医療用医薬品 : オロパタジン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 オロパタジン塩酸塩
一般名 オロパタジン塩酸塩
欧文一般名 Olopatadine Hydrochloride
製剤名 オロパタジン塩酸塩口腔内崩壊錠
薬効分類名 アレルギー性疾患治療剤
薬効分類番号 4490
ATCコード R01AC08
KEGG DRUG
D01192 オロパタジン塩酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オロパタジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」 (後発品) Olopatadine Hydrochloride OD Tablets"TAKATA" 高田製薬 4490025F3050 10.4円/錠
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」 (後発品) Olopatadine Hydrochloride OD Tablets"TAKATA" 高田製薬 4490025F4057 10.4円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

成人
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)
小児
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

6. 用法及び用量

成人
通常、成人には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児
通常、7歳以上の小児には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。

8. 重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
8.2 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
<アレルギー性鼻炎>
8.3 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイド減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能低下患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)
高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。[16.6.217.1.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
注)発現頻度はアレロック錠における成人の使用成績調査及び特別調査、アレロック錠、OD錠及び顆粒における小児の特定使用成績調査を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症 紅斑等の発疹浮腫(顔面・四肢等)、そう痒、呼吸困難 
精神神経系眠気倦怠感、口渇、頭痛・頭重感、めまい集中力低下、しびれ感不随意運動(顔面・四肢等)
消化器 腹部不快感、腹痛、下痢、嘔気便秘、口内炎・口角炎・舌痛、胸やけ、食欲亢進嘔吐
肝臓 肝機能異常(ALT,AST,LDH,γ-GTP,Al-P,総ビリルビン上昇)  
血液 白血球増多、好酸球増多、リンパ球減少白血球減少、血小板減少 
腎臓・泌尿器 尿潜血BUN上昇、尿蛋白陽性、血中クレアチニン上昇、頻尿、排尿困難 
循環器  動悸、血圧上昇 
その他 血清コレステロール上昇尿糖陽性、胸部不快感、味覚異常、体重増加、ほてり月経異常、筋肉痛、関節痛

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の投与は、アレルゲン皮内反応を抑制し、アレルゲンの確認に支障を来すので、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
因果関係は明らかではないが、オロパタジン塩酸塩錠投与中に心筋梗塞の発症がみられた症例が報告されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」
<水なしで服用>
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」とアレロック錠5をクロスオーバー法により、健康成人男子20名にそれぞれ1錠(オロパタジン塩酸塩として5mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、3、4、6、8及び12時間に前腕静脈から採血した。LC/MSにより測定したオロパタジンの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)〜log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された1)
図16-1 血漿中濃度
表16-1 薬物動態パラメータ
 判定パラメータ参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」183.05±25.2564.19±20.471.1±0.62.4±0.2
アレロック錠5184.35±24.6765.12±16.780.9±0.52.4±0.3
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<水で服用>
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」とアレロック錠5をクロスオーバー法により、健康成人男子19名にそれぞれ1錠(オロパタジン塩酸塩として5mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、3、4、6、8及び12時間に前腕静脈から採血した。LC/MSにより測定したオロパタジンの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)〜log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された1)
図16-2 血漿中濃度
表16-2 薬物動態パラメータ
 判定パラメータ参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」172.55±28.9963.78±16.840.7±0.22.5±0.3
アレロック錠5169.82±28.9261.38±15.290.8±0.32.5±0.2
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下患者(血液透析導入前)
クレアチニンクリアランスが2.3〜34.4mL/minの腎機能低下患者及び健康成人(各6例)にオロパタジン塩酸塩錠10mgを朝食後単回経口投与したとき、健康成人と比較して、腎機能低下患者のCmaxは2.3倍、AUCは約8倍であった2)3)。[9.2.1参照]
16.6.2 高齢者
高齢者(70歳以上)及び健康成人(各6例)にオロパタジン塩酸塩錠10mgを単回経口投与したとき、高齢者の血漿中濃度は健康成人に比べ高く推移し、Cmaxは約1.3倍、AUCは約1.8倍であった。t1/2は両者とも10〜11時間と同様であった3)。[9.8参照]
16.8 その他
16.8.1 オロパタジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」
オロパタジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」はオロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」と含量が異なる製剤として開発されたことから、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、溶出挙動を比較したところ同等と判断され、両剤は生物学的に同等とみなされた4)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 高齢者(65歳以上)における臨床成績
承認時までの高齢者(65歳以上)への使用経験191例(気管支喘息57例、アレルギー性鼻炎3例、じん麻疹31例、そう痒性皮膚疾患100例)における副作用発現率は22.5%(43/191例)であり、主な副作用は眠気23件(12.0%)、倦怠感7件(3.7%)、腹痛4件(2.1%)、顔面・四肢等の浮腫3件(1.6%)、頭痛・頭重感3件(1.6%)、めまい2件(1.0%)、下痢2件(1.0%)、胸部不快感2件(1.0%)等であった。高齢者における副作用発現率は65歳未満15.3%(238/1,555例)に比べ高かった。また、高齢者に対する有効率は気管支喘息25.5%(12/47例)、アレルギー性鼻炎100%(2/2例)、じん麻疹80.6%(25/31例)、皮膚疾患に伴うそう痒全体で58.3%(49/84例)であった5)。[9.8参照]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
オロパタジン塩酸塩は、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、更に化学伝達物質(ロイコトリエン、トロンボキサン、PAF等)の産生・遊離抑制作用を有し、神経伝達物質タキキニン遊離抑制作用も有する6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. オロパタジン塩酸塩

一般的名称 オロパタジン塩酸塩
一般的名称(欧名) Olopatadine Hydrochloride
化学名 {11-[(1Z)-3-(Dimethylamino)propylidene]-6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-2-yl}acetic acid monohydrochloride
分子式 C21H23NO3・HCl
分子量 373.87
融点 約250℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
ギ酸に極めて溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
0.01mol/Lの塩酸試液に溶ける。
1.0gを水100mLに溶かした液のpHは2.3〜3.3である。
KEGG DRUG D01192

22. 包装

<オロパタジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」>
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
<オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」>
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
700錠[14錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
500錠[プラスチック瓶、バラ、乾燥剤入り]

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験(オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」)
  2. 越川昭三 他, 腎と透析, 42, 107-114, (1997)
  3. 小林真一 他, 臨床薬理, 27, 673-681, (1996) »DOI
  4. 社内資料:生物学的同等性試験及び溶出性試験(オロパタジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」)
  5. 臨床試験における高齢者(65歳以上)の安全性と有効性のまとめ(アレロック錠:2000年12月22日承認、申請資料概要 ト-I-5-2、ト-II-2)
  6. 非臨床試験における特長(アレロック錠:2000年12月22日承認、申請資料概要 イ-III-1)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
高田製薬株式会社 文献請求窓口
〒336-8666 さいたま市南区沼影1丁目11番1号
電話:0120-989-813
FAX:048-816-4183
製品情報問い合わせ先
高田製薬株式会社 文献請求窓口
〒336-8666 さいたま市南区沼影1丁目11番1号
電話:0120-989-813
FAX:048-816-4183

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
高田製薬株式会社
さいたま市西区宮前町203番地1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版