医療用医薬品 : ヘパリン類似物質

List   Top

医薬品情報


総称名 ヘパリン類似物質
一般名 ヘパリン類似物質
欧文一般名 Heparinoid
製剤名 ヘパリン類似物質スプレー
薬効分類名 血行促進・皮膚保湿剤
薬効分類番号 3339
KEGG DRUG
D04799 ヘパリン類似物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「サトウ」 (後発品) HEPARINOID SPRAY 0.3%「SATO」 佐藤製薬 3339950R1061 7.4円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]
2.2 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]

4. 効能または効果

血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

6. 用法及び用量

通常、1日1〜数回適量を患部に噴霧する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症皮膚炎、そう痒、発赤、発疹、潮紅等皮膚刺激感
皮膚(投与部位) 紫斑

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 潰瘍、びらん面への直接噴霧を避けること。
14.1.2 点鼻用として鼻腔内に使用しないこと。
14.1.3 顔面、頭部等、吸入する可能性のある患部には注意して使用すること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者54例、進行性指掌角皮症患者27例を対象にヘパリン類似物質ローション0.3%の適量を1日2〜3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験における改善率(改善以上)は、次のとおりであった1)
副作用は認められなかった。
表 対象疾患別の改善率
対象疾患名改善率(%)(改善以上)
皮脂欠乏症98.1(53/54)
進行性指掌角皮症85.2(23/27)
17.1.2 国内一般臨床試験
肥厚性瘢痕・ケロイド患者20例を対象にヘパリン類似物質ローション0.3%の適量を1日1〜数回、8週間単純塗擦又はガーゼ等にのばして貼付した一般臨床試験における改善率(改善以上)は、66.7%(10/15例)であった2)
副作用は認められなかった。
17.1.3 国内一般臨床試験
外傷(捻挫、挫傷)患者20例を対象にヘパリン類似物質ローション0.3%の適量を1日数回、10日間塗擦した一般臨床試験における改善率(改善以上)は、100%(18/18例)であった3)
副作用は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確ではない。
18.2 血液凝固抑制作用
血液凝固時間を延長し、血液凝固抑制作用を示す(ヒト4)5)、イヌ4)、ウサギ5))。
18.3 血流量増加作用
水素クリアランス法による実験で、皮膚組織血流量の増加を認めた6)7)(ウサギ)。
18.4 血腫消退促進作用
実験的血腫の消退促進を認めた6)(ウサギ)。
18.5 角質水分保持増強作用
皮膚に対する保湿効果を有し8)(ヒト)、実験的乾燥性皮膚において角質水分保持増強作用を認めた7)9)(モルモット)。
18.6 線維芽細胞増殖抑制作用
組織癒着防止に関する実験で、線維芽細胞増殖の抑制を認めた4)10)(ウサギ)。
18.7 抗炎症作用
紫外線紅斑抑制作用を有する11)(モルモット)。
18.8 生物学的同等性試験
本剤は共同開発会社のヘパリン類似物質ローション0.3%と同一処方のため、生物学的同等性試験を実施していない。
(以下、共同開発会社のヘパリン類似物質ローション0.3%で実施された生物学的同等性試験の結果を引用記載する。)
18.8.1 紫外線紅斑抑制作用
ヘパリン類似物質ローション0.3%、ヘパリン類似物質ローション0.3%「日医工」各200mgを塗布したモルモットを用いて、紫外線照射後の紅斑強度を測定した結果、コントロール群に比較して両製剤とも有意な紅斑抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された12)
18.8.2 鎮痛作用
ヘパリン類似物質ローション0.3%、ヘパリン類似物質ローション0.3%「日医工」各200mgを用いて、炎症性浮腫を惹起させたラットにおける疼痛閾値圧を測定した結果、コントロール群に比較して両製剤とも有意に疼痛閾値圧を上昇させ、鎮痛作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された12)
18.8.3 血液凝固抑制作用
ヘパリン類似物質ローション0.3%、ヘパリン類似物質ローション0.3%「日医工」各3gを埋没させたウサギにおける血液凝固時間を測定した結果、コントロール群に比較して両製剤とも有意な血液凝固抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ヘパリン類似物質

一般的名称 ヘパリン類似物質
一般的名称(欧名) Heparinoid
物理化学的性状 帯黄白色の無晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
水に溶けやすく、メタノール、エタノール、アセトン又はn-ブタノールにほとんど溶けない。
水溶液(1→20)のpHは5.3〜7.6である。
KEGG DRUG D04799

22. 包装

100g×10本(プラスチック容器)

23. 主要文献

  1. 原田昭太郎ほか, 臨床医薬, 17, 1051-1062, (2001)
  2. 大島良夫ほか, 臨床医薬, 17, 1079-1087, (2001)
  3. 山崎 誠ほか, 臨床医薬, 17, 1071-1078, (2001)
  4. 中安国裕, 東京慈恵会医科大学雑誌, 76, 494-514, (1961)
  5. 石川浩一ほか, 外科, 17, 849-854, (1955)
  6. 木戸裕子ほか, 基礎と臨床, 30, 463-469, (1996)
  7. 土肥孝彰ほか, 薬理と治療, 29, 127-134, (2001)
  8. 安藤隆夫ほか, 日本香粧品科学会誌, 8, 246-250, (1984)
  9. 難波和彦, 久留米医学会雑誌, 51, 407-415, (1988)
  10. 間狩 孝, 日本外科宝函, 28, 3757-3776, (1959)
  11. Raake W, Arzneim.-Forsch./Drug Res., 34, 449-451, (1984) »PubMed
  12. 社内資料:生物学的同等性試験(ローション)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656
製品情報問い合わせ先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
佐藤製薬株式会社
東京都港区元赤坂1丁目5番27号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版