中薬物濃度推移>

本剤18mgを除去後の血漿中リバスチグミン濃度の消失半減期は3.3時間であった。いずれの用量でもリバスチグミンの本剤からの放出率は含量の約50%であった。[1]
血漿中リバスチグミン濃度は投与開始3日で定常状態に到達した。本剤9mgの初回投与日及び投与5日目のAUC0-24h比から求めた累積率は1.34であった。[1]

吸収

背部、上腕部、胸部に貼付したとき、リバスチグミンの暴露量には貼付部位間で差が認められなかった。[2][3](外国人のデータ)

分布

リバスチグミンの血漿中蛋白結合率は、本剤投与後の血漿中濃度付近で約40%であった(in vitro)。[4]

代謝

リバスチグミンは、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。CYPによる代謝はわずかである。

排泄

リバスチグミンの排泄は代謝物の腎排泄が主である。健康成人に[14C]標識リバスチグミンを経口投与したとき、24時間以内に90%以上が尿中へ排泄され、糞中への排泄は1%未満であった。[5](外国人のデータ)

肝機能障害患者

本剤で肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施されていない。なお、リバスチグミンの経口剤(国内未承認)を、Child-Pughスコアが5〜12の肝硬変患者に単回投与したとき、健康成人と比較してリバスチグミンのAUCが約130%、Cmaxが約60%上昇した。[6](外国人のデータ)

薬物間相互作用

本剤の薬物間相互作用を検討した試験はない。リバスチグミンの経口剤(国内未承認)について、ジゴキシン、ワルファリン、ジアゼパム、フルオキセチンとの薬物動態学的相互作用を検討した結果、リバスチグミンの薬物動態に対する併用薬の影響は認められなかった。[7][8][9][10]リバスチグミンは主にエステラーゼにより代謝され、CYPによる代謝はわずかであることから、CYPを阻害する薬物と併用してもリバスチグミンの薬物動態は影響を受けないと考えられる。また、本剤18mgを貼付したときのリバスチグミンのCmaxはCYPに対するIC50値より十分低いことから、CYPにより代謝される併用薬の薬物動態に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。[11]

臨床成績

国内臨床試験(アルツハイマー型認知症患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験)

軽度及び中等度(ミニメンタルステート検査(MMSE):10〜20点)のアルツハイマー型認知症患者を対象とした本剤のプラセボ対照二重盲検比較試験(24週間投与)の概要は次のとおりである。

認知機能検査(ADAS-J cog)

投与24週時のベースラインからの変化量(平均値)は、プラセボ群で1.3点、本剤18mg群で0.1点であり、プラセボ群と本剤18mg群間には統計学的に有意な差がみられた(p=0.005、共分散分析)。[12]

<日本人患者に対する投与24週時のADAS-J cogの群間比較>

  プラセボ
N=268
本剤18mg
N=273
 評価例数a) 265268
ベースラインMean(SD)24.8(9.46)25.0(9.93)
24週時Mean(SD)26.1(11.49)25.1(11.25)
変化量b)(24週時−ベースライン)Mean(SD)1.3(5.07)0.1(5.04)
LSmean(SE)c) 1.3(0.31)0.1(0.30)
投与群間差(本剤−プラセボ)LSmean(SE)c) −1.2(0.43)
95%信頼区間c) (−2.1〜−0.4)
N:有効性評価対象例SD:標準偏差 SE:標準誤差 LSmean:最小二乗平均a)評価例数:ベースライン及びベースライン後の評価の両方を有する被験者b)スコアの減少は改善を示すc)LSmeanとLSmeanの95%信頼区間は、投与群を因子、ADAS-J cogのベースラインを共変量とする共分散分析モデルから算出

全般臨床評価(CIBIC plus-J)

投与24週時の全般臨床評価では、プラセボ群と本剤18mg群間には統計学的に有意な差はみられなかった(p=0.067、Wilcoxon順位和検定)。[12]

<日本人患者に対する投与24週時のCIBIC plus-Jの群間比較>

  プラセボ
N=268
本剤18mg
N=273
評価例数a) 267270
Mean(SD)4.4(0.94)4.2(0.96)
Score-n(%)b) 大幅な改善0(0.0)0(0.0)
中程度の改善5(1.9)6(2.2)
若干の改善36(13.5)53(19.6)
症状の変化なし111(41.6)109(40.4)
若干の悪化84(31.5)78(28.9)
中程度の悪化29(10.9)22(8.1)
大幅な悪化2(0.7)2(0.7)
N:有効性評価対象例SD:標準偏差a)評価例数:ベースライン後の評価を有する被験者b)%は評価例数を分母として算出

国内臨床試験(アルツハイマー型認知症患者を対象とした2種類の漸増法を比較した二重盲検比較試験)

軽度及び中等度(MMSE:10〜20点)のアルツハイマー型認知症患者を対象に、2種類の漸増法(1ステップ漸増法:本剤1日1回9mgから投与を開始し、原則として4週後に1日1回18mgに増量し、維持用量として1日1回18mgを投与した群、3ステップ漸増法:本剤1日1回4.5mgから投与を開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持用量として1日1回18mgを投与した群)の忍容性を比較した、二重盲検比較試験(24週間投与)の概要を以下に示す。

有害事象による中止率

有害事象による中止率は1ステップ漸増法で15.0%(16/107例)、3ステップ漸増法で18.5%(20/108例)であった。有害事象による中止率の群間差(1ステップ漸増法−3ステップ漸増法)は−3.6%(95%信頼区間;−17.0〜9.6)であった。[13]

薬効薬理

作用機序

リバスチグミンは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経を賦活する。

脳内コリンエステラーゼ阻害作用及びアセチルコリン増加作用

ラットの脳内アセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンレベルを増加させる。[14]

学習記憶改善作用

コリン作動性神経遮断モデル(スコポラミン処置ラット)やアルツハイマー病モデル(アミロイドβ脳内注入マウス及びAPP23マウス)の学習記憶障害を改善する。[15][16][17]

有効成分に関する理化学的知見

一般名リバスチグミン
一般名(欧名)Rivastigmine
化学名3-[(1S)-1-(Dimethylamino)ethyl]phenyl N-ethyl-N-methylcarbamate
分子式C14H22N2O2
分子量250.34
性状無色〜黄色又は微褐色澄明の粘性の液である。水にやや溶けにくく、メタノール、エタノール(99.5)に極めて溶けやすい。
分配係数>100(1-オクタノール/水)
KEGG DRUGD03822

包装

イクセロンパッチ4.5mg

(分包品)

14枚 28枚 140枚

イクセロンパッチ9mg

(分包品)

14枚 28枚 140枚

イクセロンパッチ13.5mg

(分包品)

14枚 28枚 140枚

イクセロンパッチ18mg

(分包品)

14枚 28枚 140枚

主要文献


1. 社内資料:日本人健康被験者を対象とした反復投与試験
2. Lefevre,G.et al.,  J.Clin.Pharmacol.,  47 (4),  471,  (2007) »PubMed
3. 社内資料:5種類の製剤を上背部及び下背部に貼付したときの薬物動態
4. 社内資料:[3H]リバスチグミンの血漿たん白結合率及び血球移行率
5. 社内資料:健康成人男性を対象とした経口投与時の薬物動態
6. 社内資料:肝機能障害を有する被験者を対象とした経口投与時の薬物動態
7. 社内資料:ジゴキシンとの併用による経口投与時の薬物相互作用、経口投与時のバイオアベイラビリティ
8. 社内資料:ワルファリンとの併用による経口投与時の薬物相互作用
9. 社内資料:ジアゼパムとの併用による経口投与時の薬物相互作用
10. 社内資料:フルオキセチンとの併用による経口投与時の薬物相互作用
11. 社内資料:薬物代謝酵素の阻害
12. Nakamura,Y.et al.,  Dementia Geriatr.Cogn.Disord.Extra.,  1 (163),  (2011)
13. 社内資料:国内第III相臨床試験(D1303試験)
14. Cerbai,F.et al.,  Eur.J.Pharmacol.,  572 (2-3),  142,  (2007) »PubMed
15. Bejar,C.et al.,  Eur.J.Pharmacol.,  383 (3),  231,  (1999) »PubMed
16. Van Dam,D.et al.,  Psychopharmacology,  180 (1),  177,  (2005) »PubMed
17. Meunier,J.et al.,  Br.J.Pharmacol.,  149 (8),  998,  (2006) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2015年8月 改訂
2016年7月 第7版 改訂

文献請求先

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ノバルティスファーマ株式会社
105-6333
東京都港区虎ノ門1-23-1
0120-003-293 受付時間:月〜金9:00〜17:30(祝祭日及び当社休日を除く)

業態及び業者名等

製造販売
ノバルティスファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門1-23-1


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版