医療用医薬品 : ニトログリセリン

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医薬品情報


総称名 ニトログリセリン
一般名 ニトログリセリン
欧文一般名 nitroglycerin
製剤名 ニトログリセリン注射液
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA02 C05AE01
KEGG DRUG D00515 ニトログリセリン
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2014年9月 改訂 (第4版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 操作方法 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニトログリセリン注25mg/50mLシリンジ「テルモ」 (後発品) Nitroglycerin Injection 25mg/50mL テルモ 2171403G1024 1316円/筒 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある.]

高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい,立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある.]

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩,バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され,過度に血圧を低下させることがある.(「3.相互作用」の項参照)]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

手術時の低血圧維持

手術時の異常高血圧の救急処置

急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)

不安定狭心症

用法用量

本剤は,注射液そのまま,又は生理食塩液,5%ブドウ糖注射液,乳酸リンゲル液等で希釈し,ニトログリセリンとして0.005〜0.05%(1mL当たり50〜500μg)溶液を点滴静注する.
本剤は,通常1分間に体重1kg当たりニトログリセリンとして,効能・効果ごとに下表に基づき投与する.

効能・効果用法・用量
手術時の低血圧維持1〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し,目的値まで血圧を下げ,以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する.
手術時の異常高血圧の救急処置0.5〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し,目的値まで血圧を下げ,以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する.
急性心不全
(慢性心不全の急性増悪期を含む)
0.05〜0.1μg/kg/分の投与量で投与を開始し,目的とする血行動態を得るまで血圧,左心室充満圧などの循環動態をモニターしながら5〜15分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し,最適点滴速度で維持する.
不安定狭心症0.1〜0.2μg/kg/分の投与量で投与を開始し,発作の経過及び血圧をモニターしながら約5分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し,1〜2μg/kg/分で維持する.効果がみられない場合には20〜40μg/kgの静注を1時間ごとに併用する.なお,静注する場合は1〜3分かけて緩徐に投与する.

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セットに吸着されるので,本剤点滴時にはガラス製,ポリエチレン製又はポリプロピレン製の輸液容器を使用すること.また,輸液セットへの吸着は点滴速度が遅い程及び輸液セットの長さが長くなる程吸着率が大きくなるので注意すること.[「8.適用上の注意」の項(1)参照]

用法及び用量のうち急性心不全及び不安定狭心症については吸着のない輸液セットを使用した場合の用法及び用量であり,従って塩化ビニル製の輸液セットを用いる場合には多量を要することがあるので注意すること.

使用上の注意

慎重投与

新生児及び乳幼児[「7.小児等への投与」の項参照]

高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

メトヘモグロビン血症の患者[メトヘモグロビン血症をさらに悪化させるおそれがある.]

頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある.]

著しく血圧の低い患者[血圧低下をさらに悪化させるおそれがあるので,必要ならばドパミン塩酸塩等の昇圧剤を併用すること.]

肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある.]

重要な基本的注意

本剤の作用には個人差がみられるので,本剤投与中は必ず並行して血圧のモニターを行うこと.急性心不全に対して本剤を用いる場合にはSwan-Ganzカテーテル等を使用し,肺動脈拡張期圧,肺動脈楔入圧等の血行動態をモニターしながら投与すること.また,循環機能検査,動脈血検査,尿量の検査をあわせて行うなど,患者の全身状態を十分に管理しながら投与すること.

本剤の過剰投与により血圧が低下し過ぎた場合には投与を中止すること.また,速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること.

手術後は,患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと.

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩,バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し,過度に血圧を低下させることがあるので,本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること.また,本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること.

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ,レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス,アドシルカ,ザルティア)
併用により,降圧作用を増強することがある.本剤はcGMPの産生を促進し,一方,ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから,両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する.
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により,降圧作用を増強することがある.本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は,ともにcGMPの産生を促進することから,両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する.

併用注意

パンクロニウムパンクロニウムの神経筋遮断効果を延長することがある.機序不明
利尿剤
他の血管拡張剤
血圧低下が増強されることがある.ともに血圧低下作用を有する.
ヘパリンヘパリンの作用を減弱するとの報告がある.機序不明

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

急激な血圧低下,心拍出量低下等

急激な血圧低下,心拍出量低下,心拍数増加,投与終了後の遷延性血圧低下,リバウンド現象等があらわれることがある.このような副作用があらわれた場合には投与を中止すること.また,速やかに血圧を回復させたい場合には,ドパミン塩酸塩等の昇圧剤を投与すること.

その他の副作用

 頻度不明
循環器頻脈注)
不整脈
血液メトヘモグロビン血症
呼吸器PaO2(動脈血酸素分圧)低下
精神神経系頭痛・頭重感
消化器悪心・嘔吐
その他乏尿
代謝性アシドーシス
脳浮腫
胸部不快感
倦怠感
口内乾燥感
あくび
注)頻脈は若年者で発現しやすい.

高齢者への投与

本剤は,主として肝臓で代謝されるが,高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため,高い血中濃度が持続し,血圧低下等が発現するおそれがあるので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること.[動物実験(ラット)で,乳汁中への移行が報告されている.]

小児等への投与

新生児及び乳幼児には慎重に投与すること.[メトヘモグロビン還元酵素活性が低いので,メトヘモグロビン血症を起こしやすい.]

適用上の注意

輸液容器・輸液セット等への吸着

ニトログリセリンは,一般的に使用されている塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セット等に吸着し,投与量が正確に静脈内に投与されない.吸着率は点滴速度が遅く,投与セットが長い程高くなる.ニトログリセリン濃度は,吸着率の変化に影響を与えない.点滴速度による影響は図のとおりで塩化ビニル管120cmでは点滴速度150mL/h(2.5mL/min)以上であれば投与量の80%以上が静脈内に注入される.また,塩化ビニル管の長さが長くなる程吸着率は高くなるので,本剤の使用にあたっては点滴速度,塩化ビニル管の長さに十分注意すること.

点滴速度による影響

本剤希釈時

本剤をpH10以上のアルカリ性溶液あるいは還元物質(アスコルビン酸など)を含む溶液で希釈すると,速やかにニトログリセリン含量が低下するので,このような溶液で希釈しないよう注意すること.

投与方法(シリンジポンプ使用時)

本剤をシリンジポンプにセットする際には,本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認すること.

携帯型ディスポーザブル注入ポンプは流量精度が不十分なため使用しないこと.

有効成分に関する理化学的知見

一般名ニトログリセリン
一般名(欧名)nitroglycerin
化学名Glyceryl trinitrate又は1,2,3-Propanetriol trinitrate
分子式C3H5N3O9
分子量227.09
性状常温で無色澄明の粘稠性液体で,味は甘く灼熱感があり,衝撃により爆発する.
KEGG DRUGD00515

取扱い上の注意

本剤は皮膚につけると,動悸,頭痛が起こる場合があるので,直ちに水で洗い流すこと.

<投与前の注意>

シリンジが破損するおそれがあるため,強い衝撃を避けること.

ブリスター包装は使用時まで開封しないこと.

ブリスター包装は開封口から静かに開けること.

シリンジに破損等の異常が認められるときは使用しないこと.

内容液が漏れている場合や,内容液に混濁や浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと.

<投与時の注意>

外筒を強く握らないこと.[液漏れする可能性がある.]

押子を時計回りに回し,しっかりと接続すること(カチッという音がしたら,それ以上押子を回転させないこと).[押子の接続が適切でない場合,“サイフォニング(自然落下による急速注入)”や“逆流”が起こるおそれがある.また,ガスケットが歪んだり,ガスケットと押子接続用部品の間に隙間があると,エアー混入,液漏れやシリンジポンプの残量警報が発報しないおそれがある.]

キャップを外した後,シリンジ先端部には触れないこと.

他の医療機器(三方活栓等)と嵌合する場合は,過度な締め付けをしないこと.[シリンジ先端に破損,空回りが生じ,液漏れ,エアー混入を引き起こす可能性がある.]

適合するシリンジポンプを使用すること.

シリンジポンプにセットする前に,十分注意して外筒内のエアーを抜き取った後,シリンジ先端と,注入ラインの接合部をしっかりと嵌合させる.[不十分な場合,接合部位のはずれ,接合部位からの液漏れや注入ラインへのエアー混入が起こることがある.]

シリンジポンプのスライダーのフックに確実にセットすること.[正しくセットされていない場合,“サイフォニング”や“逆流”が起こるおそれがある.]

シリンジポンプにセットした後,患者に静脈針を穿刺する前には,使用するシリンジポンプの指定する方法に従い,必ずプライミング(注入経路のエアー抜き等)を行うこと.

シリンジポンプと注入ラインの先端(投与部位)の落差はできるだけ小さくすること.[高低差によるサイフォニング現象により,薬液の急速注入が起こることがある.接合部との嵌合が不十分であることが重なると注入ライン内へのエアー混入が助長される可能性がある.]

シリンジ内に極端な陰圧がかかる状態で使用しないこと.[押子接続用部品や押子が外れ,急速注入されることがある.]

投与中は,注入ラインの破損,接合部の緩み及び薬液漏れ等について定期的に確認すること.

<投与後の注意>

開封後の使用は1回限りとし,使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄すること.

シリンジの再滅菌・再使用はしないこと.

<安定性試験>

長期保存試験(25℃,相対湿度60%,39カ月)の結果,通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された1)

包装

50mL×5本

操作方法

<各部の名称>

プレフィルドシリンジ

<押子の接続方法>

1 押子をまっすぐ挿入し,押子接続用部品に軽く突き当てる.
2 押子を時計回りに回す.カチッという音がしたら,それ以上押子を回転させないこと.
[押子の接続が適切でない場合,“サイフォニング(自然落下による急速注入)”や“逆流”が起こるおそれがある.また,ガスケットが歪んだり,ガスケットと押子接続用部品の間に隙間があると,エアー混入,液漏れやシリンジポンプの残量警報が発報しないおそれがある.]

<シリンジポンプを用いて投与する場合>

1 キャップを矢印の方向に回して外す.
2 シリンジポンプにセットする前に,十分注意して外筒内のエアーを抜き取る.
シリンジ先端部に直接手が触れないよう注意し,注入ラインの接合部をしっかりと嵌合させる.
3 シリンジポンプの取扱説明書に従い,スライダーのフックに確実にセットし,投与する.[正しくセットされていない場合,“サイフォニング”や“逆流”が起こるおそれがある.]
注意:適合するシリンジポンプを使用し,本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認すること.

主要文献


1. テルモ株式会社:安定性試験(社内資料)

作業情報


改訂履歴

2013年12月 改訂
2014年9月 改訂 (第4版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
テルモ株式会社
151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
0120-12-8195

業態及び業者名等

製造販売元
テルモ株式会社
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版