2.1 出血している患者:出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血又は原発性脳室内出血を合併している患者[出血を助長する可能性がある。][8.、
9.1.2、
11.1.1参照]
2.2 重篤な意識障害を伴う大梗塞の患者、脳塞栓症の患者[出血性脳梗塞が発現しやすい。]
2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
○脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善
<クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善>
通常成人に、オザグレルナトリウムとして1日量80mgを24時間かけて静脈内に持続投与する。投与はクモ膜下出血術後早期に開始し、2週間持続投与することが望ましい。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善>
通常成人に、オザグレルナトリウムとして1回量80mgを2時間かけて1日朝夕2回の持続静注を約2週間行う。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与により出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血を助長する可能性があるので、救急処置のとれる準備を行い投与すること。また、臨床症状及びコンピュータ断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。[
2.1、
11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳塞栓症のおそれのある患者
心房細動、心筋梗塞、心臓弁膜疾患、感染性心内膜炎及び瞬時完成型の神経症状を呈する患者
脳塞栓症の患者は出血性脳梗塞が発現しやすいため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 出血している患者
9.1.3 出血の可能性のある患者
脳出血の既往歴のある患者、重症高血圧患者、重症糖尿病患者、血小板の減少している患者等
9.1.4 心臓、循環器系機能障害のある患者
(生理食塩液に関する注意)
循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
(生理食塩液に関する注意)
水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血
<クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善>
出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(1.9%)、消化管出血(0.8%)、皮下出血(0.8%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある。本剤は血小板凝集能を抑制する。[
2.1、8.、
9.1.2参照]
<脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善>
出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(0.3%)、消化管出血(頻度不明)、皮下出血(0.3%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある。血小板凝集能を抑制する。[
2.1、8.、
9.1.2参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫、冷感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
著しいAST・ALTの上昇等を伴う重症な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 血小板減少(頻度不明)
11.1.5 白血球減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)
発症時には発熱や悪寒等がみられることが多いので、これらの症状があらわれた時は本症を疑い血液検査を行うこと。
11.1.6 腎機能障害(頻度不明)
重篤な腎機能障害(急性腎障害等)があらわれることがある。腎機能障害時には血小板減少を伴うことが多い。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1%〜3%未満 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 発疹、蕁麻疹、紅斑 | 喘息(様)発作、そう痒 |
| 循環器 | 上室性期外収縮、血圧下降 | |
| 血液 | 貧血 | |
| 肝臓 | | AST・ALT、LDH、アルカリホスファターゼ、ビリルビンの上昇等 |
| 腎臓 | | BUN、クレアチニン上昇 |
| 消化器 | 嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、膨満感 | |
| その他 | 発熱、頭痛、注射部の発赤・腫脹・疼痛 | CK上昇、胸内苦悶感、ほてり、悪寒・戦慄、関節炎、CRP上昇 |
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 カルシウムを含む製剤と混合すると白濁するので、注意すること。
14.1.2 使用後の残液は使用しないこと。
14.1.3 液が澄明でないもの、着色したものは使用しないこと。
20.1 外袋は遮光性の包材を使用しているので、使用直前まで開封しないこと。また、開封後は速やかに使用すること。
20.2 外袋から取り外さず使用すること。本剤は光によりわずかに分解することがある。
20.3 次の場合は使用しないこと。
・外袋が破損している場合。
・外袋の内側に水滴や薬液の漏出が認められる場合。
・薬液に着色や混濁が認められる場合。
・排出口をシールしているフィルムがはがれている場合。
20.4 使用時には排出口をシールしているフィルムをはがすこと。
20.5 穿刺の際にはゴム栓の刺針部(凹部)にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと、排出口内壁を削り、削り片が薬液中に混入したり、排出口側壁を刺通し、液漏れを起こすことがある。
なお、同一箇所を繰り返し刺さないこと。
20.6 通気針は不要である。
20.7 連結管(U字管)による連続投与は行わないこと。
20.8 容器の目盛はおよその目安として使用すること。