医療用医薬品 : イリノテカン塩酸塩 |
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総称名 | イリノテカン塩酸塩 |
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一般名 | イリノテカン塩酸塩水和物 |
欧文一般名 | Irinotecan Hydrochloride Hydrate |
薬効分類名 | 抗悪性腫瘍剤 |
薬効分類番号 | 4240 |
ATCコード | L01CE02 |
KEGG DRUG |
D01061
イリノテカン塩酸塩水和物
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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イリノテカン塩酸塩点滴静注液40mg「トーワ」 (後発品) | IRINOTECAN HYDROCHLORIDE HYDRATE INTRAVENOUS INFUSION 40mg"TOWA" | 東和薬品 | 4240404A1148 | 1030円/瓶 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
イリノテカン塩酸塩点滴静注液100mg「トーワ」 (後発品) | IRINOTECAN HYDROCHLORIDE HYDRATE INTRAVENOUS INFUSION 100mg"TOWA" | 東和薬品 | 4240404A2144 | 2319円/瓶 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
種類 | 程度 |
好中球数 | 1,500/mm3以上 |
血小板数 | 75,000/mm3以上 |
副作用注1) | 程度 | 減量方法 |
好中球減少 | 以下のいずれかの条件を満たす場合: 1)2クール目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期 2)500/mm3未満が7日以上持続 3)感染症又は下痢を併発し、かつ1,000/mm3未満 4)発熱性好中球減少症 | 本剤を優先的に減量する。 ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する。 |
下痢 | 発熱(38℃以上)を伴う | |
グレード3注2)以上 | フルオロウラシル持続静注を減量する。 | |
血小板減少 | 以下のいずれかの条件を満たす場合: 1)2クール目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期 2)50,000/mm3未満 | オキサリプラチンを優先的に減量する。 ただし、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する。 |
総ビリルビン上昇 | 2.0mg/dL超3.0mg/dL以下 | 本剤を120mg/m2に減量する。 |
3.0mg/dL超 | 本剤を90mg/m2に減量する。 | |
粘膜炎 | グレード3注2)以上 | フルオロウラシル持続静注を減量する。 |
手足症候群 |
投与レベル | オキサリプラチン | 本剤 | フルオロウラシル持続静注 |
−1 | 65mg/m2 | 150mg/m2 | 1,800mg/m2 |
−2 | 50mg/m2 | 120mg/m2 | 1,200mg/m2 |
−3 | 中止 | 中止 | 中止 |
他の抗悪性腫瘍剤 放射線照射 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。 患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。 | 併用により殺細胞作用が増強される。 |
末梢性筋弛緩剤 スキサメトニウム塩化物水和物 ベクロニウム臭化物 ロクロニウム臭化物等 | 末梢性筋弛緩剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤は、動物実験で筋収縮増強作用が認められている。 |
CYP3A4阻害剤 アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール等) マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等) リトナビル ジルチアゼム塩酸塩 ニフェジピン モザバプタン塩酸塩等 グレープフルーツジュース | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。 患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。 | 本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を阻害する左記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が阻害されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分増加し、SN-38の全身曝露量が増加することが考えられる。 |
CYP3A4誘導剤 フェニトイン カルバマゼピン リファンピシン フェノバルビタール等 セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 本剤投与期間中は左記薬剤・食品との併用を避けることが望ましい。 | 本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を誘導する左記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が促進されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分減少し、SN-38の全身曝露量が減少することが考えられる。 |
ソラフェニブトシル酸塩 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。 患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。 | 本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。 UGT1A1阻害作用のあるソラフェニブトシル酸塩との併用により、本剤及び本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
ラパチニブトシル酸塩水和物 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。 患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。 | 機序は不明だが、ラパチニブトシル酸塩水和物との併用により、本剤の活性代謝物(SN-38)のAUCが約40%増加したとの報告がある。 |
レゴラフェニブ水和物 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。 患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。 | 本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。 UGT1A1阻害作用のあるレゴラフェニブ水和物との併用により、本剤及び本剤の活性代謝物(SN-38)のAUCがそれぞれ28%及び44%増加し、Cmaxがそれぞれ22%増加及び9%減少したとの報告がある。 |
50%以上 | 5〜50%未満 | 5%未満 | 頻度不明 | |
消化器 | 食欲不振(80.9%)、悪心・嘔吐(77.2%) | 腹痛 | しゃっくり、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、痔核、胃腸音異常 | 胃潰瘍、胃・腹部不快感、胃炎、消化不良、便秘、食道炎、吐血、腸管運動亢進 |
肝臓 | AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇 | ビリルビン上昇、γ-GTP上昇 | ||
腎臓 | 電解質異常 | 腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常 | 乏尿、クレアチニンクリアランス低下 | |
呼吸器 | 気管支炎、咽頭炎、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、口腔咽頭不快感 | 咽頭痛、咳嗽、呼吸困難、PaO2低下、上気道炎 | ||
過敏症 | 発疹、そう痒感 | 蕁麻疹 | ||
皮膚 | 脱毛 | 色素沈着、浮腫、紅斑、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥 | 帯状疱疹、粘膜炎、発赤 | |
精神神経系 | しびれ等の末梢神経障害、頭痛、めまい、精神症状、意識障害、傾眠、興奮・不安感、不穏 | 痙攣、耳鳴、味覚異常、うつ病、目のかすみ、不眠、振戦、構語障害 | ||
循環器 | 頻脈、血圧低下、動悸 | 不整脈、徐脈、心房細動、高血圧、心電図異常 | ||
その他 | 倦怠感、発熱、好酸球増加、総蛋白減少、アルブミン減少 | 発汗、顔面潮紅、疼痛、腰痛、カルシウム異常、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、糖尿 | 脱水、コリン作動性症候群、悪寒、胸部不快感、胸痛、関節痛、筋痛、鼻出血、脱力感、無力症、疲労、体重増加、体重減少、LDH低下、白血球増加、血小板増加、白血球分画の変動、CRP上昇、注射部位反応(発赤、疼痛等)、血管炎、流涙、熱感、腹水、鼻汁 |
投与量(mg/m2) | 症例数 | Cmax(μg/mL) | t1/2(hr) | AUC(μg・hr/mL) | ||
未変化体 | SN-38 | 未変化体 | 未変化体 | SN-38 | ||
50 | 3 | 0.7 | 0.02 | 5.6 | 3.6 | 0.2 |
100 | 4 | 1.9 | 0.03 | 5.8 | 14.2 | 0.6 |
165 | 5 | 4.7 | 0.05 | 4.2 | 21.5 | 0.7 |
250 | 5 | 7.6 | 0.07 | 4.5 | 27.9 | 0.9 |
350 | 1 | 7.1 | 0.14 | 3.7 | 44.7 | 1.1 |
遺伝子多型 | AUC比注2) | |
例数 | 中央値(四分位範囲) | |
UGT1A1*6とUGT1A1*28をともにもたない | 85 | 5.55(4.13-7.26) |
UGT1A1*6又はUGT1A1*28をヘテロ接合体としてもつ | 75 | 3.62(2.74-5.18) |
UGT1A1*6又はUGT1A1*28をホモ接合体としてもつ、 もしくはUGT1A1*6とUGT1A1*28をヘテロ接合体としてもつ | 16 | 2.07(1.45-3.62) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
小細胞肺癌 | 37.1(13/35) | 31.7(13/41) |
非小細胞肺癌 | 24.7(23/93) | 21.1(23/109) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
子宮頸癌 | 23.6(13/55) | 19.7(13/66) |
卵巣癌 | 23.6(13/55) | 19.1(13/68) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
胃癌 | 23.3(14/60) | 18.4(14/76) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
結腸・直腸癌 | 32.1(17/53) | 27.0(17/63) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
乳癌 | 23.1(15/65) | 20.0(15/75) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
有棘細胞癌 | 39.4(13/33) | 31.7(13/41) |
疾患名 | 奏効率% | |
(CR+PR/完全例) | (CR+PR/適格例) | |
悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫) | 41.9(26/62) | 37.7(26/69) |
疾患名 | 投与群 | 例数(ITT) | 生存期間(主要評価項目) | |
中央値(月) | ハザード比 P値注2) | |||
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌 | FOLFIRINOX法 | 127 | 10.5 | 0.62 P<0.001 |
GEM単独投与 | 128 | 6.9 |
疾患名 | 奏効率(有効例/適格例) |
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌 | 38.9%(14/36) |
遺伝子多型 | グレード3以上の好中球減少発現率(例数) | グレード3の下痢発現率(例数) |
UGT1A1*6とUGT1A1*28をともにもたない | 14.3%(3/21) | 14.3%(3/21) |
UGT1A1*6又はUGT1A1*28をヘテロ接合体としてもつ | 24.1%(7/29) | 6.9%(2/29) |
UGT1A1*6又はUGT1A1*28をホモ接合体としてもつ、もしくはUGT1A1*6とUGT1A1*28をヘテロ接合体としてもつ | 80.0%(4/5) | 20.0%(1/5) |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/07/23 版 |