医療用医薬品 : アエントリペンタート

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医薬品情報


総称名 アエントリペンタート
一般名 ペンテト酸亜鉛三ナトリウム
欧文一般名 Pentetate Zinc Trisodium
薬効分類名 超ウラン元素体内除去剤
薬効分類番号 3929
KEGG DRUG D09762 ペンテト酸亜鉛三ナトリウム
商品一覧 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2020年9月 改訂 (第2版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取り扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アエントリペンタート静注1055mg 日本メジフィジックス 392941XA1028 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

超ウラン元素(プルトニウム,アメリシウム,キュリウム)による体内汚染の軽減

効能効果に関連する使用上の注意

プルトニウム,アメリシウム,キュリウム以外の放射性核種による体内汚染に対する本剤の有効性及び安全性は確認されていない。

用法用量

通常,ペンテト酸亜鉛三ナトリウムとして1055mgを1日1回点滴静注,又は緩徐に静脈内投与する。
なお,患者の状態,年齢,体重に応じて適宜減量する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は,100〜250mLの5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で希釈して約15〜60分かけて点滴静注する,又は3〜4分間かけて緩徐に静脈内投与すること。

治療開始後は尿中の放射能を適宜測定し,本剤の投与継続の必要性を考慮すること。

超ウラン元素による体内汚染の軽減には,本剤又はペンテト酸カルシウム三ナトリウムのいずれかを投与することができるが,薬剤の選択に際しては,国内ガイドライン1)等を参考に,患者の状態等を考慮して判断すること。

小児への投与に際しては,体重に応じて投与量を調節すること。参考として,成人の体重を60kgとした場合,体重当たりの1回投与量は約18mg/kgに相当し,体重10kgでは約176mg,体重20kgでは約352mg,体重30kgでは約528mgとなる。[「小児等への投与」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

腎障害のある患者[本剤は腎排泄型であるため,腎障害が悪化するおそれがある。]

低カルシウム血症の患者[低カルシウム血症が悪化するおそれがある。]

心疾患の既往歴のある患者[心疾患が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

腎機能に注意してモニタリングを行うこと。

本剤投与中は,一過性に血清カルシウムが低下する可能性があるため,低血圧や不整脈等に注意すること2)

心疾患の既往歴のある患者への投与は,血圧や心電図,血中のカルシウム濃度をモニタリングし,心疾患の悪化に注意すること。

本剤長期投与中は,微量金属(マグネシウム,マンガン等)の血中濃度の推移を注意深くモニタリングし,必要に応じて微量金属の補充を考慮すること。

プルトニウム,アメリシウム,キュリウム以外の超ウラン元素による体内汚染に対する有効性に関して,ネプツニウムについては,ラットにネプツニウムとペンテト酸のキレート体を投与した試験においてネプツニウムとペンテト酸のキレート体は生体内で不安定である旨3),ウランについてはペンテト酸を含む複数のキレート剤による排泄促進効果は明確にされていない旨4)5)が報告されている。

体内汚染が吸入によって起こった場合,代替投与経路としてネブライザーを用いて本剤を吸入投与できることが報告されている1)。本剤を吸入投与する場合,本剤を同容量の注射用水又は生理食塩液で希釈すること。なお,喘息の既往歴のある患者では吸入投与により喘息の悪化を伴う可能性があるため1),慎重に投与すること。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は副作用発現頻度が明確となる臨床試験を実施していない。

その他の副作用

 頻度不明
精神・神経系頭痛,頭部ふらふら感
循環器系頻脈
泌尿器膀胱痛,血尿
※吸入投与でのみ認められた副作用

高齢者への投与

一般に,高齢者では生理機能が低下しているので,副作用の発現に注意し,慎重に投与すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス,ラット)で胚致死作用,出生児の体重低値及び水腎症が報告されている。]

授乳婦への投与

本剤投与中は,授乳を避けさせること。[本剤の母乳への移行を確認する試験は実施されていない。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない7))。

適用上の注意

アンプルカット時

本剤はワンポイントカットアンプルであるが,異物の混入を避けるため,アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすること。

投与時

本剤は静注用として用いるため,筋肉内には投与しないこと。また,本剤は独立したラインにて投与すること。他の注射剤,輸液(ブドウ糖注射液又は生理食塩液以外)と混合しないこと。[キレート剤であるため配合変化が起きる可能性がある。]

その他の注意

排泄物等の取扱いについて,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に処理すること。[超ウラン元素と結合した本剤は主に尿中に排泄されるため,本剤投与中の患者の尿中には超ウラン元素が高濃度に含まれる可能性がある。]

薬物動態

14C標識ペンテト酸を健康成人男性2例に単回静脈内投与したとき,いずれの症例においても放射能は速やかに尿中に排泄され,投与された放射能に対する投与24時間までの累積尿中排泄率は99%以上であった。また,14C標識ペンテト酸を健康成人男性に単回吸入投与したとき,総投与放射能の約35%が吸収され,血漿中からの放射能の消失半減期は140分であり,吸収された放射能のうち,約0.06%が投与5〜10分後に呼気中へ,約26%が投与4日後までに糞便中へ,約74%が投与6日後までに尿中へ排泄された8)

臨床成績

プルトニウム,アメリシウム及びキュリウムの体内汚染を受けた685例に本剤又はペンテト酸カルシウム三ナトリウムが投与され,そのうち,18例において本剤又はペンテト酸カルシウム三ナトリウム投与前後の尿中放射能が測定された9)。本剤の投与を受けた1例(治療初期:吸入投与(3回),治療後期:静脈内投与(6回))における,本剤初回投与前の尿中放射能に対する初回投与後の尿中放射能の比は0.83であったが,複数回投与時における比は,吸入投与時1.6〜45.1,静脈内投与時1.8〜10.0であった。また,ペンテト酸カルシウム三ナトリウムを初回投与後,本剤へ切り替えて投与された症例においても,本剤による放射能の尿中排泄促進効果が認められた。

薬効薬理

アメリシウム-241を投与したラットに本剤を単回静脈内投与したとき,大腿骨,肝臓,腎臓,脾臓,肺等のいずれの器官においても放射能の滞留率が低下した10)。また,プルトニウム-239又はキュリウム-242を投与したラットに本剤を腹腔内投与したとき,肝臓,脾臓,腎臓,肺等のいずれの器官においても放射能の滞留率が低下した11)
プルトニウム-238又はアメリシウム-241を吸入させたハムスター又はラットにペンテト酸カルシウム三ナトリウムを吸入投与し,続いて本剤を吸入投与したとき,肺の放射能量はいずれの動物種においても低下した12)

有効成分に関する理化学的知見

一般名ペンテト酸亜鉛三ナトリウム
一般名(欧名)Pentetate Zinc Trisodium
化学名Trisodium(N,N-bis{2-[bis(carboxymethyl)amino]-ethyl}glycinato(5-))zincate(3-)
分子式C14H18N3Na3O10Zn
分子量522.66
性状白色の結晶性の粉末である。
KEGG DRUGD09762

取り扱い上の注意

容器の開け方

開封時には,先端が上を向くように回転させ,下向きに力を入れて首の部分を折る。

包装

5アンプル/1包装

主要文献


1. 財団法人 原子力安全研究協会(DTPA投与方法検討委員会),  DTPA投与方法に係るガイドライン,  (2008)
2. Fukuda S,Yamagiwa J,Iida H,  Effect of intravenously injected DTPA on cardiovascular system in rats.Hoken Butsuri,  21,  245-250,  (1986)
3. Morin M,Nenot JC,Lafuma J,  The behavior of 237Np in the rat.Health Phys,  24,  311-315,  (1973) »PubMed »DOI
4. Fukuda S,  Chelating agents used for plutonium and uranium removal in radiation emergency medicine.Curr Med Chem,  12,  2765-2770,  (2005) »PubMed »DOI
5. Volf V,  Optimisation and Status of Chelation Therapy.Radiat Prot Dosimetry,  26,  331-335,  (1989)
6. Drug Approval Package for Application Number:21-749 and 21-751.Medical review,Appendix A:Detail of clinical adverse events,Appendix B:Detail of Laboratory adverse events.Center for Drug Evaluation and Research,U.S.Food and Drug Administration,  (2004)
7. Cohen N,Wrenn McDE,Guilmette RA,Lo Sasso T,  Enhancement of 241Am excretion by intravenous administration of Na3(Ca-DTPA)in man and baboon:A comparison.Int Semin Diagn Treat Inc Radionuclides,  461-475,  (1976)
8. Stather JW,Smith H,Bailey MR,Birchall A,Bulman RA,Crawley FEH,  The retention of 14C-DTPA in human volunteers after inhalation or intravenous injection.Health Phys,  44,  45-52,  (1983) »PubMed »DOI
9. Drug Approval Package for Application Number:21-749 and 21-751.Medical review,Review of the REACT/TS database,Efficacy Review.Center for Drug Evaluation and Research,U.S.Food and Drug Administration,  (2004)
10. Seidel A,  Comparison of the effectiveness of CaDTPA and ZnDTPA in removing 241Am from the rat.Radiat Res,  54,  304-315,  (1973) »PubMed
11. Seidel A,Volf V,  Removal of internally deposited transuranium elements by Zn-DTPA.Health Phys,  22,  779-783,  (1972) »PubMed »DOI
12. Stather JW,Stradling GN,Gray SA,Moody J,Hodgson A,  Use of DTPA for increasing the rate of elimination of plutonium-238 and americium-241 from rodents after their inhalation as the nitrates.Hum Toxicol,  4,  573-582,  (1985) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2011年8月 作成
2020年9月 改訂 (第2版)

文献請求先

日本メジフィジックス株式会社
661-0976
兵庫県尼崎市潮江1丁目2番6号
0120-07-6941(フリーダイアル)

業態及び業者名等

製造販売元
日本メジフィジックス株式会社
東京都江東区新砂3丁目4番10号

製造元
EVER Pharma Jena GmbH
ドイツ

提携
HEYL Chemisch-pharmazeutische Fabrik GmbH & Co.KG
ドイツ


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/11/17 版