メチルメチオニンスルホニウムクロリドの詳細な機序は明確ではないが、胃粘液量増加、胃血流量増加等による潰瘍抑制作用及び肝機能改善作用を示す。
18.2.1 実験潰瘍(酢酸、clamping)を抑制し、胃粘膜組織ムコ多糖成分の分解を防止(β-グルクロニダーゼ活性及びN-アセチル-β-グルコサミニダーゼ活性の抑制)する(ラット)。
18.2.2 実験潰瘍(エタノール、塩酸エタノール、塩酸アスピリン)における胃粘膜損傷を抑制する。インドメタシン前処理ではこれらの作用は低下する
6)(ラット)。
18.2.3 実験潰瘍(エタノール)に対して胃粘膜表層部の粘液糖蛋白量を増加・保持させる
7)(ラット)。
18.2.4 胃切除後の残胃粘膜の変性防止を認め、上皮の再生、粘液分泌を認める
8)(イヌ)。
18.3.1 四塩化炭素障害肝で血清膠質反応を改善する
10)(ラット)。
18.3.2 四塩化炭素障害肝でリン脂質、リン蛋白、RNAの代謝を改善する
10)(ウサギ)。
18.3.3 四塩化炭素障害肝で肝臓のローズベンガル摂取率の低下、キニノーゲン量の一過性の増大を抑制する
11)(ラット)。
18.3.4 メチルメチオニンスルホニウムクロリドはlabile-CH
3基を有しており、体内においてメチル基供与体として作用し、ヒスタミンを不活化する
12)(マウス)。
18.3.5 ケファリンからレシチンへの合成を促進する(マウス)。
18.3.6 コレステロール脂肝に対して肝臓並びに血清中の脂質を減少させる
13)(ウサギ)。