医療用医薬品 : ベタヒスチンメシル酸塩

List   Top

医薬品情報


総称名 ベタヒスチンメシル酸塩
一般名 ベタヒスチンメシル酸塩
欧文一般名 Betahistine Mesilate
薬効分類名 めまい・平衡障害治療剤
薬効分類番号 1339
ATCコード N07CA01
KEGG DRUG
D01592 ベタヒスチンメシル酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「TCK」 (後発品) BETAHISTINE MESILATE Tablets 「TCK」 辰巳化学 1339005F1407 6.3円/錠 処方箋医薬品
ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」 (後発品) BETAHISTINE MESILATE Tablets 「TCK」 辰巳化学 1339005F2160 6.6円/錠 処方箋医薬品

4. 効能または効果

下記の疾患に伴うめまい、めまい感

6. 用法及び用量

ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「TCK」
<錠6mg>
通常、成人は1回1〜2錠(ベタヒスチンメシル酸塩として1回6〜12mg)を1日3回食後経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」
<錠12mg>
通常、成人は1回1錠を1日3回食後経口投与する。(なお、ベタヒスチンメシル酸塩としての1回の用量は6〜12mgである。)ただし、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者及び活動性の消化性潰瘍のある患者
本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H2受容体を介して胃酸分泌亢進を引きおこすおそれがある。
9.1.2 気管支喘息の患者
本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H1受容体を介して気道の収縮を引きおこすおそれがある。
9.1.3 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者
本剤はヒスタミン類似作用を有するため、アドレナリンの過剰分泌により血圧上昇を引きおこすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
消化器悪心・嘔吐
過敏症発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
<ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」>
ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」とメリスロン錠12mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ベタヒスチンメシル酸塩12mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中主代謝物2-ピリジル酢酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→24hr(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」805.13±276.72169.88±61.780.80±0.554.65±2.72
メリスロン錠12mg849.78±226.14161.96±47.461.30±0.834.14±1.22
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.8 その他
<ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「TCK」>
ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「TCK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日薬食審査発第1124004号)」に基づき、ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績
総計298例について実施された二重盲検試験を含む臨床試験で、ベタヒスチンメシル酸塩はメニエール病、メニエール症候群、眩暈症等に伴うめまい、めまい感に対して有用性が認められている3)4)5)6)7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤の有効成分であるベタヒスチンの作用機序は不明である。
18.2 内耳循環障害の改善作用
モルモットの実験的内耳微小循環障害に、ベタヒスチンメシル酸塩を腹腔内投与し、30分後に、対照群に比較して148%の血流増加が認められている。また、この現象は、病的状態において特異的にみられる8)
18.3 蝸牛管血流量の増加作用
内リンパ水腫モルモットにベタヒスチンメシル酸塩を経口投与すると、蝸牛管血流量は5.5mL/min/100gから8.1mL/min/100gとなり、有意に増加した。これは、蝸牛放射状動脈の血管平滑筋弛緩作用により、血流量増加を生じたものと推察される9)
18.4 脳内血流量の改善作用
アカゲザルの実験によるとベタヒスチンメシル酸塩の静脈内投与により、大脳組織及び小脳組織の血流をそれぞれ70.4から81.4mL/100g/min.、73.2から84.0mL/100g/min.に増加させることが認められている10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベタヒスチンメシル酸塩

一般的名称 ベタヒスチンメシル酸塩
一般的名称(欧名) Betahistine Mesilate
化学名 N-Methyl-2-pyridin-2-ylethylamine dimethanesulfonate
分子式 C8H12N2・2CH4O3S
分子量 328.41
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
希塩酸に溶ける。
吸湿性である。
KEGG DRUG D01592

20. 取扱い上の注意

20.1 バラ包装は開栓後湿気を避けて保存すること。

22. 包装

<ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「TCK」>
100錠(10錠×10)
1,000錠(10錠×100)
500錠(バラ、ポリエチレン容器、乾燥剤入り)
<ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「TCK」>
100錠(10錠×10)

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験(錠12mg)
  2. 社内資料:生物学的同等性試験(錠6mg)
  3. 渡辺 いさむら, 耳鼻咽喉科, 39 (11), 1237-1250, (1967) »PubMed
  4. 岡本 健ら, 医療, 22 (5), 650-665, (1968) »DOI
  5. 石川 馨ら, 新薬と臨牀, 32 (4), 631-635, (1983)
  6. 佐藤護人ら, 薬物療法, 13 (4-5), 257-260, (1980)
  7. 野末道彦ら, 薬理と治療, 6 (1), 139-151, (1978)
  8. 斉藤 等ら, 耳鼻咽喉科臨床, 60 (12), 1112-1115, (1967) »DOI
  9. 北野 仁, 耳鼻咽喉科臨床, 78 (8), 1615-1626, (1985) »DOI
  10. Tomita,M.et al., Stroke, 9 (4), 382-387, (1978) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
辰巳化学株式会社 薬事・学術課
〒921-8164 金沢市久安3丁目406番地
電話:076-247-2132
FAX:076-247-5740
製品情報問い合わせ先
辰巳化学株式会社 薬事・学術課
〒921-8164 金沢市久安3丁目406番地
電話:076-247-2132
FAX:076-247-5740

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
辰巳化学株式会社
金沢市久安3丁目406番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版