医療用医薬品 : レボカバスチン

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医薬品情報


総称名 レボカバスチン
一般名 レボカバスチン塩酸塩
欧文一般名 Levocabastine Hydrochloride
製剤名 レボカバスチン塩酸塩点眼液
薬効分類名 H1ブロッカー点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01GX02
KEGG DRUG
D01717 レボカバスチン塩酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」 (後発品) LEVOCABASTINE Ophthalmic Suspension 0.025%「FFP」 共創未来ファーマ 1319746Q1096 46.3円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[15.1参照]

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、レボカバスチン80mg/kg経口投与(臨床投与量の33000倍以上に相当)により、胎児死亡及び催奇形性(多指、水頭、過剰中足骨及び無眼球)が報告されている1)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。[16.5.2参照]
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意
オキシメタゾリン本剤の吸収が低下する可能性がある。機序不明

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、顔面浮腫等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.5%以上0.5%未満頻度不明
眼刺激眼瞼炎、眼脂、眼球乾燥感、羞明、そう痒感角膜上皮障害(角膜びらん、点状表層角膜炎等)、結膜充血、霧視(感)、結膜炎、眼瞼浮腫、眼痛、流涙
免疫系  血管神経性浮腫
皮膚  接触皮膚炎、蕁麻疹
循環器  動悸
精神神経系 頭痛、眠気 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。
・本剤は懸濁液のため、使用の際にはその都度容器をよく振盪すること。
・点眼したときに液が眼瞼皮膚等についた場合は、すぐにふき取ること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・点眼に際しては、原則として仰臥位をとり、患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。[2.参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
健康成人に0.05%レボカバスチン塩酸塩点眼液を両眼に1滴ずつ(レボカバスチン塩酸塩として30μg)6時間間隔で1日3回注)、11日間反復投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与5日目には定常状態に達し、蓄積性は認められなかった。最終投与後のCmaxは0.94ng/mL、消失半減期は約41時間であった2)
16.4 代謝
健康成人に3H-レボカバスチン塩酸塩(レボカバスチンとして1mg)を単回経口投与注)したとき、尿中放射活性の大部分は未変化体であり、主代謝物はレボカバスチンのグルクロン酸抱合体であった3)。(外国人データ)
16.5 排泄
16.5.1 健康成人に0.05%レボカバスチン塩酸塩点眼液を両眼に1滴ずつ(レボカバスチン塩酸塩として30μg)6時間間隔で1日3回注)、11日間反復投与したとき、最終投与後96時間までに総点眼量の約16%が未変化体として尿中へ排泄された2)
16.5.2 授乳婦に単回経口投与(レボカバスチンとして0.5mg)注)したとき、母乳中への微量の移行がみられ、唾液中濃度と乳汁中濃度はほぼ等しかった4)。(外国人データ)[9.6参照]
16.8 その他
16.8.1 生物学的同等性試験
家兎結膜中における薬物滞留性
日本白色家兎にレボカバスチン点眼液0.025%「FFP」あるいはリボスチン点眼液0.025%を点眼後0.5、1、3、8及び24時間に眼瞼結膜を摘出し結膜中薬物濃度を測定した。結膜中の薬物濃度は、レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」の点眼0.5時間後に最高値(199.19ng/g)を示した後、一次速度式に従って徐々に消失した。レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」とリボスチン点眼液0.025%の値を用いてStudentのt検定にて統計解析を行った結果、いずれの測定点においても両剤の間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された5)
結膜中のレボカバスチン塩酸塩濃度
n=4〜5、平均値±標準誤差
注)本剤の濃度は0.025%であり、本剤の承認された用法及び用量は、「1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
アレルギー性結膜炎患者230例において、比較試験を含む臨床試験での中等度改善以上の改善率は69.1%(159/230例)で、自覚症状ではそう痒感、異物感、眼脂、流涙、羞明、眼痛、他覚所見では結膜充血及び浮腫、角膜輪部病変が改善された。また、比較試験で0.025%レボカバスチン塩酸塩点眼液の有用性が確認された6)7)8)9)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヒスタミンH1受容体に特異的に働き、強力かつ持続的な拮抗作用を有し、アレルギー性結膜炎におけるそう痒感、充血などの諸症状を改善する10)
18.2 抗ヒスタミン作用
18.2.1 モルモットでのヒスタミン誘発による回腸及び気管の収縮を抑制する(in vitro11)12)
18.2.2 モルモットでのヒスタミン静注致死及びヒスタミン吸入呼吸困難を抑制する(in vivo13)
18.2.3 ラットでのcompound48/80誘発致死を抑制する(in vivo14)
18.3 実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する作用
モルモット及びラットのアレルギー性結膜炎モデルにおいて、ヒスタミン及び抗原誘発による結膜炎症状(充血及び浮腫)、結膜の血管透過性亢進を抑制する15)16)17)18)
18.4 好中球及び好酸球の遊走抑制作用(点眼投与)
ヒスタミン誘発によるモルモット結膜への好中球及び好酸球の遊走を抑制する(in vivo19)
18.5 生物学的同等性試験
18.5.1 ラット実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する作用
抗卵白アルブミンラット血清をラット結膜下に注射することにより感作し、48時間後に卵白アルブミン/エバンスブルー溶液を静脈内投与し結膜にアレルギー反応を惹起した。惹起30分後に眼球結膜及び眼瞼結膜を摘出し、組織中漏出色素量を血管透過性の指標とし評価した。レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」及びリボスチン点眼液0.025%において得られた値を用いて90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)(=−0.09691〜0.09691)の範囲内にあることから両剤の生物学的同等性が確認された5)
試験製剤例数組織内色素量(吸光度)
レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」100.1414±0.0041**
リボスチン点眼液0.025%100.1393±0.0069**
基剤200.2397±0.0083
18.5.2 モルモットヒスタミン誘発結膜炎モデルに対する作用
ヒスタミン溶液をモルモット眼瞼結膜嚢に投与し実験的結膜炎を惹起した。レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」あるいはリボスチン点眼液0.025%を惹起15分前に点眼投与することにより予防効果を検証し、惹起後5分及び10分に2回点眼することにより治療効果を検証した。結膜炎の程度を肉眼的に観察し、基準に従いスコア化することで評価した。基剤のスコア値に対するレボカバスチン点眼液0.025%「FFP」及びリボスチン点眼液0.025%のスコア値の比率より結膜炎抑制率を算出し、それらの値を用いて90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、予防効果、治療効果共にlog(0.80)〜log(1.25)(=−0.09691〜0.09691)の範囲内にあることから両剤の生物学的同等性が確認された5)
予防効果(惹起の15分前に1回点眼)
試験製剤例数結膜炎抑制率(%)
レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」870.4±3.29
リボスチン点眼液0.025%867.1±4.30
治療効果(惹起後5分及び10分に2回点眼)
試験製剤例数結膜炎抑制率(%)
レボカバスチン点眼液0.025%「FFP」1441.8±2.99
リボスチン点眼液0.025%1441.8±2.99

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. レボカバスチン塩酸塩

一般的名称 レボカバスチン塩酸塩
一般的名称(欧名) Levocabastine Hydrochloride
化学名 (−)-(3S,4R)-1-[cis-4-cyano-4-(4-fluorophenyl)cyclohexyl]-3-methyl-4-phenylpiperidine-4-carboxylic acid monohydrochloride
分子式 C26H29FN2O2・HCl
分子量 456.98
物理化学的性状 本品は白色もしくはほとんど白色の粉末で、ギ酸にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、水、無水酢酸、2-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01717

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、上向きに保管すること。
20.2 小児の手の届かない所に保管すること。

22. 包装

5mL×10本

23. 主要文献

  1. wistar系ラットにおける胎児毒性及び催奇形性試験(segment ii)帝王切開及び自然分娩試験並びに次世代試験 投与経路:強制経口投与(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ニ 3.(2).1)
  2. 澤 充 他, 薬理と治療, 22 (11), 4697-4711, (1994)
  3. ヒトに単回経口投与したときのlevocabastineの吸収、排泄及び代謝(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ヘ 3.(1).2).[1])
  4. ヒト乳汁中へのlevocabastineの排泄(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ヘ 3.(1).2).[3])
  5. 共創未来ファーマ株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
  6. 澤 充 他, あたらしい眼科, 12 (2), 317-332, (1995)
  7. 澤 充 他, あたらしい眼科, 12 (2), 333-350, (1995)
  8. 澤 充 他, あたらしい眼科, 11 (12), 1893-1902, (1994)
  9. 澤 充 他, あたらしい眼科, 11 (12), 1903-1912, (1994)
  10. 作用機序(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要イ 1.(2)、ホ 2.)
  11. Tasaka K, et al., Arzneim.-Forsch. /Drug Res., 43 (12), 1331-1337, (1993)
  12. ヒスタミンによる気管収縮に対する作用(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ホ 5.(1))
  13. モルモットにおける塩酸レボカバスチンのin vivoでの抗ヒスタミン作用、抗セロトニン作用及び抗コリン作用:対照薬との比較(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ホ 2.(1).3))
  14. Dechant KL, et al., Drugs., 41 (2), 202-224, (1991) »PubMed
  15. Kamei C, et al., J. Pharmacobio-Dyn., 14 (8), 467-473, (1991) »PubMed
  16. 亀井千晃 他, あたらしい眼科, 11 (4), 603-605, (1994)
  17. モルモットにおけるヒスタミン及び抗原誘発結膜炎に対するレボカバスチン局所投与の作用(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ホ 1.(2))
  18. 実験的アレルギー性結膜炎ならびに鼻炎に対する塩酸levocabastineの影響(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ホ 1.(3).2)、(4).2))
  19. モルモットにおけるhistamine誘発による好中球および好酸球の結膜への浸潤に対する塩酸levocabastine点眼薬の作用(リボスチン点眼液 承認年月日:2000年9月22日、申請資料概要ホ 1.(6))

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
共創未来ファーマ株式会社 お客様相談室
〒155-8655 東京都世田谷区代沢5-2-1
電話:050-3383-3846
製品情報問い合わせ先
共創未来ファーマ株式会社 お客様相談室
〒155-8655 東京都世田谷区代沢5-2-1
電話:050-3383-3846

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
共創未来ファーマ株式会社
東京都品川区広町1-4-4

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版